みっく・じゃがの「ひとりごと日記」

日々思うこと、考えること、時には写真も

コチニールの染め、・・ですが腱鞘炎がまた・・

2017-05-30 10:26:36 | 日記

5月16日からイギリスに渡るので、12日、13日、14日と

コチニールの染めに入りました。

帰ってきたときには乾ききって織りに入れると思ったからです。

 

ですが、5月初めから腱鞘炎に再び悩まされるようになっていたのです。

左親指と手首に続く部分が腱鞘炎に悩まされるようになったのはずいぶん前で、

医師から「前のようには戻れないけど、このくらい良くなれば全快と言えます」

と言われていたのですが、いかんせん 織り機に向かっているからには、

この病気からは逃げられないということなんでしょう。

実は、その1か月前に右手中指の第2関節が、朝 起きた時に曲がらなくなり、

何度もグー、パーを続けて、曲がるようにしていました。

指を曲げて元に伸ばそうとするときにパッチンとなるように戻るのです。

1日の終わりには何の支障もなくなるので、そのままごまかして暮らしていたのですが、

今度は左手親指が曲がらなくなり、無理に曲げると、激痛が走り、

ついには手首まで痛くなり、腱鞘炎が復活してしまったようです。

お風呂では湯船に浸かりながら親指を曲げて、これで良くなればと思っていたのですが、

旅行中も痛くて我慢できない時が多く、生活の中では、つい親指を使うことがあり、

そのたびに泣く思いだったのです。

 

そして、ついにやっと 昨日 病院へ行ってきました。

レントゲンを撮り、医師の説明では「両手とも腱鞘炎ですね」ということです。

「手術をすることになると思う」と言われましたが、この痛みが解決できるなら

それも仕方ないと思っています。

ですが医師が「その前に注射で治療してみましょう」と言ってくれて、

「筋にする注射は痛いんですよね?」「はい、痛いですよ」の会話のあと

「でもこの痛みに比べたら、それも治る痛みなら我慢します」の私の決意(?)に

医師は「頑張りましょう!」と言ってくれました。

というわけで「痛い!」というより「イッタイ!!」注射をしてきました。

左手親指付け根の注射跡です

「あのう、痛いのは第一関節なんですが・・」という私に

医師は「元凶は第二関節なんですよ」と言います。

そして、「お風呂でお湯につけながら、自力ではなく右手で無理やり曲げるように。あとは

痛み止めの薬をつけてください」と言われています。

心なしか、痛みがいくらか和らいだように感じます。

注射をするとき医師が注射する部分をご自身の体で隠して、私から見えないように

そして「もうすぐ、もうすぐ終わりますよ。もうちょっとの我慢です」と励ましながら

してくれました。なんと優しい・・・

この注射を1週1回続けて様子を見ようということになりました。

もし良くならなければ、手術ということになるそうです。


 

さて、前置きが長くなりましたが、コチニールの染めです。

ボケた写真ですが、コチニールです。

コチニールは前にも書きましたが、サボテンに寄生する虫で、

インディオはサボテンからこれをベリッとはがし、すり潰して赤色を出します。

日本ではこのコチニールの死骸ですが、真空パックして売っているのを使います。

① 糸を精錬という作業で汚れを取ります。

② コチニールは染糸の重量の10%ほど使います。

③ 最初に1液を30分煮出します。

1液の色です

④この液に木酢鉄少々を入れて糸を入れて30分おき洗って干します。

こんな美しい青に染まります。

 

⑤ 1液を煮出した後のコチニールに水を入れて、2回煮だし、混ぜます。

⑥ この液にミョウバンを入れます。これを一浴法といいます。

普通の染めでは、ミョウバンは先媒染で、染める前にお湯でといて糸を入れるのです。

コチニールはカモミールやラベンダーのようなハーブ染めと同じように

一浴法で染めます。

⑦ この液にクエン酸を5g入れて様子を見て、PH2になるまでクエン酸を入れます。

⑧ このPH2の染め液に糸を入れ火にかけて沸騰後火を止めて20分おきます。

⑨ この糸を洗って、重曹を水8リットルに80gとかし、糸を入れます。

⑩ 洗って干します。

2液、3液を混ぜて、クエン酸でPH2にした色がこの糸です。

重曹は色落ち止めです。

 

余談ですが、精錬した糸を洗ってバットに置き、「さぁ染めようか」とみたら

9綛の糸が2綛しかないのです!

