みっく・じゃがの「ひとりごと日記」

日々思うこと、考えること、時には写真も

2015年個展DM完成!

2015-07-30 20:03:51 | 日記

    今日、2015年個展のDMが出来上がりました!

    2日前に、いつもDMを作ってくれている会社に打ち合わせに出かけ、今日がチェックの日でした。

    今日 作成し、8月1日刷り上がります。

    2003年から隔年で個展をするようになって、4回目から利用させてもらっている印刷の会社ですが、

    前回の個展のとき、担当者が別のところに移動になっていて動揺しました。

    「いつまでもいると思うな担当者」なんだぁとがっかりしましたが、

    今回、その担当者氏が戻って来ていて、ホントに嬉しかったです。

    多く語らずとも、わかってくれる人に担当してもらって安心して任せました。

               DMの表・裏です

        

    ≪Mieko kanayama EXHIBITION シチリアへ ー手織り・くさき染めー≫

    というタイトルです。

    写真はシチリア・タオルミーナのギリシャ劇場跡から眺めた風景を絵織りしたもので

    『シチリアへ』というタイトルの絵織りタペストリーです。

    遠くに煙たなびくエトナ山を眺め、イオニア海の美しい街の風景を絵織りにしました。

    個展向けの織りは、まだまだ続きますが、このDMができると個展の準備はほとんど済んだも同じで、

    ホッと一息ついています。

    これを前に、夫と二人、成功を祈念して乾杯しました。

    DMは ギャラリーに持っていき、メディアに宣伝し、招待の人たちに送ります。

    ギャラリーHPでは すでに私の個展詳細が公開されています。

    開催は9月23日~28日まで、表参道ヒルズ・ギャラリー同潤会ですが、このDM、ご希望の方にお送りしますので

    左の〈メッセージを送る>でお受けします。

    『ご住所・ご氏名・HN』を明記の上で申し込んでください。

   

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紫根レース織りのストールを織る

2015-07-21 15:26:50 | 日記

   これから 個展の準備は織るばかりです。

   以前 染めていた紫根のシルク箔糸を このたび織りました。

              拡大はこれで。  

 

   ≪紫根≫というのは〝紫”という植物の根で紫色の根です。

   とっても貴重なもので、それゆえ、昔から位の高い貴人の服の色にしか使いませんでした。

   現在も、業務用に一定の農家しか栽培していないものを手に入れることができましたので染めました。

   糸に対して同量の紫根500gを酢酸10㏄とエチルアルコール1リットルに4日間浸けこみます。

   これを薄めてph6くらいにして お湯を足して40℃にした液に 

   ミョウバン媒染した糸を入れて 20分間 ひたすら手繰ります。

   翌朝まで浸けこんで洗って乾燥です。

 

   今回 織った糸は京都で仕入れたもので、シルク糸に箔を入れたもので、染めなくても優雅な趣です。

   薄く染まった紫に箔がキラキラと上品に輝くストールです。

   レース織りの技法は『羅織り 籠もじり3:2:3』というもので、

   経糸3本、2本、3本をもじる(ひねる)のですが、次の段では もじりがずれていくので模様が横にずれていきます。

   慣れないと、だんだん幅が細くなって織れてしまうので、上級者にしか織れません。

   大きさは 幅28㎝ 丈200㎝です。

    

     

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無責任は回る

2015-07-20 21:38:56 | 日記

新国立競技場建設が白紙に戻りました。

良かったんじゃないでしょうか。

建設にお金がかかるだけじゃなく、維持費もかかり、これからずーっとお金ばかりの建物は

必要ないと思っていましたので、良かった と安倍総理の決断に、まずはホッとしましたが、

これに関する当事者たちの無責任な話と責任のなすり合いには呆れます。

毎度のことですが、スキッとした人はいないものでしょうか。

中でも建物のデザインを決める責任者の建築家氏の言い分には呆れたものがありました。

こういう場合、関西弁でやわらか~く言われると聞く方の力が抜けてしまう効果も考えての事でしょうか、

あの方法はずるいですよ。

この建物に決まるには、日本人を含む3つのデザインが決まり、責任者の建築家氏に一任された結果が、

なぜか、日本人のデザインが消え、2つの外国人のデザインから、建築家氏の選んだものだというではありませんか。

何だか闇の中の選考の気がするのは、私だけでしょうか?

ずっと明言を避けて来られた理由は何だったのでしょうか。

そのあたりもスルリと関西弁でかわされた気がしました。

小さいことで恐縮ですが、私がずっとお世話になってきたギャラリーも、新国立競技場が大きく広く建つということで

周辺の建物として整理に入って閉鎖したと聞きました。

大好きだったのに、ずっと利用したかったのに、と思います。

今までの競技場でできなかったのでしょうか?

