森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

舞台「薔薇王の葬列」

2023-02-27 01:42:27 | 観劇・コンサート日記

2月19日、日テレプラスで放送された舞台「薔薇王の葬列」を、【若月佑美バージョン】の方で観ました。

このお芝居が放送されると知った時に、アマプラにて2話までが(3話以降は有料)無料で観る事が出来たアニメも見てみました。

舞台は、そのアニメの2話までがオープニングと言う感じがしました。

その先は物語も知らなかったわけですが、思っていた以上に美しく心に残る作品で、録画の関係で【有馬爽人バージョン】を残さなかったことが悔やまれました。

 

「薔薇王の葬列」はその薔薇王と言うロマンティックな響きとは違って、重く暗い内容だと思います。

遠い昔、中学生の時に「イギリスの歴史」と言う本を読んで、それ以来歴史好きになった私。その時知った「薔薇戦争」がその舞台です。

元々「薔薇戦争」と言うもの自体が、その美しい名前とは真逆な残酷で非道な権力争いであった戦争。

その前にイギリスがしていたのは、フランスとの「百年戦争」で、ずっとイギリスが優勢だったのを、かの有名なオルレアンの乙女、ジャンヌ・ダルクの出現によって、シャルル7世を戴冠に導くのでした。「百年戦争」って何と思われた方は→こちら

私はこの「百年戦争」と言うものを知った時には、或る日生まれた赤ちゃんが、おばあちゃん、もしくはおじいちゃんになって死んでいく間、ずっと戦争をしているようなもので、なんて恐ろしい事なんだろうかと思ったものでした。

過ぎてしまえば、すべて遠い出来事。だけどその時代を生きるという事は、いつの時代も大変な事なのかも知れません。

 

この舞台は、俗に言う「2.5次元」と言われているものだと思います。

「2.5次元」を「今更聞けない」と言う方の為に、ちょっと触れると

【「イラスト・アニメ風2次元の世界と実際の人間・実写による3次元の世界の、何らかの狭間を指す単語。2次元的なイメージの3次元への投影か、またはイメージ自体の錯覚的・部分的な3次元化に適用される。ただし、一般には人物または人格が存在するイメージにしか適用されない」(「ニコニコ大百科」より引用)とある。すなわち、マンガやアニメなどの世界を人間が演じることで形成される空間を指すことが多いようだ。】

って、やっぱり分かり辛いのですが、なんとなく感覚的に「ああ、そうか。」となります。

だからこのお芝居の原作も、アニメ「薔薇王の葬列」になるのですね。

あのアニメ感がそのままスライドしたような舞台だなと思いました。

 

ふとこれを、「劇団☆新感線」が演出したらどうなるのか、または「さい芸」で吉田鋼太郎の演出で公演したらどうなるのかなどとふと思ってしまいました。

「新感線」の場合、マーガレットを高田さんなんかが演じ、かなり途中で笑いが入るような気がします。

また吉田さん演出だとしたら、意外と違和感ないような気がします。

なぜならこの「薔薇王の葬列」は、元々はシェークスピアの「リチャード3世」「ヘンリー6世」が原案の菅野文の漫画だからです。

 

シェークスピアの「リチャード3世」は体の曲がった醜悪な人間として描かれていますが、こちらは雌雄両具のキメラとして生まれ、母からは悪魔の子として疎まれて、父からは一身の愛を受けて育ちます。

ジャンヌ・ダルクが魔女の亡霊として、リチャードに付きまとっていたり、森で羊飼いだと思って心惹かれた男は実は父の仇のヘンリー6世その人だったりと、なかなか面白いです。

 

原作は17巻で完結していて、漫画で薔薇戦争を描いているものはなく、興味も出てくると言うものですね。少々気になっています。

 

 

 

キャストは主役から脇を固める人、皆良かったです。特にマーガレット役の田中良子さん、印象深かったです。

彼女のブログを見つけました。ママになったみたいで、更新も多くなくなるかもしれませんが、彼女もこの舞台の事に触れていて、興味深かったです。

「まると良子の生活」

 

ところで3月25日にWOWOWで午後6時から「歌妖曲~中川大志之丞変化~」が放送されるのですが、なんか変たタイトルだなぁと思ったら、中身は昭和歌謡版「リチャード3世」なんですって。

なんか今、「リチャード3世」、来てるのかしら。


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