ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

当事者が主役に

2009年12月14日 14時44分23秒 | 障害者の自立
 政府は8日の閣議で、障害者がかかわる制度を集中的に改革する「障がい者制度改革推進本部」(本部長・鳩山由紀夫首相)を内閣に置く方針を決定した。 改革推進本部の下に設ける実務組織の障がい者制度改革推進会議(仮称)は、メンバーの半数以上は障害者団体の関係者を起用し、トップには障害者の当事者を充てる方向で調整している。同会議は、本部が決める障がい者制度改革推進計画の案に意見を述べるほか、制度改革に関する事項を調査、審議する。
長妻昭厚生労働相が福祉サービス利用の際に原則1割の自己負担を課す障害者自立支援法の廃止方針も表明。同法に代わる「障がい者総合福祉法(仮称)」の制定や、障害者施策の基本理念を規定した障害者基本法の改正などが検討課題になる。


「当事者主権」とは

 障害者、女性、高齢者、患者、不登校児童、引きこもり、精神障害者など、社会的問題点を抱えさせられた少数の集団(マイノリティー)に生活自立運動や解放運動が1970年代から始まり、1980年代に運動の大きな盛り上がりがあって、1990年代に社会的制度や国の支援体制が整ってきた。これまで障害者や高齢者の生活自立支援事業とは国や市町村の温情的庇護主義的サービス(パターナリズム)と見られてきた。あくまでサービスの受給者は受け身で、官が良かれと思うことをやるという不備だらけのサービスのことであった。その考えを根底から覆したのが「当事者主権」と言う考え(パラダイム転換)である。当事者とは私の現在をこうあってほしい状態に対する不足ととらえて、そうでは新しい現実を作り出す構想力を持ったときに始めて自分のニーズとは何かがわかり、人は当事者になる。当事者主権はなによりも人格の尊厳に基づいている。誰からも侵されない自己統治権即ち自己決定権をさす。「私のこの権利は誰にも譲ることはできないし、誰からも侵されないとする立場が当事者主権である」と定義されるのである。社会的弱者といわれる人は「私のことは私が決める」という基本的人権を奪われてきた。2000年より施行された介護保険は「恩恵から権利へ」、「措置から契約へ」と大きく福祉パラダイムが変化した。当事者主権はサービスという資源をめぐって受け手と送り手の新しい相互関係を築くものである。

国内で162人を確認 WHO基準で初調査

2009年12月14日 00時57分26秒 | 障害者の自立
 交通事故や転落などで脳に特異な損傷を負う軽度外傷性脳損傷(MTBI)と診断された人が少なくとも、20都道府県で162人(3~76歳)いることが分かった。湖南病院(茨城県下妻市)の石橋徹医師らが世界保健機関(WHO)の基準に照らして国内で初めて調べた。MTBI自体が国内で認知されていないため救済措置がなく、労災や自賠責保険の認定基準も適用されない。

 石橋医師(整形外科)は05年春から約8000人を神経系の眼科、耳鼻科などの医師とともに診断した結果、162人が(1)負傷直後の意識障害の有無(2)その程度を点数化した指標(GCS)--で判断するMTBIのWHO基準を満たした。該当者は、磁気共鳴画像化装置(MRI)などで脳内の損傷が映りにくい特徴がある。

 原因別では、交通事故の125人(77%)が最も多く、高所転落11人▽落下物10人▽転倒9人▽スポーツ外傷4人▽暴力3人。症状別では、記憶・注意力などが低下する高次脳機能障害85人▽脳神経まひに由来するとみられる身体的障害(嗅覚(きゅうかく)54人、視覚68人、味覚66人、聴覚・平衡感覚68人、嚥下(えんげ)68人)▽筋力低下などの身体まひ138人▽排尿排便障害63人=以上重複あり。

 米国には患者を支援する外傷性脳損傷(TBI)法がある。米疾病対策センター(CDC)の報告(03年)によると、年150万人がTBIと診断され、うち75%がMTBIとされる。高次脳機能障害に詳しい大阪府高槻市の山口研一郎医師(脳神経外科)によると、国内のTBI患者は推定で約30万人いる。

 ◇軽度外傷性脳損傷(MTBI)
 頭部に物理的な力が加わり起きた急性の脳損傷を外傷性脳損傷(TBI)と呼ぶ。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されるが、国内では軽度の概念がない。欧米では7~9割が軽度とされ、そのうちの1割が慢性化するとされる。原因は、脳の複数の神経線維が傷ついたびまん性軸索損傷と考えられている。米国では、イラクなどの戦場で爆弾攻撃を受けて重傷を負った帰還兵の52%がTBIと診断された調査結果がある。


軽度脳損傷 自賠責請求、認められず 働き盛り、人生暗転

2009年12月14日 00時50分09秒 | 障害者の自立
 装具で固定した右足をひきずりながら歩く。東京都世田谷区の商店街。左前方に街灯がある。そのまま左肩が激しくぶつかりよろめいた。「よくあることですから」。近くに住む五十嵐克典さん(38)はつえで体を立て直すと、再び歩き始めた。軽度外傷性脳損傷(MTBI)による高次脳機能障害の影響で、左目で空間の一部を認識できないのだ。

 人生は交通事故で一変した。03年10月の夕、埼玉県岩槻市(現さいたま市)の東北自動車道。乗用車で渋滞の最後尾にいたところ、ワゴン車に追突された。5台の玉突き事故。ワゴン車に乗用車のトランクを押しつぶされた。

