まりっぺのお気楽読書

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フランス王アンリ4世愛妾 ガブリエル

2009-08-03 00:06:30 | 王の寵姫・愛妾
まるで本妻の貫禄
ボーフォール公爵、モンソー侯爵 ガブリエル・デストレ


1571~1599/愛妾 1592~1599

アンリ4世といえば53人の愛妾がいたという驚きの女性讃美者でいらっしゃいますけど
たぶん一番愛したであろうと言われているのがガブリエル・デストレです。

ガブリエルはアンリと出会う前にたいそう男性遍歴があったらしく
その中にはアンリ3世も含まれているとかいないとか…

        

ガブリエルが愛妾になった時には、アンリ4世はとっくに王妃マルゴ とは別居中でした。
アンリはプロテスタントだったため国王に即位していながらフランスから脱出中。
パリで戴冠するために戦いを続けている最中でした。

ガブリエルはアンリと一緒に戦場に居て、アンリが宮殿へ帰るように勧めても
テコでも動きませんとも! 妊娠してもテントにとどまりました。
彼女は戦うアンリに温かい食事を与え、清潔な服を着せたかったそうなのね。
戦場だからって不便な思いをさせたくないという献身ぶり … でも邪魔じゃない?

後年の話になりますが、スペインが攻め込んで来た時には自分の資金を提供した上に
貴族の城をまわって軍資金の寄付を募ったそうな … 見上げたものです。

誰もがうっとりするような美しさだったというガブリエルは、知性もあり
実務の処理能力もあったということで、アンリ4世は大きな信頼をおいていました。
何事も相談してアドバイスをあおいだそうです。
実際彼女の説得でプロテスタントからカトリックに改宗したからこそ
パリで戴冠式を行うこともできました。

アンリにはまったくありがたいことずくめの女性でしたが、王に多大な影響力を持つ
ガブリエルには敵が多かったのも事実で、かなり不人気だったという説もあります。
アンリがパリに入り彼女に称号を与えたり結婚を画策し始めると、ガブリエルに対する
中傷のビラがバラまかれ、上流階級は眉を顰めたということです。

でもねぇ、ガブリエルは自分の “ 女友達 ” を使って上流階級の男性たちを説得し
宗教対立の激化をふせいだそうよ … どんな説得かは ご想像通りだと思います。
手段はどうあれいくらか尊い命が救われたのですから、やはり王の良き伴侶だったのでは?

1599年、マルゴとの離婚が成立したアンリ4世とガブリエルは結婚することになりました。
ガブリエルは妊娠5ヶ月でしたが式は復活祭の日に決まりました。

ガブリエルが待ちに待った栄光の王妃の座まであと一息という結婚式の2日前
彼女はひと足先にパリに入り銀行家ザメの家の晩餐に出席しました。
その夜急に産気づき、子供を死産すると翌日息を引きとりました。
このタイミング … 毒殺と噂されメディチ家が疑われたそうですが敗血症だったそうです。
ちなみに、アンリ4世の新しい妃はマリー・ド・メディシス ですけどね。

ガブリエルは愛妾というより王妃にふさわしい女性だったんじゃない?
やっと彼女にふさわしいポジションを与えられるという矢先の死、悔しかったでしょう。

        
           こちらの有名な絵画はガブリエルとその姉妹らしいです

(参考文献 エレノア・ハーマン『王たちのセックス』
      高階秀爾氏『歴史のなかの女たち』 Wikipedia英語版)

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ガブリエル・デストレと妹君の絵画の表すものは‥ (メリエンダ)
2018-10-23 20:32:44
ガブリエル・デストレ、アンリ4世の数多くいた妾の中でもダントツの知名度を誇る寵姫。
アンリに出会う前から、かーなーりーの男性経験を積み、アンリもまた、女に関しては百戦錬磨(笑)の男性で、似たもの同士の二人だったみたいですね。ガブリエルは、“世紀の美貌”“天上の美しさ”等々、当時の人々から絶賛され、髪は、“金糸”のように輝き、瞳は、“二粒の青玉”、唇は、“珊瑚”のように色鮮やかで、その肌は、“真珠よりも純白”と讃えられ、(唯一、鼻が心持ち高すぎるとも‥)知性も高くて、アンリは彼女にすっかり夢中になり、ガブリエルも、アンリに献身的で、ガブリエル愛しのあまり、彼女を王妃にしようとしたほど‥ガブリエルの絵画、何れも美しいですが、とりわけ有名なのは裸のガブリエルと妹君が描かれたものですが、初めて目にした時、“なんってエロティックな!”と顔を赤らめ事がありますが、この絵画にはある意味があるらしく、二人の背後に一人の婦人がいて、彼女は何か編み物をしていて、その編み物は、子供の為のもので、その子供は彼女の‥でなく、主人たるガブリエルの生まれてくる子供の為のものであり、妹君が姉、ガブリエルの乳首を軽く摘まんでいるのは、“妊娠”を表していて、摘ままれているガブリエルがどこかで嬉しげなのは、母になる喜びゆえだ、という、説があるらしいですね。だけど、幸せは続かず、れっきとした王妃になる前に謎の死、惜しすぎますね。 ガブリエルの子供達は、異母弟、ルイ13世との仲は悪く、母亡き後は、あまり幸せとは言えなかったみたいですね。
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