始めに要約します。
・吾が住むところの此の世界は、一切万物理念なるところの世界である。
・そして万物のうちに神は在(いま)してい給うのである。
・吾れは神なる「全体の心」のうちに生活し、吾が存在を此の「全体の心」によって支えられている。
・全てのものは「神」のやさしさの現われである。
・吾れはそれ故に「神」の働きたまう力にしずかに信頼して安静であるのである。
・「神」は愛のゆえに吾れになくてはならぬものを与えたまうのである。
(心と運命 谷口雅春)
【吾が住むところの此の世界は、一切万物ことごくが形象化した理念なるところの世界である。そして万物のうちに神は在(いま)してい給うのである。吾れは神なる「全体の心」のうちに生活し、吾が存在を此の「全体の心」によって支えられ、したがって神の性質と生活とをわかち有つのである。吾れは神を理解し、神は吾れを理解する。吾れは神を理解し、神は吾れを理解する。吾れは神より与えられる賜物を受け、進んでわが心情(こころ)が要求するところの凡てを神に求めることが出来るのである。吾れは神の「性質」の偉大さと、神の「自我」の真実さとを感ずるのである。】
【吾れは吾が見る事物の美しき色どりに表わされた「神」の本性の美しさの前に跪く・・・山々にあらわれた「神」の荘厳さ! 小川の囁きと、小鳥の囀りとにあらわれた神の霊魂(たましい)の微妙なる調和よ! すべて番(つがい)あるもの、及び母なるものの愛にあらわれた「神」のやさしさよ! すべてこれ等のものは「神」の観念なのである。それ故に吾等は相互(たがい)に他者の観念を理解することが出来るのである。吾れはそれ故に「神」の働きたまう力にしずかに信頼して安静であるのである。「神」は愛のゆえに吾れになくてはならぬものを与えたまい、艱難(なやみ)を不安なく乗り超え得しめ給うのである。】