 五十嵐さんは、意識がもうろうとし、右半身に違和感を覚えた。自ら運転して帰宅すると、母嘉津子さん(67)から「右肩が下がり、右足を引きずっている」と言われた。近くの病院で「頸部(けいぶ)損傷の疑い」と診断された。

 事故から10日を過ぎると、右半身のしびれはひいたが、右手人さし指が動かなくなった。数週間後、みそ汁やオムライスの味がしない。記憶力も落ち、取引先との打ち合わせを忘れた。「待ち合わせ場所に来ない」。商談はつぶれ、仕事への復帰は無理と悟った。

 世田谷で生まれ育ち、プロゴルファーを目指した。腰を痛めてあきらめたが、同期のプロゴルファー、横田真一さんのマネジメントを始めた。クラブメーカーなどと交渉しスポンサー契約をとり、キャディーも務めた。重さ約15キロのゴルフバッグをかつぎ、全国を転戦した。すべてがうまく回っていた。ツアー帰りの「あの日」までは。

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 湖南病院(茨城県下妻市)の石橋徹医師は、当時都内の国立病院勤務医。事故2週間後に五十嵐さんの診察を始めた。MRI(磁気共鳴画像化装置)などで検査したが、脳内出血などを疑わせる画像を確認できなかった。しかし、過去の臨床経験から「原因は脳にある」と推測。世界の学術論文を読むと、米政府が96年に支援法、世界保健機関(WHO)は04年にMTBIの基準をまとめ、欧州の神経学会でもガイドラインを整えていた。

 五十嵐さんは、事故直後の意識変容などWHOの診断基準にある二つの要件を満たしていた。専門医に診断を依頼した結果、左目の空間無視症状▽嗅覚(きゅうかく)喪失、味覚消失、嚥下(えんげ)障害▽高次脳機能障害(知的機能低下、記憶・注意・遂行機能障害)▽排尿1日20回、切迫性尿失禁--などの症状が分かった。

 石橋医師はMTBIと診断を確定。これを受けて五十嵐さんは自賠責保険を請求したが、認められなかった。労災基準に準じた「脳が損傷した兆候を示すMRIなどの画像所見が必要」との自賠責基準を満たせなかったからだ。

 こうした現状から、被害者の多くは、事故の加害者側に損害賠償を求めるしか手段がない。五十嵐さんもワゴン車の運転手らを提訴したが、被告側は「頭部に異常を示す画像所見はなく、高次脳機能障害と身体的障害は事故とは関係ない」と反論しているという。画像所見がなくても、高次脳機能障害を認めた判例(最高裁07年12月)もあるが、多くは敗訴している。

 石橋医師は「MTBIは高次脳機能障害や身体的障害を合併する重い疾患。国内に潜在患者が多数いるのは間違いない。治療や予防、患者救済に取り組む時期が来ている」と指摘した。

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 2歳の一人息子の写真が何枚も飾ってある五十嵐さんの自宅居間には、ウルトラマンやアンパンマンの人形が並ぶ。話し合って別居している妻子が月1~2回訪ねてくるのが楽しみだ。「子供が僕のすべて。首から下がいつ動かなくなるか、毎日恐怖を感じている」

 事故後、身体障害者2級になった。月約1万5000円の障害者手当と同居する母親の月11万円の年金が頼りだ。


初個展を開く、小林恵美さん /栃木

2009年12月14日 00時48分21秒 | 障害者の自立
 ◇見て、触って、感じて--小林恵美さん(23)=小山市間々田
 色とりどりの糸で織ったかばん、マフラー、ぬいぐるみ--。知的障害を持ちながら、10歳から13年間、手織りを続ける。40~50点の作品を集めた初個展「糸&織り遊び」が22~27日、小山市中央町2の「まちかど美術館」で開かれる。

 母千代子さん(52)が「(母子で)一緒に遊べるものを」と考え、千代子さんの友人、川元由美子さんが野木町で運営する手織り工房に通うようになった。

 中学時代からは集中して取り組むようになり、文化祭で作品コーナーが設けられるほどに。これまで手掛けた作品は約300点。今回の個展には「見て、触って、温かさを感じてもらいたい」という願いが込められている。

 千代子さんは「障害者もいろいろなことを楽しむことができることを知ってもらいたい。また、こんな人、あんな人がいて世の中なのだということを知ってもらう機会になれば」と話す。

障害者が丹精込めて制作 絵画や書展示、14日まで久留米 /福岡

2009年12月14日 00時46分40秒 | 障害者の自立
 ◇「ふれあい・アート展」 200点展示
 障害者が制作した絵画や書などを紹介する「ふれあい・アート展」が8日、久留米市善導寺町木塚の道の駅くるめ・交流研修室で始まった。知的障害者らが丹精した約200作品が並んでいる。14日まで。

 道の駅近くの同市山川町で障害者入所更生施設などを運営する社会福祉法人・悠光会(野瀬ツチヱ理事長)が障害者週間(3~9日)に合わせて初めて企画した。

 展示作品の中には、クリスマスを前にツリーなどを描いた大作の張り絵(縦約80センチ、横約1メートル)などもあり、来場者たちはきめ細かい手作業に見入っていた。

 同会職員の佐藤隆之さん(38)は「アート展を通して障害者の活動を地域の方々に知ってもらい、社会参加のきっかけにしたい」と多くの来場を呼び掛けている。

 また、同駅イベント広場では施設の畑で収穫した新鮮な白菜や小松菜、カキなどの販売もある。問い合わせは同会(0942・44・2951)。