私は そもそも、東京オリンピックは反対でした。

就職できない若者がいっぱいいて、借金ばかりで豊かとはいえないこの国が、そんなことにうつつを抜かしていいのか、

そんなことを考えていました。

私の薄給からも、いまだに復興税を取られています。

もっと有効なお金の使い道があるように思えてならないのです。

しかし決まったものは仕方ありません。

コンパクトにして、国民に借金の押しつけが少ないように進めてもらいたいものです。

まず、今回の事ではデザイン選考の責任者たる建築家氏に責任を取って辞めてもらうことから始めてください。

 

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ログウッドを染める

2015-07-17 10:06:33 | 日記

    個展向けの染色がとうとう最後になりました。

    ここ数日の暑いこと!

    ただでさえ、この窯焚きの暑さ、何時間もかかるわけですから、夏になる前に終わりたい!

    という目論見が見事に裏切られ、今季最高の暑さの時にかかってしまいました。

    特に、〝オレオレ詐欺”の電話中が一番暑かったのか、ふとTVを見ると なんと

    今まで見たこともない『モニター温度』という赤文字が 液晶部分にペッカペカと点滅してるじゃないですか 

    すぐに≪取説≫を見たら、「温度が高くなると点滅する」「TVの裏側の清掃をする」「それで解決しなければコンセントを抜く」

    「それでもダメなら製造元に連絡する」とありました。

    電話の件でイライラしている私に、いつものように何もしない(いえ、できない)夫が 「なんとかしたら~?」

    などとの~んびり言うのです。

    まず、清掃(ほこり飛びました、たっは)、でもダメ。

    次にコンセントを抜き、リセットしてから、やっと解決しました。

    そこで、今季初めてエアコンをつけました。そんなに暑い日々でしたよ。

    と言っても夏はこれからが本番です。

    昨日、最後の染めを終えました。これで個展用の染めは終わり、織り機にかけるばかりです。

    さて、前置きはここまで(笑)

    ログウッドは原産地は中央アメリカだそうです。

    日本には明治の初めに渡来し、染め材店では、液体か幹のチップで売っています。

    私はチップを愛用しています。

        

    これは煮出すと染め液は黒に近い赤で、とにかく〝どぎつい”という表現がぴったりの色です。

    今回、お見せしようと思いましたが、湯気でできませんでした。

    時間を置くほど待てませんでしたので、染めた糸だけの公表となります。

    そういうわけで、チップの量が多いと媒染が効かず、茶色にしかなりませんので、

    少な目、糸総量の1割しか使いませんでした。

    ログウッドは黒を出せる数少ない自然染料です。

    これはミョウバンで先媒染した糸です。

        

    ミョウバン媒染すると紫に染まります。正当な染めあがりです。

 

    これは木酢鉄で鉄媒染をしたログウッドです。

           

    ミョウバン媒染の糸より、いくらか濃い紫になりました。

    これは染料が少なすぎたんでしょうね。失敗かな?とも思いましたが、

    黒みがかった紫も貴重です。

    糸が乾いて「これで染色はしばらくお休み」だと思うと、少しホッとしました。

    個展準備も、もう大詰めです。

    ギャラリーHPに私の作品とプロフィールが紹介され、あとは〝その日”を待つのみなんでしょうが

    まだまだ〝その日”まで、織り続けます。

    

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蘇芳(すおう)を染める

2015-07-15 15:27:49 | 日記

    暑い毎日、昨日は蘇芳(すおう)を染めあげました。

    蘇芳とはアジア原産の樹木だそうです。

    草木染めで黒みを帯びた赤を出そうと思えば蘇芳が一番でしょう。

    市販のものはチップ状になっています。

        

    この染色剤を深みのある色にするために、いつも使う糸があります。

    それがこれです。左側の糸でタッサー1500d/片という糸で柞蚕糸(さくさんし)です。

    日本では長野県で飼育されていて、幼虫は緑色なんですが、糸になると黄褐色です。

        

    右の糸は真綿糸巻スラブ糸です。真っ白でしょう?

    タッサーは黄褐色です。この色の差!

