以前に診せられた腕節が腫脹した明け2歳馬。
手術して摘出するしか治す方法はないと伝えたが、そのことを理解してもらって納得ずくでやった方が良い。
吸入麻酔して手術台上で仰臥位にする。
感染させないように細心の注意を払わなければならない。
袋状になっている組織を破らずに取り出したい。
死腔が残らないように丁寧に縫合しなければならない。
関節鏡手術で骨片を摘出するより時間がかかる。
腱鞘や関節を穿孔したくない。もしつながっていたら、大きな穴にせず縫合して閉じる。
温存しては治らないし、切開して中を搔爬して袋状ではなくっても塊が残り、きれいな治り方はしない。
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1時間以上かけて摘出し縫合した。
あとは馬がかじったり、腕節を突いた牛の様な立ち方をしなければうまく治るはず。
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この馬はぶつけて血腫ができたことでこうなったらしい。
立ち上がり方がヘタだったこととも関係したのだろうと思う。
関節腔や腱鞘とはつながっていなかった。
関節腔や腱鞘とつながっていないからganglionではないとか、漿液豊富ではないからhygromaではないとか言うのはヘンだろう。
同じようにできて関節腔や腱鞘とつながっていたりするし、早い時期には血様漿液が豊富に入っていたはずだ。
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軽くてよく飛ぶボールだとおもっていたら、中はゴムボールだった。
袋状組織であることが重要なんだからね。
パンクさせるなよ。