みっく・じゃがの「ひとりごと日記」

日々思うこと、考えること、時には写真も

コチニールを染める

2015-07-09 23:28:12 | 日記

    今年もコチニールを染めました。

    コチニールは、(前にもご紹介しましたが)中南米のサボテンに寄生する寄生虫のことです。

    当地では生きたまま磨り潰し、真紅の色を出します。

    日本では乾燥させて真空パックで売っています。

    それがこれです。

          

    強く色が出るので、糸総量の1割だけの煮出しになります。

    煮詰めると、何とも言えない動物的な匂いがするんですよね。

    真っ赤になります。

          

    これを1液、2液、3液に分けます。

    1液はいつも言いますが、他人には出せない色を出します(笑)。

    ですので、これはマル秘とさせていただきます。

          

    化学染めではないのに、この色はちょっと出せるものではありません(自慢!)

    ナス紺のような色です。大好きです。(シルク真綿糸巻スラブ1/6)

 

    2液では一浴法(いちよくほう)といって、染め液の中に直にミョウバンを入れて

    糸を入れ 煮ますが、その前に、ph(ペーハー)を測ってみます。

    ph2~2.5にしたいので、リトマス紙を入れてみます。

    だいたいph6くらいなんですよね。

    そこでクエン酸を入れます。5g入れて測り、まだ駄目で、結局7g入れました。

    これがph2です。  この色で染めます。

         

    沸騰したら火を止めて30分おきます。

    そうすると、こんなきれいな色に染まります。(真綿巻糸リング1/6)

         

    色落ち止めのために水6リットルに重曹60gを溶かして10分浸けます。

 

    3液は糸を入れて沸騰後火を止め30分おきます。

    洗った後、酢酸銅を溶かした20℃のお湯に20分浸けてから洗って、

    やはり6リットルの水に60gの重曹を溶かして10分入れて、色落ち止めをします。

    それがこれです。

         

    色が違うのは、上がタッサー1500d/片、下が真綿巻糸スラブだからです。

    糸によって、染まり方が違います。

 

    コチニールは、同じ色が出たことがなく、いつでも私にとってミラクルです。

    

    


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (すけつね)
2015-07-10 08:38:36
虫が染料になるとは驚き。
化学の実験を思い出しました。
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すけつねさま (みっく・じゃが)
2015-07-10 16:43:48
ご無沙汰しております。
こういうわけで、日々忙しく、すけつねさんのブログは
読み逃げしておりました。

私も、染色を始めて、リトマス試験紙で ph を見るようになって、
化学授業の実験を思い出しました。
返信する
コチニール (ようちゃんばあば)
2015-07-10 19:02:47
みっく・じゃがさんのブログで知ったコチニールですが 知らない奥深い染色の世界
本当に こうして見せていただくだけで すごく楽しいです。
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こんばんは。 (t-soleildor)
2015-07-10 21:05:57
う~ん、奥が深いですね。
同じ色が出ないミラクルは、飽きがくることがありませんね
微妙に違う色合いでどんな作品が出来上がるのか、
とても楽しみです。
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ようちゃんばあばさま (みっく・じゃが)
2015-07-11 00:18:53
ありがとうございます。
そう言っていただけると、嬉しいです。
今は毎日染色していますので忙しいですが、
染め上がった糸は、愛しいものです。ふふふ
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t-soleildorさま (みっく・じゃが)
2015-07-11 00:23:36
これが化学染めですと、割合を計算するので、同じ色になります。
それでも同じ番号の糸なのに、買う時期が違うと微妙に違う色があります。
それはロット番号が違うからです。
化学染めでさえ違うのに、草木染めが違ってくるのは当たり前かもしれません。
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