みっく・じゃがの「ひとりごと日記」

日々思うこと、考えること、時には写真も

2種類のよろけ織りを織る

2014-09-27 14:59:57 | 日記

時間がかかりましたが、よろけ織りを織っていました。

以前もよろけ織りをアップしましたが、織り上がった作品のみのアップでしたので、

今回はよろけ織りを詳しく書きます。

まず、織りを織るには糸を織り機に張ります。これを整経(せいけい)といいます。

綜絖(そうこう)という糸通しに通し、その後に筬(おさ)という道具に糸を通すのです。

この筬で糸を手前に寄せるのが『織り』です。

筬はだいたいステンレスでできていて、職人さんの手作りです。

こちらが希望した幅と長さに作ってもらいます。

下の筬が通常の筬です

   

これは5羽筬といい、糸が5本で1㎝幅になる筬です。

ちなみに、5羽筬は中細糸、4羽筬は合太糸が目安です。

 

次に、これがよろけ織りの筬です

   

通常は真っ直ぐなステンレスが斜めに入っています。 ここに糸を通します。

      

よろけ織りの筬の両端にビニールテープを張り、縦にメモリを入れます。

これは職人さんではなく、私の仕事です。つまり、私仕様のメモリを入れるのです。

私は両端に縦に1㎝幅で0~10までメモリを入れています(筬の端に数字のようなものが見えると思います)

さて、ここからがよろけ織りの真髄です(大げさ

メモ帳を用意して、0の高さを10回(正の字で記す)織ります。次は1の高さで10回・・・

そうして10まで10回ずつ織っていくと筬の形に斜めに織り上がっていくという・・あ~ら不思議

じゃない、当たり前です。

その次は10から0まで下がって織ります。

そうすると曲線のある織りが織り上がります。

それがこれです。

               

        赤い色はロッグウッドのミョウバン媒染

        ベージュはシャリンバイの泥染め

        

        紫はスオウの鉄媒染

        パープルは紫根のもみだし

 

ロッグウッド×シャリンバイは4羽筬、スオウ×紫根は5羽筬で織りました。

1.ロッグウッドは中米の木ですが、日本には明治時代に持ってこられて、もっぱら黒色に染めるために用いられています。

  これは4度目の抽出で赤い色だしをしました。それをミョウバン媒染にすることでより赤が出ました。

  落ち着いた赤で大好きな色です。糸はシルク手紡ぎ練巻糸です。

2.シャリンバイは 時々 奄美大島へ泥染めに行くので、そこで染めました。

  泥染めというのは下染めにピンクのシャリンバイか黄色のフクギに染めてから、

  山中で泥に突っ込みます。

  これはヘビ、ハブ、イモリとの戦いになり(笑)毎回 決死の覚悟です。(笑い事ではありません)

  泥に何回突っ込んだかということで、当然 色の出具合も違うわけで、これはピンクを少し残したかったので

  1回の泥染めです。もっと詳しく語ると(?)、ピンクと泥色は段染めにしています。(微妙にわかる程度ですが)

  糸はシルクリング1000dです

3.スオウは原産はインド・マレーシアで、材料は染色店に売っています。

  本来は貴人の着る紫色に使ったそうです。

  これを鉄媒染することによって濃い紫色にしました。糸はシルク平巻糸1/6です。

4.紫根(しこん)は栽培が限られていてほとんど手に入らないものですが、今回手に入れました。

  というのも、これは古くは聖徳太子しか身に着けられなかったという色なのです

  現在は位の高い神官しか身に着けないと聞いています。

  この紫根を酢酸とエチルアルコールを合わせたものに4日間浸けこみます。

  これを40℃のお湯で薄めてソーダ灰を加えてPH6.5にして糸を入れ、ひたすら糸を繰ります。

  この作業は火も使わず、20分ぐらいですが、1時間ぐらい経ったかと思うほど疲れます。

  本来の色は群青色に近く染まり、1度目の染めは見事に色が出ましたが、

  これは2度目の染めなので、パープルとなりました。これはこれでいいのです。(勝手に満足)

