空を見上げて

事務所猫チャコと家猫ごん太 2ニャンと楽しい日々

ペコロスの母に会いに行く

2014-04-12 17:26:44 | 読書
岡野雄一著
西日本新聞社 1200円

父親が亡くなった年に始まった母親のボケを描いた作品。





ほのぼのしてます。
心がホッとします。
私は義父が認知症を発症したときに、まず「どうしよう!!!」という気持ちがありました。
介護に対する覚悟もしたし、やりとげようと思っていた。
ところが手がかかったっていうのか手を焼いたのはむしろ義母のほうで、
義母の気持ちのケアのほうが私にはきつかったっていう記憶が残っている。
それは、義父の介護を完璧にしようとしていた気負いがあったからかもしれない。
そんな気持ちをスゥーっと抜いてくれる本。
こんな風に、気持ちに余裕を持っていれば良かったんだ、と思う。
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KAGEROU

2011-01-18 13:53:10 | 読書


齋藤智裕著
ポプラ社 1400円

今話題の水嶋ヒロの処女作。
買おうかどうしようかと迷ったけれど、
小説最後の3ページをめくってみて決めた。

イッキに読んだ、というか読めた。
悪くないと思う。
話があっちこっちに飛ばず、一人の人物の感情を中心に話は進むのでとても読みやすい。
それに、私自身としては結構好きな設定でもある。

”「命」の物語”とうたってあるけれどそんなに重い語り口ではなく、
むしろ、努めて明るく「命」を伝えている感じがする。
だから内容とはウラハラに、
スッキリと、あれこれ考えずに読める一冊であると思う。

でも、読んだ後に、
いろいろ考えて欲しいなぁ、というところがあるかもしれない。
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6ステイン

2009-02-14 08:28:23 | 読書
福井晴敏著
講談社

・いまできる最善のこと
・畳算
・サクラ
・マーマー
・絶ち切る
・920を待ちながら

6つの短編小説からなるこの本。
福井晴敏の作品には戦う場面が必ず出てくるけれど、
実際に著者が経験したのではないかと思える程リアルで、
読んでいて場面が目に見えるよう。
それでいて何か心に残るやさしさもきちんと織り込まれていて、
読み始めると、物語の中に引きこまれてしまう。

この中で私が好きなのは「920を待ちながら」。
最後にこの名前が出てきたからっていう理由ではあるけれど・・・。
如月行。
そう、「亡国のイージス」で私が大フアンになったその人だ。
もぉ~それならそうと、もう少し如月行の匂いを漂わせてよ~~~って思ったけれど、
このリンク加減が好きな部分でもある。(笑)

最近目が悪くなってきていて、文庫本を読むのが結構大変だったりするけれど、
福井晴敏のモノは、どうしても読みたいと思ってしまう。
また、如月行に会えることを期待して。(笑)
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がばいばあちゃんの勇気がわく50の言葉

2007-08-22 15:18:58 | 読書
お馴染み、島田洋七の「がばいばあちゃん」シリーズの一冊、「がばい語録」の本。
”佐賀のがばいばあちゃん””がばいばあちゃんの笑顔で生きんしゃい”の中にも書いてある、
ばあちゃんの言葉である。

この年になると、ばあちゃんの言葉一つ一つに、
思い浮かぶこと、思い当たることがいくつかある。
誰しも解っていること、
頭の片隅で、心の奥底で、感じていることばかり。
「そう、そう」と、相槌を打ちながらも、心に響いてくる。

このがばいばあちゃんは、人を諭す、天才なのではないかと思う。
言い方によって、人の気分を悪くさせることも、素直に受け入れられることもある。
このばあちゃんは、もちろん後者。
利口な人だ。
”物言い”を愛情というオブラートで包んで飲み込ませてくれる。
これなら誰だって、苦い薬でもすんなり口にいれるはずだ。

10代の頃、友人の言葉に「はっ」と我に返ったことがある。
電話で友達の悪口を言っている私に、
「何、あせっているの」
と言ったのだ。
「別にあせってなんか・・・」
とその時は思ったのだが、人気者になっていく友達に対して、
嫉妬心があったのだと思う。
それを友人に見抜かれていたのだ。
その言葉はいつまでも心に残り、
以来、同じようなことがあると、
「お先にどうぞ」
という気持ちになることが出来た。

生きていく上で、出会う言葉は何万とある。
その中で、心に残る言葉があるという事は、
なんて幸せなんだろうと思う。

長男が不登校になってしまった友人が少し元気がなかったので、
「男の子3人なんて私の理想だわ」(友人には3人の男の子がいた)
と言ったことがあった。
その言葉にすごく励まされたと、後々話してくれたことがあったのだが、
いかんせん、言った本人の私は忘れてしまっていた。

私もたまには、役にたっていた・・・・・のか?(笑)
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ツレがうつになりまして。

