みっく・じゃがの「ひとりごと日記」

日々思うこと、考えること、時には写真も

コチニールを染めて織る

2014-11-28 15:35:26 | 日記

長々 〝織りの地獄”などと泣き言を言っていましたものが織り上がりました。

なぜに〝地獄”だったのか・・・それは後ほど。

これは染め材のコチニールです。

中南米のの砂漠地帯のサボテンに寄生するコチニール虫を干したものです。

この寄生虫は生きている時にすり潰すと真紅の色が出て、それを赤の染色として使っているようです。

私たちは生きたものを手に入れることはできませんので、

こうやって干したものを染料屋さんで買って使います。

これを粉砕して赤い色に染めることもありますが、私は好みでピンクに染めたり、青ネズ色に染めたりします。

糸はシルク・カベ糸 1綛(102.8g 2540m)、通常、コチニールはその1割使います。

染めた糸は非常に細く、刺繍糸と同じ太さで、くっつきやすく、しかも静電気を帯びているため、、綛から玉巻きするときで、

すでにシッチャカメッチャカになりました。

それでも果敢に挑戦します

 

これは整経台で整経中の様子です。

中央 玉巻の様子は可憐ですが、どうしてどうして、暴れ者です。私と同じです。

途中で、何度もからみ、しまいには泣きそうになりましたが、やめるわけにはいきません。

この辺りが地獄の一丁目でしょうか。

整経が済んで、織り機にかけます。

金綜絖に通し、筬通しのときも 絡みに絡み、絶望の中で作業をします。誰も助けてくれません。

この辺りが地獄の二丁目あたりでしょうか。

何日もかけて(サボった日々もあり)、織り機にかけ、織れる状態まできましたが、

案の定、絡みついて、順調に進みません。

これが織り機にかけて織っている状態です。

織り機の足の部分はこうなっています。ご紹介します。

この足の部分を順番に踏んで糸を通すわけです。

というわけで、どれだけの日にちが経ったのか忘れてしまうくらい長い時間をかけて

織り上がったものがこのストールです。

        

以前 織った〝5月の風のストール” と同じ織り方です。裾を鋭角に織っています。

(http://blog.goo.ne.jp/yuuzuru_2006/e/3c19da6a14cbf378f258d99811d039cb)

幅50㎝、 丈は220㎝あります。

〝風のストール”の織り上がりです。

糸が刺繍糸くらいの細さですから、柔らかいのは当然ですが、シルクなので腰があります。

風になびいて、軽やかに翻ることでしょう。

織っているときは、敵に会ったように憎らしかったのですが、織り上げて房仕上げもしてみると、

こんなに清純で上品な作品になるなんて・・・と うっとりです。

これにて超極細糸は終了!といきたいんですが、またまた超極細糸が控えています。

次はセイタカアワダチソウで染めた糸です。

地獄から生還したにもかかわらず、凝りもせず、また地獄に戻って泣こうと思っています。

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息切れの日々

2014-11-20 17:35:01 | 日記

このところ疲れているようです。

まず、風邪気味です。

日曜日にスポーツジムの仲間と飲み会をして、朝起きたら風邪を引いた様子でした。

でもこの日はカルチャースクールの講義の日で、寝ているわけにもいかず、ボォーとして

出かけ、体が浮いていました。

熱を測って、もしあったら困るので、測りませんでした。

夜から激しくなったようですが、それよりもっと困った事態が私を苦しめているのです。

例の〝 地獄の織り"と称している織りに向かっていますが、左手親指に激痛があり、左手が利きません。

もう1か月近く激痛があるのです。

今日は風邪もよくなってきたので、整形外科に行きました。

レントゲンを撮りましたが、骨に異常はないということで、やはり腱鞘炎でした。

やぁ、それにしても私の手の骨の美しいことったら

もう、骨だけでいたいです。

そんな状態なので、織り機とは、しばらくお休みしたい、風邪も治したい、

つまりはのんびり遊びたいということなんですが、

年賀はがきをまだ買っていないことに気が付き、郵便局まで行ったら、

スーパーの前で「ボジョレヌーヴォ!」と騒いでいるではありませんか

       

