know(野崎まど)



2081年,人々は「電子葉」を能に埋め込み,あらゆる情報にアクセスしながら生活していた。
そんな中,電子葉を遙かに凌ぐ情報処理能力を持つ「量子葉」を持つ少女,知ルは世界の真理を求め,寺院の奥深く,京都御所の地下へ赴く。
彼女が最後に求めるもの・・・「死の先の世界とは」

この世界には,「情報」の他には「物質」しかない。
もし「情報」も「物質」と同じように振る舞うとしたら?
大容量の「物質」が高密度に圧縮されれば,それ自体の重さで崩壊してしまう。それがブラックホール。
情報も同じだとしたら? 世界中の情報を一人の人間の脳に詰め込んだら,「物質」と同じように崩壊し,ブラックホールと化す。

情報の崩壊 = 死 だ。

そしてそれを経験し,なおかつ生還すれば・・・

時は巡り2104年,人々は「死んだ後のこと」を知る。


時代背景としては,人間は常に情報ネットワークに接続している世界。
ただし,あくまで「情報」だけ。個人個人が考えていることは分からない。

「アイの物語」の世界観に近いかと思ったが,こっちでは思考を共有している。AIがだが。

現在もケータイ,スマホでインターネットに気軽にアクセスできる。分からない事は簡単に調べられる。
が,ネット上の9割以上の情報は,「根拠なし」だったりする。やはり何を信じるかは,個人の考えによることは,しばらく変わらないだろう。

「量子葉」は,量子コンピュータであろう。情報処理速度と情報処理量が,現在のコンピュータとは比べものにならない。
ここで思い出したのが,「0能者ミナト」に出てきた件(くだん)。
件は,地球上のありとあらゆる事象を予測し,未来を予言する。予言ではなく,計算で導き出した予測か。それもハズレなしの。

これができれば,バタフライ・エフェクトを予測するだけでなく,意図的に起こすこともできる。
もし,全人類が「量子葉」を装備して,完全な未来予測ができるようになったら??

まあ,件は結果的に2匹になり,お互いを読み合って自滅したが。

やはり未来は「未来」であるべきなのだろう。
そして,「正しい情報」を知ることが重要だな。
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