Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

一年ぶりの再会

2014-03-15 01:00:00 | 雪3年3部(亮蓮大学に~淳の父への本音)
A大美術学部付近の構内を、小西恵は友達と連れ立って歩いていた。

天気も良く、野外を歩くのは気持ちの良い日である。



するとそんな恵の後方から、ソロリソロリと近付く人物が居た。

彼は恵のピッタリ後ろに来ると、勢い良く膝カックンを決めて声を上げた。

「おいっ!」「??!」



それは数年後しのお返し膝カックンだった。

高校時代、何度も彼らの間でなされたそのやりとりの‥。



「な‥なに‥?!」



突然の奇行に恵はあんぐりと口を開けて振り返った。

彼は大口開けて笑っている。

「ウハハ!な~に驚いてんだよ!キンカン!」



「れ‥蓮?!」



かくして二人は再会を果たした。

会わなかった期間そのものは一年ちょっとだが、それまで毎日のように顔を合わせていた彼らからすると、

随分と久しぶりのような気がした。

「いっや~ひっさしぶりだなぁ!大学生になってちょっと可愛くなったんじゃないのォ~?」



そう言っていきなり馴れ馴れしく肩に凭れ掛かってくる蓮に、恵は少々引き気味だ。
(そしてこの二人の仲を見て、恵と一緒に居た友人は席を外した)

「何よ連絡も無しに突然!」 「ケータイの電池切れちゃってさぁ」



蓮は笑いながら恵が相変わらず小さいことを口にすると、あんたも変わんないじゃんと言って恵が応戦する。

大学生になっても、二人の雰囲気は相変わらずだ。



蓮は改めて周りを見渡し、話を続けた。

「A大ねぇ‥。うちの姉ちゃんを追ってここにまで入るなんてなぁ~」

「てかあんたは何でここに来たの?!しかも突然!」



恵はなぜ蓮がここに居るのか不思議でしょうがなかった。

疑問符を飛ばす恵からの問いに、蓮が答える。

「そりゃ~もちろん‥姉ちゃんに会いに‥」「経営学部はあっちですぅ~」



そう言って経営学部の方を指差す恵の肩に、蓮は甘えるように手を置いた。

元来の人懐っこさは健在だ。

「姉ちゃんと連絡取れねーから、ついでにお前に会いに来たわけよ」

「あーそうですか



「それでも俺ら幼馴染みじゃんか~。顔見てこうと思ってさぁ。

”何で来た?”なんて‥冷てぇなぁ~」


恵の態度を憂うような蓮に、溜息を吐いて恵は彼に質問した。

「‥アメリカは楽しかった?」



少し意地悪そうな顔をした恵に、蓮もニヒルな笑みを浮かべて答える。

「フン、連絡もしてこなかったくせに今更?」



恵は「あたし高3だったんだけど?!」と立腹だ。忙しいのに、度々連絡などしていられない。

それに蓮からも全くと言って音沙汰が無かったのだ。プリプリと怒る恵に、

蓮はハイハイと宥めながら、「それなりにな」と言って頷いた。

そんな彼に、恵は人差し指を差しながら詰め寄る。

「ところで蓮!あんたアメリカの大学通っときながら、何で突然帰国?

雪ねぇがどれだけ心配してると思ってるの?!」




そう強い口調で責める恵に、思わず蓮もタジタジだ。

長男として家が心配になったからだと彼は答える。

「とか言って‥アメリカが合わなかっただけじゃないの?」



痛いところを突いてやろうと思って言った言葉だった。

こう言ったら彼は否定するか怒り出すかと思っていたが、そのどちらでもなく蓮は俯いてこう言った。

「まぁ‥でも誰だって初めての海外って、合わないもんじゃん‥」



目を逸らしながら、気まずそうに顔を掻きながら、蓮はそう言った。

恵は幾分意外さを感じながら口を噤む。自分の知っている蓮ではない彼を前にして。



恵は彼の気持ちを少し慮り、しかし自分がずっと思っていたことを続けて口に出した。

「とにかく‥蓮も大変だったかもだけど、雪ねぇに心配かけちゃダメだよ」



蓮は、尚も姉のことばかり口にする恵に幾分憤慨した。

「は?大変なのは姉ちゃんだけかよ。俺は大変そうに見えないってーの?」



そう口にした蓮だったが、恵の反応は芳しくない。

焦れた蓮は恵の額に指を当てながら、子供のように喚き出した。

「この腐れキンカン!冷たいお前なんて冷凍キンカンだ!コノヤロ~!」



自分の周りは皆冷たいと言って、蓮はおどけながら頭を抱えた。

子供っぽいその彼は、幼い頃から何も変わっていない‥。



恵は久しぶりに会う彼を前にして、改めて昔の思い出が脳裏に浮かんだ。

幼少の頃、中学生の頃、そして高校生の頃‥。

  

懐かしむような視線を、今も変わらない彼に送りながら恵は佇んでいた。

顔を合わせるのは久しぶりとはいえど、二人の雰囲気は何も変わらない‥。



すると、蓮がいきなりこちらを振り返った。突然の行動にどきりとする。

「なっ何?!」



蓮はニコニコと人懐こい笑みを浮かべたかと思うと、恵に向かって催促をした。

「ねぇちょっとケータイ貸して!アーンドお金もね



「あら? ついでに浄水器と保険の加入も誘わなくていいの?」

蓮の図々しいおねだりに、恵がウィットの効いた冗談で切り返す。

二人はギャアギャアと騒ぎながらも、昔からの空気のまま肩を並べて歩いた。

午後の日差しは柔らかく、空はだんだんと秋らしく高くなっていく‥。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<一年ぶりの再会>でした。

幼馴染みっていいもんですねぇ。

蓮と居る時、雪に対する態度とはまた違った恵を見ることが出来ますね。

*追記

「浄水器と保険の加入」は韓国での”しつこい訪問販売”の鉄板だそうです。

CitTさんありがとうございました~^^


次回は<その探しもの>です。

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6 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
真面目な質問ですが… (ちょびこ)
2014-03-15 01:12:22
ウェット、で合ってますかな?
湿っぽい、で宜しいか?
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ちゃちゃ入れですみません (むくげ)
2014-03-15 01:27:00
姉様

多分師匠のうち間違い
ウェットじゃなくてウィットだと思われますだ・・
機知に富んだっていう意味の・・
きっとこれも韓国通の方には分かる返しなのだと思われますが、如何せん韓国系は全くで。。

しかしこの二人。。
可愛いけどまるで子供なきゃっきゃっなやり取り・・・
それがどうやって付き合うことになったのやら。
案外やり手ですな・・
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蓮の「連絡もしてこなかったくせに今更?」後、恵の答えは・・・ (CitT)
2014-03-15 01:30:03
「私、高3だったけど?」
忙しいから連絡は無料だった、という意味です。
「そう言うあんたこそ!」← 蓮も恵に連絡しませんでしたね。
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むくげさん (CitT)
2014-03-15 01:46:39
浄水器と保険はね、韓国のしつこい訪問販売の1,2位を争ってますよ。
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CitTさん (むくげ)
2014-03-15 01:50:15
おお、早速。ありがとうございます。
いやCitTさんが説明してくれるに違いないと、勝手に待ってました。

保険は確かに日本でもしつこいイメージです。
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ぎゃっ (Yukkanen)
2014-03-15 17:16:45
すいません、むくげさんの仰る通りそこは「ウィット」です‥!すぐさま直します~~!
CitTさんご指摘の恵のセリフも!
いつもありがとうございます~^^

そして追記として、「浄水器と保険」について載せておきました。CitTさん、ありがとうございました!!

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