    精練作業をします

    タッサーを40度のお湯に入れて沸騰したら火を止めて30分置きます。

    洗いに入ると、ヌルヌルしていますが、もみもみしてぬめりを取り、よく洗ってから、

    再び40℃のお湯に入れ、沸騰したら火を止めて30分置きます。

    そこで、三度目、真綿糸巻スラブと合わせて40℃のお湯に入れて沸騰したら火を止め

    30分置きます。

 

    その間に染め液を作ります。

    蘇芳(すおう)を5リットルの水に入れソーダ灰50gを入れて沸騰したら弱火で30分煮ます。

    ソーダー灰を入れるのはアルカリをいれて発色するためです。

    これを3回繰り返し、合計15リットルの染め液を作ります。

 

    〇 次はミョウバンで先媒染をします。

    40℃のお湯に規定の量のミョウバンを熱湯で溶かし入れ、タッサーと真綿糸巻スラブを入れて、

    沸騰したら火を止めて30分置きます。

    15リットルの半分の量の染め液のphを測ります。ph5~6を目指します。ph11ありました。

    そこで酢酸を入れ、またphを測ります。

    酢酸を入れることにより 酸で中和して液を弱くするのです。

    これがph6です。

     

    この色になったところで、糸を入れて染め出します。

    沸騰したら火を止めて翌朝まで置きます。

 

    〇 後媒染は銅媒染します。

    残った染め液に真綿リング2綛を入れて沸騰したら火を止めて翌朝まで置きます。

 

    さて、翌朝です。

    先媒染のタッサーと真綿糸巻スラブを洗って干し、本日 乾いたものがこれです。

          

    タッサーは下ですが、深みを帯びた赤です!

    上の真綿糸巻スラブとは違うでしょう?

    

    〇 後媒染をします。

    前日染めた真綿リングを洗って規定の量の酢酸銅を熱湯で溶かしたものを

    常温の水に入れ、20分置きます。

    洗って、元の染め液に戻して10分おき、洗って乾かしたものがこれです。

         

    銅が活きて、くすんだ赤が染め上がりました。

    「オレオレ詐欺」など、いろいろありましたが、蘇芳を染め上げました。

    染色は あとひとつです。

   

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オレオレ詐欺

2015-07-13 16:57:58 | 日記

    いわゆる〝オレオレ詐欺”とは無縁のことだと思ってました。

    ところが、見事にやられちゃいました!

    連日の染色の日々、今日も朝から染め液の抽出で大忙しのところ、

    リトマス試験紙片手に鍋の周りをウロウロしていたところ、電話が・・・

    知らない携帯番号だったのですが、一応出ました。

    「俺だけど」と言うのみでしたが、それが息子の声にそっくりなのです。

    火を止めなきゃ、リトマス試験紙置かなきゃ、などとすっかりパニクッてしまった私は

    してはいけないことをしてしまいました。

    「〇〇〇?」と名前を言ってしまったのです。

    「うん」の後は、『熱があって病院へ行ったら、そこで鞄を落とした。携帯も落とした。

    それで警察届けたけど、連絡先を親のところにした。連絡があったらよろしく頼む』

    とのことです。

    なにしろ、声がそっくりなのです。でも、かすかに「違うかな?」と思うところもあり、

    その辺が母親なのでしょうか。(こんなところで親自慢してる場合じゃないですが)

    『携帯を落としたので、携帯には電話しても無駄』というのは納得しますが、

    この疑問を嫁に連絡して確かめました。

    すると嫁はカンラカンラと笑って「典型的なオレオレ詐欺ですよ」と言うではありませんか。

    そうだよなぁと思って、それから もよりの警察に電話しました。

    今後の対応も聞きたかったのです。

    警察からはいろいろとアドバイスをもらいました。

    その後本物の息子から電話があり「俺の声くらい覚えておいてくれよ」と笑われました。

    ですが、その後の話です。

    整体に行っていた夫が帰ってその話をすると「バカじゃないの!?」と叱られているところに、

    その詐欺のムスコから電話がかかってきました。

    『警察から連絡あった?」と、又もやそっくりな声で言うのです。

    おもむろに「あなたは誰なの?」と言ってやると「〇〇〇だよ!」と返されました。

    あっちゃー 名前おぼえられた!と思いましたが(当然ですよね)、

    「警察にも届けたし、本人とも連絡とったし、無駄ですよ」と警察の指導の通りに言いました。

    そこで夫が受話器を奪い取って「ばかやろー」と一喝したんですが、そのあとがいけません。

    受話器を私に返して「本人だぞ」ですって

    それほど声が似ていたということだと思いますが、携帯の電話番号が違うし、

    本人と連絡とっているし、そんなわけないでしょう!!

