原題は「The tremulous private body :The essays on subjection」
tremulous=震える、おののく、びくびくした
なのだが、どういう経緯でだか「振動する」になっているので
何について書かれているかが表題からは解らなくなっている。
シェークスピアの「ハムレット」とデカルトを主に取り上げて、
中世以降の近代的主体の誕生について書かれている。
原書の出版は1984年で、ジュリア・クリステヴァの「恐怖の権力」が出た年で、
翻訳が出たのは、1997年だったので、時代的に早すぎて関心を持たれなかったのだろう。
哲学や臨床心理に興味があり、主体の生成に関心がある人におすすめの一冊。