ICT工夫
全ての自由を奪えても、自由を求める自由だけは奪えない
  だからネットの使い方も 工夫 したい こうふ のブログ




毎日新聞 2011年10月1日 東京朝刊でマスコミ倫理懇:閉幕 という記事がありました-『9月29日から名古屋市で開かれていた新聞、放送、出版などメディア各社でつくるマスコミ倫理懇談会全国協議会の第55回全国大会が30日、閉幕した。参加者は「福島原発事故 取材の壁・報道の揺れ」「被災者から見た報道」「ソーシャルメディアと既存メディア」など7分科会に分かれ、活発な議論を展開。30日は各分科会の座長による報告と質疑の後、「原発事故を含む被災地の苦しみを忘れることなく、メディアとしての役割を引き続き果たしていく」などとする申し合わせを採択した。』

私は「マスコミ倫理懇談会全国協議会」という組織があることを知りませんでしたのでネット検索で調べてみました。以下は各紙の記事を整理した結果です。

会期 : 2011年9月29日~30日、会場 : 名古屋市中区の名古屋東急ホテル、参加者 : 118社・団体から約370人、メインテーマは「震災・原発 検証メディアの責務」
基調講演 : 元兵庫県知事の貝原俊民氏、知事時代に対応にあたった阪神大震災などの例を踏まえ、「単に被災前の状態に戻すのではなく、創造的な復興を目指すことが重要だ」と話した。
全国協議会の川嶋明代表幹事は「東日本大震災の報道は健闘していたが、今後想定される東海・東南海・南海地震を考えれば検証すべき課題が残っている」とあいさつした。
各分科会に先立ち、開催地を代表して小出宣昭・中日新聞社長は「ジャーナリズムの真骨頂が問われている。距離と時間の差を克服し、想像力を持って、どう読者に伝えるか議論をしてほしい」とあいさつした。

報道分科会 「福島原発事故 取材の壁・報道の揺れ」
 福島第1原発4号機の原子炉圧力容器の設計にかかわったサイエンスライター田中三彦さんが「原発事故直後は、基本的な専門知識の不足から間違った報道が少なくなかった」と指摘。
 福島民報の佐久間順社会部長は「震災前に原発の安全性に根本的に踏み込む報道が少なかった」と振り返った。「事故以前の福島に戻るには長い時間がかかり、地元紙に課せられた責任は大きい」と話した。
 【NHKニュース】 田中三彦さんは、「政府や東京電力の情報に頼るだけでなく、その情報が本当に正しいか、踏み込んで検証する報道が足りなかったのではないか」と指摘しました。マスコミの関係者からは「取材先が限られる一方、東京電力などで連日長時間の会見が続くなど、膨大な情報の処理に追われ、事実関係の検証ができないまま報道することになったことは反省しなければならない。報道そのものの検証が必要だ」といった発言や、「専門用語が飛び交う原発事故を分かりやすく伝えるためには、専門的な知識を持った記者の育成が欠かせない」といった意見が出されました。

報道分科会 「原発災害をいかに伝えるか」
 被災者、市民が求めた情報をメディアはどれだけ伝えられたかなどについて討論した。
福島県飯舘村の菅野典雄村長、南相馬市の桜井勝延市長のインタビューを上映。原発事故直後、政府の避難指示や屋内退避指示に伴い多くのメディアが原発被災地での取材を控えたことについて、桜井市長は 「メディアの役割は現場で起きている事実を正確に伝えること。被災地なのに情報も分からず、取り残された」 と指摘した。
 これに対し、討論では「取材陣の安全面をどう確保したらいいのか葛藤した」 「放射線量を測定する専門家を同行させるなど対応策はあったはず」 などの意見が出された。

報道分科会 「被災者から見た報道」
 報道姿勢については 「安全、不安という対立の構図ではなく、不安に直面する住民に寄り添うことが基本」 「客観的なデータを出すだけなく、数字が示す根拠も伝えるべき」 との意見があった。

また今回の原発事故で国や地元自治体、電力会社などが一堂に会し情報共有や対策を調整する 緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター) が機能しなかったため、きめ細かな避難情報が伝わらなかったという意見も相次いだ。【下野新聞】

