銀杏と木枯らし一号と銀杏かぶれ(その2終わり)
近年のことだが、気の毒なことに同級生がその銀杏かぶれにやられてしまった。小学校の近くの畑で仕事をしていると、先生が低学年の児童を伴って、校庭の脇の銀杏を拾い集め始めた。先生はかぶれる危険性はご存じなかったらしい。
驚いた彼は駆けつけて「かぶれたら大変なことになる。私が拾い集めてやる」と手伝いを申し出て拾ったそうだ。ところが、善意があだになったと言おうか、なんと彼自身が重症の「銀杏かぶれ」の被害を被ることに。
痛痒さに我慢できず、皮膚科の医者に診察を受けた。「失礼なんだよ。俺を見た看護婦さんは、くるっと後ろを向いて、肩を大きく震わせていた。ありゃ、笑っていたんだぜ」なんて報告してくれたのでした。
顔だけだったらまだしも、用を足すたびに触れる大切な部分も、皮膚が敏感でかぶれたという。「いやー、でっこくなってのう」なんていう彼につい「うらやましい」なんて混ぜ返して言ってしまった、馬鹿な私でした。
(終わり)