  糸はシルク真綿スラブ糸1/7です。

  マフラーは幅29㎝、丈は200㎝です。共に個展展示を予定しています。

 

というわけで、今回はよろけ織りの仕組みと染色について、です。

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腎臓は無事でプリンターは死去(笑)

2014-09-24 15:07:02 | 日記

先週、ドックの再検で腎臓のCTスキャンをとってきました。

「腎臓に腫瘍が認められる。泌尿器科の受診を受けるように」と病院からの『診断成績表』を受け取り、

即行動して受診→CTスキャン、そして今日の結果発表 でした。

腫瘍マーカーの数値も良かったので心配はしていない、と言いながら、

弱虫の私は内心ドキドキものでした。

今日の結果は「異状なし」というものでした。

医師曰く「超音波診断というのは白黒なので影を腫瘍と見違えることもあるのです。

     画像診断をしましたが、このように異常はありません。」

私もCTスキャンの画像を見ましたが、確かに左腎臓は美しい形でした。

この結果を大切に、来年のドックまで健康に過ごしたいものです。

 

そして、この腎臓騒ぎの最中、私にはもうひとつ騒ぎが起こっておりました。

パソコンのプリンターが壊れてしまったのです。

プリンターは私にとってテキストを作る大切なものです。

それが、テキスト作成中に突然、字が印刷されなくなりました。

Canonのお客様センターに電話して状態を話すと、いとも簡単に「あ、それは本体が壊れています」と

おっしゃいます。「あのぅ、修理をお願いしたいんですが・・・」と言う私に

「そのタイプはもう部品がありませんので修理はできません。新しい製品をお買い求めください」とのこと。

いやぁ、簡単におっしゃってくださるじゃありませんか

いまどきは10年使うと部品がないんですね。

と怒っても仕方なく、プリンターは必須の製品、そこで翌日 〇○〇カメラに出かけ、買いました。

         

それがこれです。最新のPIXUS MG 7530ちゃんです。

案の定、嫌いなタッチ式です。

そのうえ、電源を入れないで紙のトレイを開くと、電源を入れてから

「電源を入れずにトレイを開きましたので処理しています」とディスプレーにお叱りの言葉が出ます。ヤレヤレ

 

健康に青信号、プリンターも新品、季節は秋

織りにも染めにも頑張ります

励ましのコメントをくださった皆様に感謝します。ありがとうございました。<m(__)m>

       

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精密検査で

2014-09-19 20:01:50 | 日記

先日 人間ドックに入り、逆流性食道炎の痕跡がなくなったという驚異の報告をしたばかりでしたが、

詳細な『健康報告書』が病院から届き、なんと「腎臓に腫瘍のようなものがあるので泌尿器科を受診するように」

という書かれてありました。

というわけで、泌尿器科を受診しCTスキャンをとることに決まりました。

それが先週のことで、今日はそのCTスキャンをとってきました。

検査室の前で待つ間、実はそこは救急の部屋の前でして、次々救急車が到着するのを

ポケーッと眺めていました。

そして、一人の人が心筋梗塞で亡くなる現場に遭遇したのです。

私の目の前で、付いてきたご家族らしい人二人が医師から状況の説明を受け、ショックのあまり

呆然としていました。

で、別の人が 何だかわかりませんでしたが、「ICUに運ぶのでご案内します。今夜がヤマです」と言われていて、

ただ検査のためにそこに居合わせた私は やるせない気持ちになってしまいました。

その後呼ばれてCTスキャンをとりましたが、心が穏やかでいられるはずはなく、

造影剤を入れられてもボーっとしていて、検査技師から「大丈夫ですか?」などといわれる始末。

つらい事態でした。

振り返って私の体の状況はどうなっているのか・・・来週 結果がわかります。

こういうことって、人間ドックの結果→該当科受診→検査→医師から結果報告 という最低3回は行かなければならず、

面倒です。

が、これが大病だったら そうも言ってられないのです。

と思いつつ、私はドックでオプションで腫瘍マーカーも受けています。

その時クリアできたのだから大丈夫 鼻歌を歌っていようと思いながらも、ビクビクとその日を待っています。

あぁ、なんと意気地なし。。。

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ウズベキスタンのアカシアを染める

2014-09-04 21:33:52 | 日記

先日、パミール高原から帰った夫がウズベキスタンで手に入れてきてくれたアカシアを染めました。

      