買っちゃいましたよ。

もう風邪もよくなって薬もやめたし、今夜はこれを飲み干します

明日からは元気になりそうな気分になってきています。

でも、左手は親指は痛い

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アーガイル模様を織る

2014-11-17 16:28:06 | 日記

ブログ仲間のまろさん(http://blog.goo.ne.jp/myutanto4598/e/a5921ef3544e7baeb8c306e4ef96ca31

アーガイルの生地を買ってご自身の服を作られました。

そこで〝アーガイル・チェック”について話題になっていましたので、

ついつい私は「アーガイルのマフラーを織っています」などとコメントしてしまいました。

それで公開しますのでご覧になってください。

まずは1枚目です。

 

これは30cm×200cmのマフラーです。

素材はアルパカの糸を使っていますので、軽くて暖かです。

白地にダイア柄はパープルのモヘアで×の部分はピンクのシルク糸です。

技法は『浮き織り』というもので、あとから刺繍したように見えますが地糸を織りながら

模様をアーガイルに入れて織ります。

次はこれです。

これは教材用に織ったので、触られ回りして少しヨレています(笑)

20㎝×162㎝のマフラーです。

糸は地糸は鮮やかピンクのシルクウールウール、ダイア柄はベージュのモヘア、×は銀色のラメ糸です。

アーガイルというのはスコットランドの旧州名で、、その地方で着られているチェック柄です。

スコットランド・チェックは日本でいう家紋のようなもので、

各家に伝わる伝統の模様です。、

ほんとうは、こんなふうに勝手に使ってはいけないことですが、

今ではなし崩しになって出回っています。

斯く言う私も、こうやってマフラーに織っていますから。

    

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タブノキを染める

2014-11-14 15:49:51 | 日記

今年は初めてタブノキを染めてみました。

わがマンションの庭木の一つで、今まで「染めたらきれいなんだ」と聞いていたのです。

『タブの木』だと思っていたら『タブノキ』だと染色図鑑に書いてありました。

図鑑によるとこの木は銅媒染が合うとのこと。

それで、すべて銅媒染にしようと、まずは染め液で染めました。

     

とっても綺麗なピンクに染まり、それは息をのむほど(大げさではなく)でした。

糸は左からシルク平巻糸1/6 2綛、真ん中はタッサーシルク1500d/片 1綛、右はシルク真綿糸巻スラブ1/6 1綛

タッサーというのは柞蚕糸のことで、山繭に似ています。

非常にツヤツヤとしていてやわらかい糸で、繊細な織りができます。

ですが、すべてがこんなに美しいピンクに染まったものを銅媒染するのは

本当に嫌だったんですが、このままでは無媒染なので、後媒染をしなければなりません。

ということで 染色図鑑を参考にして 酢酸銅で媒染をします。

この酢酸銅という化学物質は劇薬で、免許証だけでは売ってくれません。

免許証のほかに印鑑を求められます。

そんなものを使って媒染するので、キッチンの排水口に捨てるわけにはいきません。

なら、どうするか・・・それは・・・ちょっと・・ね?

媒染後は、最初の染め液に戻して、例の「化学のままで終わらない」です。

そして、乾かすと

        

こんな風になっちゃいました。ちょっとガッカリです・・・

が、それなりにいい色ではあるんです。特に左3本のキラキラ感は素晴らしい。

 

まだまだタブノキはいっぱいあるので、次の日に媒染を変えて染めました。

ミョウバン媒染されて濡れそぼっている糸クンたちです。

「ボクたち染められるのを待ってるんだよ」と言ってる気がします。

左から真綿糸巻スラブ1/6 1綛、 平巻糸1/6 2綛

          

タブノキの染め液はこんな色です。これに入れて染めます。

沸騰後 弱火で30分煮て翌日まで、そのままおきます。

        

翌日 染めた糸を洗って干しています

        

朝日に輝いてきれいですが、これで乾かすと、薄黄色にしかなりません。

ですので、2度染めしました。

そして干しているところです。

        

どうですか、ずいぶん違うでしょう?

