畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

深山幽谷の心地

2012-07-22 07:44:35 | 自然

 友に請われて、この森林を水源とする沢に入った。
友は、知人に山菜「ヤマトキホコリ」を食べたいと、頼まれたらしい。

 「ヤマトキホコリ」はこの辺りでは「アオミズナ」と呼ばれる山菜。
清冽な水の流れる沢筋に自生し、お浸し、みそ汁の具などとして利用される。
あっさりとして癖も無く、皮クジラとの相性が抜群と大好きな私は何時も思う。


 例年だと、「アオミズナ」の盛りとなる今ころは、昼なお暗き鬱蒼たる繁みになるのだが・・・。
昨年の水害をもたらせた豪雨と、春先の雪解け水で斜面は崩れ、いやに明るい空が頭上に広がる。


 この斜面など、昨年までは一面の「アオミズナ」に覆われていたのでした。
いまは、ペロンとした土が剥き出しの斜面と化しています。 


 気を取り直してなおも前進、沢を下る。
下の村とは標高差が100メートル以上も有るのに、河原と同じような丸い石が転がる。
この山は、何十万年前だか前に、魚野川が作った氾濫原が隆起して作られた河岸段丘なのです。


 小さな滝に出会います。
滝の左右に、量は少ないけれども「アオミズナ」が見えます。 


 この自然の不思議なところは、こんな風に泥岩で形成された地層の中に、亜炭が見られること。
水が当たるあたりに黒く見える、亜炭は完全に石炭化される前の、いわば石炭の子供でしょうか。
これも白亜紀かなにかの、気の遠くなるような昔話の形跡でしょう。


 滝つぼの下手の砂の上に、「カモシカ」の足跡を見つけました。
偶蹄目独特の、二つに割れたつま先が分かります。

 静かな水たまりに目を凝らすと、「トウホクサンショウウオ」の子供が何匹も見られました。
海抜200メートル足らずの里山の沢だけれども、豊かな自然が息づいています。

 案内した友にはレジ袋二つ分も採らせ、私は自分で食べるだけの少しの量を採って沢を出た。
沢から出ると、夏の暑い日差しが歓迎してくれたのでした。

 あ、この沢はマックスが大好きなところだけれど、今のマックスには刺激が強過ぎて、
興奮のあまり、動き過ぎ体力の消耗につながりかねないと思い、連れてきませんでした。 
 
コメント (1)
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