    「こんなことはやめなさい」と言って電話を切ってやりました。

    そんなわけで、染色をしながら、気分の悪いこと悪いこと。。。

    こんな暑い日に、こんな他人をだますようなことする人がいるんだな、と不愉快極まりありませんでした。

    いつもは無縁のこと、私は騙されないと思っていても、ひっかかってしまうんですね。

    何をしようとしていたのか、わかりませんし、被害もありませんでしたが、

    一気に落ち込んでしまい、あぁぁ歳は取りたくな~いと思いました。

    皆さまもお気を付けください。

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ザクロを染める

2015-07-12 22:03:43 | 日記

    連日、暑いのに、まるで釜焚きばあさんのように寸胴鍋に何度も火を入れて染め材の抽出をしています。

    今日は、また特別暑い日で、どうかなりそうでした。

    ザクロを染めました。

    ザクロは夫が旅行先のキルギスで、どうしても手に入れることができなかったもので、

    これを偶然 浅草の染め材店で手に入れました。どこの国のものかはわかりませんが。

       

    ピンボケです

    実と皮です。

         

    上二つが真綿リングで、下がカベ糸です。

    色は夫が買ってきてくれたキルギスのザクロ染めストールと同じ色です。

    が、私はこれを丁子(チョウジ)と段染めにしようと思いました。

    カベ糸1綛と真綿リング1綛を段染めにします。

    丁子はこれです。

         

    薬用にも使われるこの丁子は形がTの字のようです。

    ウイスキーのお湯割りにも使いますね。体が温まります。

    ですが、染め用のものは飲む用としては使えません。あくまで染め材としてしか使えません。

    ついでに、真っ赤に染まったインド茜のミョウバン媒染のものも段染めにしちゃいます。

         

    丁子に染めない部分はがんじがらめにフン縛ってしまいます。

    色の出た部分だけ、丁子の茶色に染めます。

    ところが・・・です。

         

    丁子の色が明らかなのは、インド茜のの平巻シルクだけ、カベ糸がかすかに染まり、

    真綿リングに至っては「は?」という感じで乾きました。

    真綿リングは、段染めにしたものと してないものはどちらも同じ色です。ということは

    この真綿リングは、こういう作業には向いていないと知りました。はぁぁ~ん

    ま、これはこれでいい色なんで。。。

    染めの釜焚きばあさんは、まだ続きます。あと2つです。

    

 

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コチニールを染める

2015-07-09 23:28:12 | 日記

    今年もコチニールを染めました。

    コチニールは、(前にもご紹介しましたが)中南米のサボテンに寄生する寄生虫のことです。

    当地では生きたまま磨り潰し、真紅の色を出します。

    日本では乾燥させて真空パックで売っています。

    それがこれです。

          

    強く色が出るので、糸総量の1割だけの煮出しになります。

    煮詰めると、何とも言えない動物的な匂いがするんですよね。

    真っ赤になります。

          

    これを1液、2液、3液に分けます。

    1液はいつも言いますが、他人には出せない色を出します(笑)。

    ですので、これはマル秘とさせていただきます。

          

    化学染めではないのに、この色はちょっと出せるものではありません(自慢!)

    ナス紺のような色です。大好きです。(シルク真綿糸巻スラブ1/6)

 

    2液では一浴法(いちよくほう)といって、染め液の中に直にミョウバンを入れて

    糸を入れ 煮ますが、その前に、ph(ペーハー)を測ってみます。

    ph2~2.5にしたいので、リトマス紙を入れてみます。

    だいたいph6くらいなんですよね。

    そこでクエン酸を入れます。5g入れて測り、まだ駄目で、結局7g入れました。

    これがph2です。  この色で染めます。

         

    沸騰したら火を止めて30分おきます。

    そうすると、こんなきれいな色に染まります。(真綿巻糸リング1/6)

         

    色落ち止めのために水6リットルに重曹60gを溶かして10分浸けます。

 

    3液は糸を入れて沸騰後火を止め30分おきます。

    洗った後、酢酸銅を溶かした20℃のお湯に20分浸けてから洗って、

    やはり6リットルの水に60gの重曹を溶かして10分入れて、色落ち止めをします。

    それがこれです。

         

    色が違うのは、上がタッサー1500d/片、下が真綿巻糸スラブだからです。

    糸によって、染まり方が違います。

 

    コチニールは、同じ色が出たことがなく、いつでも私にとってミラクルです。

    

    

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インド茜を染める

2015-07-07 18:00:08 | 日記

    茜を染めるのは今回で3度目です。

    最初は西洋茜、次は日本茜、今回初めてインド茜を染めました。

    日本茜はとっても落ち着いた色で、大好きなのですが、希少価値があり、手に入りづらいのです。

    染めたものは、お客さまにも好評ですし、自分でも何本かストールにして持っています。

    今回の個展でも日本茜を染めたシルクリボンで織ったものを展示しようかと思っています。

    さて、インド茜は一般的な西洋茜より、色が濃くあでやかだということです。

    これが市販されているインド茜です。チップ状です。市販の素材は、糸の1/2の量です。

          

