WALKER’S 

歩く男の日日

私のお遍路日記 歩いて回る四国88カ所

2008-01-06 | 日記
 久々に三宮の淳久堂に行ったら、おもしろい本がありました。お遍路の本は珍しくないし、ブログやHPでは数え切れないくらい遍路日記が存在する。でもそれらのほとんどがあまり参考になることはないし、感心するところも少ない。お遍路というものは完全にパーソナルなものだからです。他人に最も参考になる宿屋の情報をきっちり書いているものは本当に少ない。ということで、この本もそんなに期待せずに手に取ってみたのですが、知らずの内に引き込まれていきました。そして、何より驚いたことに、ぼくは文を書いた佐藤光代さんに会っていたのです。88番大窪寺の前の民宿で食事の時にいっしょになっただけで、言葉も交わさなかったので、彼女はぼくのことを覚えていないはずですが、ぼくは今でもはっきり覚えているのです。なぜかというと、そのお遍路から帰ってしばらくして彼女がテレビに登場したのです。お遍路の特集でインタビューを受けていました。その肩書きがディレクター、となっていたのでそれを放送していた関西テレビのディレクターだと思っていたのですが、この本によると、フリーのディレクターということでした。
 彼女は4月1日に出発して5月13日に88番に到着、ぼくは4月13日に出発して5月13日に88番に到着しました。この本を読むと、早ければいいというものではない事が如実に分かります。彼女くらいの早さで歩く人が一番多いので、何度も会う人が多くなって、交流も多くなり豊かに歩ける。ぼくくらいの早さだと追い抜く人は多いけれど、ほとんどがそれっきりになってしまうのです。
 この本のいいところはお遍路の良さが自然に表現されているところです。人との出会い。山歩きや雨の中のつらさ。トンネル歩きの恐怖。そしてそれら中から生まれる感謝と感動。5回歩いたぼくがうらやましくなるくらい、素晴らしいお遍路日記です。
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