「震災時の広告の在り方」分科会
 震災直後にテレビで多く流れたACジャパンの公共コマーシャルに視聴者から苦情が寄せられる一方で、そのコマーシャルで使われた曲のCDが街でよく売れたという現象が紹介され、広告関係者が「視聴者の本当の声が見えない」と漏らした。【中日新聞】
毎日新聞が書いている 「ソーシャルメディアと既存メディア」 の他に 「減災・防災報道」 などの分科会もあったようです。【中日新聞】 ・・・ソーシャルメディアをテーマとする議論は読みたいです。

30日・全体会議
 東日本大震災と福島第1原発事故に関して「被災地の苦しみを忘れることなく、メディアとしての役割を引き続き果たしていく」とする大会申し合わせを採択して閉幕した。
 申し合わせでは、今回の震災報道で果たしている新聞や放送、出版の役割の大きさを再確認。専門的な内容になりがちな原発事故の報道は「政府、東電という情報源の壁を乗り越えたか、難解な問題を分かりやすく伝えたかなど反省点もあった」とした。
 その上で「今なお被災地は復旧・復興にはほど遠く、原発事故も収束していない」と指摘。報道機関の責務として、今後も震災や原発事故を息長く国民に伝えていくことを誓い合った。 【中日新聞】
 申し合わせでは、震災や原発事故報道について「災害時に果たした新聞、放送、出版の役割は依然として大きい」とする一方、「防災報道は十分だったか、政府、東電という情報源の壁を乗り越えたか」など反省点も挙げた。 【日本経済新聞-共同】

参照したのは以下の記事です・・・
日本経済新聞 2011/9/29 11:58 マスコミ倫理懇談会が全国大会
中日新聞 2011年9月29日 22時49分 震災、原発報道を検証 名古屋でマスコミ倫理懇
47ニュース 2011/09/29 18:45 震災や原発報道で注文、課題 マスコミ倫理懇が討議
NHK 9月29日 22時8分 原発事故の報道 関係者が議論
下野新聞 9月30日 原発震災報道を検証 マスコミ倫理懇
中日新聞 2011年9月30日 14時01分 被災の苦しみ胸に報道 マスコミ倫理懇閉幕
日本経済新聞 2011/9/30 20:49 マス倫懇全国大会が閉幕 「メディアの役割果たす」 

検索してヒットした中に昨年の記事、2010/09/30 20:02   【共同通信】 マス倫懇「特捜あおった面ある」 報道に反省も がありました。第54回全国大会、9月30日の「検察とメディア」分科会の記事ですが、『別の分科会にゲストとして出席した元検事の高井康行弁護士は「(証拠改ざん事件で)検察の捜査、証拠に重大な疑念が生じ、小沢一郎元民主党幹事長に対する検察審査会の判断に影響する。起訴すべきという議決をするには勇気がいる」という見方を示した。』と書かれています。しかし、検審起訴議決はこの大会以前、既に民主党代表選の当日、9月14日にされていたのです、正式に議決署名したのは10月4日で、その時に検審起訴が決まったと報じられたのですが、まさに「事実関係の検証」をおざなりにして、というより、あえて検察リーク垂れ流しで小沢一郎問題を報じてきたメディアの姿勢。地震津波災害報道はともかく、原発震災では同じことを繰り返したのでしょうか。無計画停電で電力需給事実関係の検証がありましたっけ? 節電エコポイントを煽るような記事は地デジ特需と同じような報道に私には見えました。

今回の第55回全国大会の討論の内容をどこかで詳しく読みたいと思います。マスメディアの第一線で報道にたずさわる方々が、本心では何を思っておられるのか、そこんところを確認せずに「マスごみ」などという言葉は使いたくないと思っています。

別件ですが、栃木県地元紙の下野新聞に、東電基準に批判続出 宇都宮で原子力損害賠償説明会(10月1日)がありました。「前年と比べた売上高の減収分の20%を賠償金支払いの対象外」 とは売上20%減少までは自己責任ですと言いたい東京電力なのでしょう。全て東電自身の金で被災地の復興をするつもりなのでしょうから原発震災復興分には増税は必要ありません。



コメント ( 1 ) | Trackback ( )