ブログ・クロウキョウ

文京の働く愉快な仲間たち

和太鼓

2009年02月02日 18時29分45秒 | レポート
 本郷の佐藤勝さんが、わらび座ミュージカル「天草四郎」の感想文を
地域新聞に載せていました。本人の許可を得て転載してみました。

会場がざわついており、舞台もライトアップされたまま、
ボロを纏った老人が遠景からから近づいて来ます。
そのまま舞台表面を通り袖に消えていきます。
 会場のライトが消え、いきなり「島原の乱」が始まります。
 日本初の西洋画家・山田右衛門作が女性である志乃を
神の子「天草四郎」として仕立て上げる、という設定になっています。
 こうしたフイクションは遺憾なく効果を発揮しており、
最後まで観客を惹きつけます。
 さらに柳生十兵衛、柳生但馬守、徳川家光が登場し、
「乱」の実相を浮き彫りにします。
 島原は松平7万石の城下町。寛永14-15(1637-38)年、
天草・島原に起こった百姓一揆はキリシタン教徒が多く、
益田四郎時貞を首領とし、2万数千人が原城跡に拠り、
老中松平信綱によって攻落されました。
 「自由・平等・平和・愛(信仰)」をキーワードに、
さまざまな登場人物がそれぞれ個性を発揮し、感動を誘います。
 美しい海を背景に大きな盆の回転によって物語は進行していきます。
天草四郎の透き通るようなミュージカルナンバー、若者たちの歌やダンス。
ゴスペル・賛美歌をモチーフにした民衆の合唱。
 激しい音響とともに、「乱」の凄絶さを舞台の両脇の和太鼓の連打が表現します。 
わらび座の『天草四郎』は、「死こそが唯一の救いだとしていた民衆が、
やがていかに生きるかを考えるようになっていく」人々の物語なのです。
次のような歌唱でドラマは大詰めを迎えます。

   人の世は常に悲しみに充ちて
   明日さえも見えなくなる
   それでもただ信じている
   生きることは愛すること
   どんな時代も
   愛しき者たちよ 

写真は、天草四郎と関係ありません。うたごえ祭典の獅子舞と和太鼓