2006-12-12 14:42:10 | 読書
幻冬舎 1、155円

義母がうつのこともあり、漫画で読みやすいのと手頃なお値段ということで購入。
今まで4~5冊うつについての本を買ったが、当事者の本は初めて。

今まで購入したほとんどは、医者からの助言的な内容のものばかり。
読んでいくと、うつ患者に向けての内容っぽいものもある。
しかし、うつ患者は絶対と言っていいほど、本は読まない。
ましてやあんな小さな文字、読む気になるわけがない。

うつは誰にでもなる病気ではあるが、その予防策として健康な時に
うつのメカニズムをあらかじめ知識として取り入れていたとしても、
うつになった時の自分は、今までの自分ではないのだから、
知識が役にたつのかどうかは、疑問なところである。
わかっているのに行動出来ない自分に、もどかしさを感じるだけではないだろうか。

この本は夫がうつになった時のことを、妻が出版した本。
そう、そう、と納得することばかり。

テレビ番組はNHKしか見ないっていうのも、そうだった。
私は、しかめっ面をしながら小難しい番組を見ている義母に、
バラエティー番組を見て笑ってもらおうと思って見せていたが、
それはイヤなことだったんだと知った。
義母は、私がトイレに立つと、すぐにチャンネルを替えていた。

医者からの立場での本は、家族の協力が必要と、必ず書いてある。
もちろん私もそう思うのだが、それは結構大変なことだった。
毎日聞かされる自虐的なこと。
それをいちいち「そんなことないよー」と慰める。
一言一言に敏感になっている為、イヤなことを言われても、言葉を返せない。

そんな家族の愚痴を、この本は書いてくれている。
みんな、そーなんだ~と、ちょっぴり気が楽になった。
大らかに、肩肘張らずやっていこうという気にさせてくれた。

ちなみに・・・
この著者の名前、なんていうんだろう?
細川・・・何?
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陰日向に咲く

2006-12-11 17:26:48 | 読書
劇団ひとり著
幻冬舎 1470円

劇団ひとりの本・・・ということで、あの独特の世界そのままなのかと思いきや、
これがなかなかのモノであった。
それぞれが単独の物語であるのに、少しづつ繋がっている。
飽きずに、一気に読んでしまった。

所々に劇団ひとりを思いおこすような独特の世界はあるが、
まさかこの本で、涙を出すとは思わなかった。
読み終わってみると、どの物語も心に沁みる、秀逸の代物である。

キーワードは「アメリカ兵をぶん殴った話」。

ちょっと心に止めて読んでいくといいかもしれない。

あの風貌と芸風で毛嫌いしないで、この本は読んでみるといい。
ちょっぴり得した気分になったと思うのは、私だけか?
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亡国のイージス

2006-09-06 17:39:40 | 読書
自らの掟に従い、15歳で父親を手にかけた少年。
一人息子を国家に惨殺され、それまでの人生をなげうち鬼となった男。
祖国に絶望して叛逆の牙をむく、孤独な北朝鮮工作員。
男たちの底深い情念が最新のシステム護衛艦を暴走させ、一億二千万の民を擁する国家がなす術もなく立ちつくす・・・。

福井晴敏著。長編小説だったが、面白かった。
船上での戦いが、見事なほど詳細に描かれていて、
この著者は、船の隅から隅まで頭の中に入っているんだろうかと感心した程。
この小説の秀逸のキャラは、15歳で父親を手にかけた、如月行。
なかなか魅力的で、ちょっとファンになった。
味のある一冊。
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佐賀のがばいばあちゃん

2006-09-02 17:30:53 | 読書
漫才ブームの時に一世を風靡したB&Bの島田洋八が幼少の頃、
佐賀のばあちゃんの所に預けられた時のばあちゃんの事を書いた本。
”がばい”とは、”すごい”という意味らしい。

吉行和子主演で映画化されたが(映画もおもしろかったが)、本のほうが断然いい。
ばあちゃんの貧乏エピソードがこれでもか、これでもか、というくらい出てくる。
笑える話が多いけれど、どれもこれも愛情がたっぷりと注がれている。
ばあちゃんのユーモア溢れる語り口は、見習わないといけないところかもしれない。

前向きで一生懸命働いて、こんなばあちゃんになれたらいいなぁ。
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沖で待つ

2006-08-29 09:47:41 | 読書
糸(本当は糸が二つ並ぶ)山秋子著、芥川賞受賞作。
1000円というリーズナブルな値段にもひかれて、本を買って読んでみた。

えぇ!?これが芥川賞受賞作?っていうのが私の第一印象。
賞をもらった本と聞くと、やたら長くて難しいという思いしかなかったのだが、
なんとも正直なまっさらさらな表現。
書けそうで書けないこの表現力が賞に値するのか。

短編2編が収められているが、違うタイプの小説なので、結構楽しめた。
どちらも働く女性が主人公。
表題の”沖で待つ”は、じんわり心に来る秀作だと思う。
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