乾くとこうなりました。

        

ただ、赤茶色のようですが、垂らして揺らしてみると、その陰にピンクが仄見えします。

実にいい色になりました。上品です。

自画自賛しているようですが、今回でタブノキは止めにしようと思いました。

1回で染めきらない、私には好ましくないです。

 

 

 

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娘の歴史

2014-11-11 15:40:16 | 日記

来年4月に娘が結婚します。

我が家には子供が二人いて、長男は社会人になって4年経って結婚しましたので、

それからの長い間、娘と3人の家族で生きてきました。

結婚が決まり、いろいろ準備をしているところですが、

昨日から娘の歴史を写真で残そうと思い、今までの家族写真を整理しました。

最初は、やはりこの写真です。

   

私に支えられて 沐浴中の娘です。

男の子の次に女の子が生まれて、幸せだった気持ちが思い出されました。

今までそのままにしていて見ることもなかった昔の写真を、次から次へとアルバムから見つけて

「可愛い!」とか「こんなだったわ」とか、一人騒ぎながら新しいアルバムを作っていきました。

最近のものまで整理し、今日は、それが完成しました。

これを結婚のはなむけとして娘に贈ろうと思っています。


 

娘は高校の時 夫の妹が暮らしているイギリスに留学しました。

日本人が誰もいない私立の学校で寮生活をして高校を終えました。

近くに叔母がいるとはいえ、言葉もわからず、生活習慣も違う国で、心細い毎日だったと思います。

イギリスの教育制度など、何一つ知らなかった私たち両親は、

イギリスでは中学卒業の検定試験を受けること、規定の基準に満たなければ、高校へ進学できず、

専門学校へと進学することなどに驚きました。

たとえ高校へ進学できても判定で決められた学問しか勉強できないこと、それは大学の進級までつながっていることなど

驚くことばかりでした。

いえ、私たちより、本人の娘が驚いたことだったと思います。

まず、高校生になっているのに、中学に戻され、資格試験の勉強をさせられました。

その結果は、見事 高校進学が決まりましたが、夜も眠らず、寮の図書館で勉強をして

「日本人は こんなに勉強するのか!」と驚かれたとか。

おそらく英英辞典(英和ではありません)を全部暗記しただろうと思われます。

でも、本人の希望していた『地理』を専攻することはできなく、『数学』専攻にされてしまいました。

確かに、日本にいた時も数学はできましたが、専攻したいほどではなく、

しかも数学の原点『Father Mathematics』となれば、退屈この上ないはずです。

それでも娘は不屈の精神で頑張ったようです。これは褒めたい

ですが、この専攻教科は、そのまま大学へと続くそうで、

さすがに「日本の大学へ入りたい」と言ってきました。

中学の卒業試験で、これからのすべてが決まってしまう、これは可能性に限りがあるということです。

夢も希望もないという言葉がこれほど当てはまることはないと思いました。

日本に帰ってきた娘は可哀想なほど挫折感に満ちていました。

でも、日本の大学で、他の外国語も身につけて、現在は日本語を含めて3か国語を流暢に話します。

翻訳家という仕事を得て、留学は無駄ではなかったということなんですが、

仕事柄、男性と知り合う機会は少なく、ずっと独り身を続けていました。

それが、東日本大震災に逢い、出先きで家に連絡もつかず「この世で独りぼっちになったかも」と

帰宅難民になり、トボトボ歩いて帰る途中(7時間も)涙が止まらなかったと言います。

その気持ちが「一人ぼっちは嫌だ、結婚しよう」ということにつながりました。

今年39歳にもなってしまい、「結婚相手は見つからないよ」と思っていましたが、

天は味方してくれているのか、春に、私の友人の紹介で、これ以上相応しい人はいないという方に出会いました。

相手の方は、地図の好きな鉄道ファンの人で、それが女性に理解されずに、今まで一人でいた45歳、

地理も地図も鉄道も大好きな娘に、これほど相応しい人はいるでしょうか。

この遅い結婚に、私たちは狂喜せんばかりに喜んでいます。

二人で楽しい思い出をいっぱい作って、このアルバムを超えるような時間を過ごしてほしいと思っています。

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ケヤキを染める

2014-11-07 16:03:43 | 日記

植物の剪定の時期となり、我がマンションでも10月半ばに 植木屋さんが来て

庭木の剪定をしました。

いつものことなので、袋を持って現れる私に優しい対応をしてくれます。

ケヤキとタブノキをいただき、ベランダで保存をし4日から染めにかかりました。

今回染める糸たちです。

         

左から真綿リング2綛、真綿巻糸スラブ2綛、白いのが精錬済みの平巻糸1綛、右端が未製錬の平巻糸1綛

植物は糸の総量と同量使い、染液を作ります。

         

         

ケヤキはミョウバンを媒染にすると赤茶色になります。

というわけで、ミョウバンで先媒染しました。

その後、染液に入れて沸騰したら弱火で30分煮ます。

         

