細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『男と女*人生最良の日』は心に豊かな最終編。

2019年11月26日 | Weblog

11月19日(火)13-00 六本木<アスミック・エース試写室>

M-095『男と女*人生最良の日々』"Les Plus Belles Annees d'une vie <2019> Les Films 13,Davis Films / France 2 Cinema

監督・クロード・ルルーシュ 主演・アヌーク・エーメ、ジャン=ルイ・トランティニアン <90分・シネマスコープ>配給・ツイン

同じカップルでの出会いと晩年までの、3部作の新作というのも、一種のシリーズものなのだが、監督もスタッフも代わらない、というのも貴重だ。

実は、わたしは1967年にニューヨークのフィフスアヴェニュー、あのティファニーの真向かいにあったプラザホテルの横の名画座で初めて「男と女」を見た。

流れるような映像と音楽は、当時は斬新で日本でも大ヒットして、レコードやビデオも売れて、あの<ダバダバダー>のメロディは、多くのCMにも影響した。

たしか96年には、同じメンバーで<パート・2>が作られて公開されたが、アヌークとジャン=ルイは、それぞれの仕事と私生活がバラバラで、映画も失敗作。

実は、その直後に、盛岡市で開催されていた<みちのく国際ミステリー映画祭>には、ジャン=ルイの新作が上映されて、何とご本人も盛岡に4日間も来ていた。

わたしは故郷の映画祭なので、会社をサボって帰省して、何と、そのジャン=ルイとは一緒に飲み食いして至福の4日間を過ごしたのだった。

なぜかマスコミの嫌いな彼は、映画祭が終了すると、そのまま東京の観光もしないで、盛岡から成田に直行してパリに戻ってしまったので、知る人は少ない。

シリーズの<パート2>は、お互いの中年期の仕事と、その低迷を描いたせいか、評判も悪かったが、今回は老年期に入って、養老院でルイが生活している現状だ。

恐らく、この三作目を見るひとは、彼らの過去の2作はご存知だろうから、養老院で車椅子に沈み込んでいるジャン=ルイを見ると、親しみの感情で見るだろう。

だから、あのヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘプバーンの「黄昏」のような、ある懐かしさと親しみの共感で見る筈だから、もう、これは、ただの老人映画ではないのだ。

という、一種、<ファミリー記録>のような、懐かしさと親しみに彩られているので、★の評価などは出来ないし、とても採点などは、愚かしく、できない。

 

●2020年1月31日より、TOHOシネマズ・シャンテ他でロードショー