ウズベキスタンのフェルガーナにある『ヨッドゴーリキ絹工房」の アカシア78g ありました。

実はこの工房へ足を踏み入れた夫は「愛する(?)妻のために、染色の材料を手に入れたい」と

鼻息も荒く(たぶんですが)「染色材料をほしい」と申し入れたそうです。

もちろん、お金を払うつもりだったそうですが、あちらでは「いえいえ、ぜひお持ちください」と

このアカシア、カモミール、クルミをくださったそうです。(ありがとうございます)

そんな事情なので、「早く染めろ」とうるさいこと

こちらにも作業の手順があるのです。

昨日、やっと時間を見つけて染め始めました。

     

アカシアを3度煮出して、5リットルの染め液を作りました。

糸はシルク真綿リング1綛59gを2綛用意しました。

おっと、その前に糸の精錬という洗う作業をして、先媒染としてミョウバンで媒染します。

     

ボールの底にあるのは、この糸総重量118gに使う生ミョウバン18gです。

これを熱湯で溶かし40℃のお湯に入れ糸を媒染します。

お湯の沸騰後火を止めて30分経ったら洗って染め液に入れて沸騰したら火を止めます。

私の場合は、このまま翌日まで置きます。

翌日洗ったものがこれです。

花びらの染めで、しかもアカシアは初めてなので、堅牢度がわかりません。

そこで色落ち止めを施します。

染め液はリトマス紙によるとPh7でした。

これは色の中間色で、酸性にするかアルカリ性にするかは私のサジ加減です。

つまりこれより明るい色にするならば酸性、落ち着いた色にするのにはアルカリ性を加えます。

そこで私はアルカリを選びソーダ灰を加えました。

そこに浸してできたものが下写真の左です。落ち着いた色になったでしょう?

          

さて、もう1綛、これは段染めにしたいのです。

そこで後媒染にして酢酸銅を使いました。

染めない部分を荷造り紐で縛り上げ、酢酸銅を溶かした中に入れ10分浸し、洗ってから

もう1度、元の染め液に戻します。

というのも、草木染めは化学剤で終わってはいけない、というのが私のポリシーです。

草木染めに戻して、紐をほどき、この染めは終わりました。

それが右の糸です。

まだらに濃い色が染まっています。

この2綛でどんな織りにするか・・・それはもう考えています。

 

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教えるということ

2014-09-01 20:19:42 | 日記

9月1日、今日は9月最初の教室でした。

もう夏も終わりかな・・・と物思いにふけりながら電車に乗ってカルチャースクールへ。

毎回のことですが、私はこの時間が嫌いです。

教えることが嫌いなのです。困ったものです。

私が弟子だったとき、ちょっとでも間違っていたら、正確にできるまで何度でもやり直しを命じられました。

それは当たり前のことで、何の疑問も感じることなくやり直していました。

「だから、今の自分がある」という自負があります。

ところが、今、教室で私がそれを命じたらどうなるでしょうか。

生徒さんは一人もいなくなるような気がします。

私が弟子だったころ、「師匠から指導される」と思っていましたが、

今は生徒さんは(〝さん”と言ってるくらいだから)、お客さんです。

お金を払っていただいて習いに来てくださるお客さんなのです。

ひどい織り方でも 厳しく言えず、「これはこれで・・・」などと

ごまかしている自分が嫌でたまりません。

今朝、誰も来ていない教室で写真を撮りました。(iPhoneで)

誰も座っていないデスクと椅子だけですが、iPhoneから自宅のPCへ送りましたが、

定位置で映したのにもかかわらず、ブログにアップロードしようとしたら、横にしか映りません。

転回しようにもウンともスンともなりません。

まるで今の私の心の中を表しているようです。

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