毎日といっていいほど、大好きなミュージシャン・藤澤ノリマサさんのブログを読んでいます。
先日、彼が病院のバス停留所での出来事を書いているのを読んで、思い出したことがあります。
それは停留所で一人のお年寄りに出合い、話をしていて、バスに乗るときに荷物を持ってあげたら
とても感謝されて「若いのに優しくしてくれてありがとう」というものだったそうです。
ノリマサさんは、以前 お年寄りと思う人に席を譲ってあげたら「人を年寄扱いするな!」
とお叱りを受け、それ以来、そういうことから遠ざかっていたとのこと。
「でも、感謝されてうれしかった」という内容なんですが、
そういうことが結構あるもんなんですね。
以前、神奈川県平塚市に 月2回ほど 織りのおけいこに通っていたことがあります。
ご自宅での個人レッスンで、朝 東海道線に乗って、けっこう時間がかかります。
そんなある日、すいた車内で突然の大声
「僕はね、アンタに席を譲られるほど歳とっちゃいないんだよ」
見れば若い女性が下を向き、お年を召した男性に叱られている様子でした。
周囲が彼女を見つめ、いたたまれなくなったのか、車両を替えていきました。
せっかくの好意なのに、なぜそんな言い方しかできないんでしょう。
誰もが思ったことでしょう。
その日の夕方、レッスンが終わった私は、再び東海道線に乗りました。
そして、目の前にかなりのお年の男性が立ちました。
疲れていましたが、席を譲るしかないだろうと思いました。
ですが 朝の出来事が私を縛りました。
それでも「お座りになりますか?」とおずおずとお尋ねしました。
するとどうでしょう
男性は元気な声で「うん、ありがとう、でも僕は元気だから、あなた座っていなさい」
とおっしゃるではありませんか。
なんだか、周囲が柔らかい雰囲気になった気がしました。
〝物は言いよう”という言葉があります。
周りを不愉快にして誰もいいことはありません。
他人の優しい気持ちを素直に受け入れることができる、そんな年寄りになりたいと思います。