7月、1歳馬が跛行する、ということでX線画像を見せられた。
近位趾節関節の骨片を摘出できないか、という相談だった。
ペンシルヴァニア大学New Bolton Center のRichardson教授に相談したら、
「骨片を取るなどというのは時間の無駄に終わるだろう。
すでに、骨関節炎の所見があり、関節面は粗造で薄くなっている。
いずれ関節固定をしなければいけなくなる。」
と言うコメントだった。
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しかし、このX線画像で、「すぐに関節固定をしましょう」とはとても言えなかった。
約半年経って・・・・
Richardson教授の指摘どおり、この馬の近位趾節関節の変形性関節症DJDは進行した。
その間、馴致や調教を進めることはほとんどできなかったそうだ。
今日診たら、馬はかなり肢を痛がっており、鶏跛だった。
近位趾節関節のDJDではっきりした鶏跛を示すのは珍しい。
鶏跛は原因がわからないことがあるので、記憶しておきたい。
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で、ロッキングコンプレッションプレートLCPと5.5mm皮質骨スクリューを使って関節固定手術を行った。
例によってなかなかたいへんな手術だ。
私はこれで7例目。
関節を貫通するスクリューは、3本目をうまく入れるスペースがなかったので、2本で済ませた。
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来週あたり、もう1頭、この手術をすることになりそうだ。
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でっかいキツネ。