「あらぁ~」と見たら、廊下に1綛ずつ 並んでおり、その前で猫のKUUが座っています。

どんな力で運んだものか、咥えて1綛ずつ運んで並べたのでしょう。驚きです。

というわけで、この染めは私一人ではなく、猫のKUUもお手伝いしてくれたものです。(笑)

 

現在、整経という織り機に糸をかける作業をしているところで、間もなく織りに入ります。

この2本のマフラーで個展の準備は終了します。  あと少し・・・

 

 


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
我慢強いですね。 (やっほ)
2017-05-30 12:39:50
職業病ですか、深刻な悩みですね。
「ばね指」とはまた違った症状ですか?
お仕事にも係わることですからね。注射で治まりますように!・・・

そんななか個展の準備が着々と進んでいますね。
素材の染作業は以前から苦心談を拝見していましたが、
改めて大変ですね。 と同時に面白そう!

KUUちゃんもお手伝い?可愛いですね。(^^
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お帰りなさい。 (TANAKA)
2017-05-30 15:46:34
私の生徒さんも還暦過ぎくらいの方々は、
殆どの方が何かしら手に疾患をお持ちです。
多いのはばね指や年齢から来る、変形性関節炎ですが、
腱鞘炎は、やはり織りの仕事から来るのではと思います。
お気持ちはよく分かりますが、今後のこともありますので、
多少は妥協もして頑張って下さいね。
展示会まであとひとがんばりですね。
でも、体調も気になります。
返信する
やっほさま (みっく・じゃが)
2017-05-30 17:28:26
我慢強いんです(笑)
右の中指は周りの方々に「ばね指ですね」と言われていました。
ですが、医師は「これも腱鞘炎なんですよ」と言われました。
ですが、激しい痛みはないので、こちらの治療は、あとになりそうです。

いずれにしても、このあたりでリタイヤしようかと考えています。
返信する
TANAKAさま (みっく・じゃが)
2017-05-30 17:34:00
ご無沙汰しています。
ブログは時々覗かせていただいていますが、
覗くだけで失礼しています。

医師にも織りを止めなければ、どうにもなりませんよ、
と言われています。
そろそろ辞め時かと思います。
今日も織り機にむかってたて糸をかけながら
冷静に見ると、ホントに左手の親指と人差し指ばかり使っています。
これじゃなぁとつくづく考えてしまいました。
物事には終わり時があると言います。
個展が終わったらお終いにしようと真剣に思っています。
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染めも織も・・ (茉那)
2017-05-30 18:53:03
どちらも壮絶なお仕事ですね。

コチニールとかいう虫を染料にしてこのような綺麗な色に染めあがるのですね。

きっとその仕上がりの魅力がみっくさんを染に突き動かしているのでしょうけれど、織の方も大変な労働で、ついに腱鞘炎とか。
くれぐれもお体を大切になさってください。
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自然の不思議さ! (RIN)
2017-05-31 08:29:26
青い色がピンクに変わるなんて!共にきれい!

幸田文が 庭の黒アリに悩まされ ピン止めでアリの巣を壊してる写真があります、彼女の愛猫のクロちゃんが一緒にお手伝いしてます!

KUUちゃんもお手伝い!

スコットランドでしたか、写真には橋が5~6橋写ってますね  橋、お好きなんでしょうか?
目に焼き付けて、、、その方が残りますね!
武田百合子の「目薬をさすように、、、」を思い出しました
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茉那さま (みっく・じゃが)
2017-05-31 11:56:31
コチニールは本来ピンクの色を出すための染め材なんですが、
木酢鉄をほんの少し加えるだけで美しいグレーが出たのです。
そこで調子に乗って、鉄をもう少し加えたらどうなるか?
そこで出たのが、このブルーでした。
この色が草木染めの色で出せるとは!と話題になり、評判がでました。

腱鞘炎が思っていたより悪くてしょんぼりしています。
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RINさま (みっく・じゃが)
2017-05-31 12:11:35
草木染めと言うと、とかく茶色や黄色が多く、
このように華やかな色がないと楽しみがないです。
本来はピンクの色を出す染め材なのですが、
他人と同じことをしていてもつまらないですから。

猫って、ほんとになんにでも興味を持ちますね。
今日も、ガラス拭きをしていたら、一緒に内側から
ガラスを撫でてくれていました。

橋が特別好きなわけではないのですが、このフォース鉄橋は長さといい、
日本人が異国で建造に活躍したというので、
わざわざ見に行きました。
日本から見に行く人はいないでしょうね。
そう言えば、スコットランドでは日本人に一人も会いませんでした。

私は旅行に行っても写真をそんなに撮りません。
あとで観ることはありませんし、目に焼き付いた景色しか記憶に残っていないのに、
と思っています。
絵織りの素材だけ真剣に写します。
「目薬をさすように・・・」ですか、いい表現ですね。
初めて聞きましたが、これ、これから使っちゃってもいいでしょうか?
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