    これを水に入れ沸騰したら30分煮出します。これを2回ほど抽出です。

          

    真っ赤です。真紅というのでしょうか。

    バケツ2個に分け、右の小さなバケツのものをミョウバン媒染に使い、

    左の大きなバケツは後媒染に使います。

    まず、糸を精錬する作業をします。

    先日も書きましたが、シルク糸は工場から出荷時点は汚れています。

    きれいに染色するには、それを洗う作業からするのです。

 

    さて、精錬作業が終わったら先媒染をします。

    今回は先媒染としてミョウバン、後媒染として、木酢酸鉄と酢酸銅を使います。

    これは生ミョウバンというものです。

         

    まるで覚せい剤のようですが、違いますよ!  先媒染に使います。

    糸の総量に決められた計算値があり、それに沿って計算して熱湯で溶かして20℃のお湯に混ぜて

    そこに糸を入れて、沸騰したら火を止めて30分おいて、洗います。

    小さいバケツの染め液をお鍋に入れて糸を入れ、沸騰したら弱火で30分煮ます。

    翌朝までそのままおき、洗って干したものがこれです。シルク平巻糸1/6、2綛です。

          

    深紅ですが、このままではなく、後日、丁子で段染めにしようと思っています。

    

    さて、次は後媒染です。

    大きなバケツの染め液を鍋に入れて、精錬した糸を入れて沸騰したら30分弱火で煮ます。

    こうなります。左はシルク真綿巻糸スラブ1綛、右はシルク真綿巻糸リング2綛です。

             

    美しいのですが、無媒染なので、このままでは色が定着しません。

    左の真綿巻糸スラブを鉄媒染、右の真綿巻糸リングを銅媒染しました。

             

    インド茜で真っ赤に染まっても、媒染をすると、こうなります。

    鉄媒染は落ち着いた紫となり、銅媒染は、落ち着いた赤になりました。

    私は草木染に徹しているので、このまま化学作業で終わらず、最後に元の染め液に戻して

    10分浸してから洗います。

    1つの染色で、媒染が変わると使い道も増えてくることになります。

    これで、茜の染めは終了です。

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ベランダの柿を染める

2015-07-04 21:20:38 | 日記

    昨年、ベランダでおいしい柿の実を3個もつけてくれた柿の隣の柿の木をバッサリ切りました。

    夫が「この柿の木をつぶすから染めてみたら」と言うのです。

    あんなに可愛がっていたのに、実をつけないとなると潰すのね、冷たい男だわ。

    というわけで、今年初めに潰して枝や根っこを乾燥させていたものを染めました。

    乾燥し切っていたので、前日から水につけておきました。

         

    枝・葉、細根を水に浸けこみます。

    沸騰して30分煮出してこうなります。こげ茶の染め色です。

         

   染め液を作っている間に、糸の精練作業をします。

   糸はシルク真綿巻スラブ1/6を2綛。

         

    精練とは油のついている絹糸を染めやすくするために洗うことです。

    40℃のお湯に糸を浸けこみ、沸騰したら火を止め30分間おき、

    常温で何度もすすぎます。

    これを染め液に入れて沸騰したら弱火にして30分。

    火からおろして翌日まで浸けこみます。

    翌朝、こんな色になりました。

         

     これは無媒染ですので、これから鉄媒染をします。

     鉄は木酢酸鉄液を糸総重量で計算して20℃のお湯に溶かして糸を入れ、30分置きます。

     これを洗い、化学作業で終わらず、元の染め液に戻して10分置きます。

     洗って干しています。光線の具合かずいぶん白く見えますが、実際の色はもう少し茶色です。

         

 

    次に、大きな幹を細かく切り、根の大きなものも染めました。

    やはり前日から水に浸しておいたんですが、

    タンニンが強かったのか、染め液は御覧のように泡だらけです。

         

    これにシルク真綿巻きリング1/6を2綛、前記のように精練してつけ込み

    同じように染め、又も、鉄媒染をしました。

         

    染め液の色が前回より明るかったことと、糸の材質もあったのか、

    明るく染まりました。

         

    並べて比べてみましたが、右2綛が最初に染めた糸、左の2綛が後で染めた糸です。

    同じ柿で媒染も同じなのに、違う色になるんだなぁというのが感想です。

    なかなか落ち着いた色で気に入りました。

    ベランダの柿の1本は潰されましたが、こうしてシルクに染められて、魂を残しました。     

 

 

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