細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『人生万歳!』の紐育復帰大万歳!!!

2010年09月10日 | Weblog
●9月9日(木)13-00 京橋<映画美学校試写室>
M-109『人生万歳!』Whatever Works (2009) 米
監督/ウディ・アレン 主演/ラリー・デヴィッド ★★★★
これが40作品目というウディ・アレンは、久しぶりに舞台を古巣のマンハッタンに戻して、得意のシニカルな人情喜劇を作った。
ヨーロッパでは巧妙なミステリーを発表していた彼が、基本にリセットしたのは、当然のようにシナリオに自信があったからだろう。
例によって「ブロードウェイ・ダニーローズ」のように、男たちの世間話から始まるラリーのほら話は、どこが本当かわからない。
この巧妙な話術に乗せられて、ストーリーは急展開を続ける。
壮年のラリーは元学者。路上の娘が懐いて同居したために、田舎から彼女の両親が次々と出てきて、奇想天外な現状となる。
こうなったらウディの独壇場で、バカ話は止まらない。
久しぶりの本領発揮で大いに笑わせられた。主役のラリーが達者で、いつもの偏屈なウディの身代わりを演じるが、とにかく巧い。
これぞブロードウェイのスタンダップ・コメディの本領なら、パトリシア・クラークソンも負けていない。
充実した舞台劇のように、まったく飽きさせない話術に翻弄せれて幸福だった。
グルーチョの言うように『人生は生きていることが、幸福なのだ。』
毎朝、歯磨きのときに「ハッピーバースデー・トゥ・ミー」を唄うラリーに感動した。拍手喝采だ。

■左中間のフェンス直撃の弾丸スリーベース。
●12月中旬、恵比寿ガーデンシネマでロードショー

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