染め上がりです。

       

糸によって、染めの出方がずいぶん違います。

右の未精錬の平巻糸は、別物のようです。

すぐ左の平巻糸と同じとは思えません。(他人事のようですが、予想はついていたのです)

翌日は鉄媒染をしてネズ黒色を出します。

       

染めて、木酢鉄の媒染剤をお湯に溶かして漬け込んでいるところです。20分です。

私の場合は、この糸を洗ってから、元の染液に戻します。

これをすることで化学で終わらないということです。

洗って 干してます 

       

ずいぶん黒いですが、乾くとこうなります。

      

絹糸のツヤツヤした風情がいっぱいの素敵なネズ黒になりました。

糸は左が真綿糸巻スラブ、右2綛は平巻糸製錬済みです。

さて、明日はタブノキを染めます。

 

        

      

     

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藤澤ノリマサさんのCONCERT2014へ行く

2014-11-03 19:11:32 | 日記

今日は三連休の最終日で、街の中は人であふれていました。

私の今日は私の中で一番ノラないカルチャースクールの講師でした。

でも、1日、2日は、大変シアワセな連休でした。

はい、藤澤ノリマサさんのコンサートへ行ったからです。

これはコンサート・パンフです。

         

なにやらピンボケですが、コンサートはピンボケではなく、最高のコンサートでした。

東京1日、2日、3日と大阪9日というスケジュールで、全体が終わるまで詳しいことを書くのはダメなので、

差支えないことだけ書くことにします。

今年のノリマサさんは様々な挑戦をしてきて、6月のファンクラブ・イヴェントでは、自分の持ち歌を1曲だけにし、

あとはスタンダード・ジャズを歌いました。

ポップオペラというジャンルを作って、ポップスとオペラの歌い分けをする今までの姿勢から、

別のこともできるヴォーカリストになりたいということなんです。

今回も、『Fly me to themoon』、『ボラーレ』、『コメプリーマ』などスタンダード・ジャズなど、

また『枯葉』などシャンソンも聴かせてくれました。

彼がカンツォーネを高らかにうたうのは当たり前で、しかもピアノでの弾き語りで歌っちゃいます。

「カンツォーネを弾き語りで歌えるのは、日本で僕一人です」と いつだったか自慢げに、でも恥ずかしそうに言ってました。

とは言っても、やはりポップオペラの唱法は、やはり素晴らしく、ノリマサさん以外にはできないことです。

3days連続のコンサートということでしたが、インタヴューで「3日間は続けて歌える。初日は手加減して、2日目は本調子、

3日目も大丈夫、1週間は無理(笑)」と言っていたことがあるので、私は初日と二日目を選びました。

それが、初日から大全開で歌うので、大丈夫か?と心配しました。

声が今まで聴いたことがないほど、大きく出ていて、いくらベルカント唱法でも大変でしょう、と。

実は 今年は「no micコンサート」を3回しました。

マイクを使わないで歌うのは初めてで、彼はそのために母校の大学でクラッシックの歌い方(ベルカント)を

改めて勉強したそうです。

それで、今までより声の幅が大きくなり、「とても良かった」と言っていました。

「no mic コンサート」は哀しいことに抽選モレしちゃいましたが

その成果を私は聴くことができたということです。

レコーディングはオーケストラで一発OKの人だと聞いたことがありますが、どれだけ歌唱力があるのか、

そんな人は美空ひばり以外に知りません。

礼儀正しく、あまり脱線はしないけど、天然ボケのノリマサさんは、普通にしゃべってるのにおかしくて笑いますが、

今回は何か掴むものがあったのか、余裕で見事なエンターテイナーぶりを発揮してくれて、

そういう意味でも楽しい2時間半でした。

        

いつも年配のご夫婦が多いのですが、今回は一人でいらっしゃった男性が多かったのもビックリ!

野太い声で「フジサワ~~!」と叫んでいた人も何人かいて、驚きました。負けるわ。

今回、会場で初めてお会いした方々 何人かとお話ししましたが、皆さん 「3days来る!」と

おっしゃっていて、私はまだまだアマイと知らされました。

楽しみにしていた今年の行事が終わってしまい、「もう今年は終わったわ」とガックリきている今日です。

さぁ、明日から織り機に向かわなければ!!!

 

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