今日(11月18日)は、「もりとふるさとの日」
国土保全奨励制度全国研究協議会が制定。1994(平成6)年の同協議会の設立日だそうだ。
「国土保全奨励制度全国研究協議会 」HPを見ると、我が国の食料の安定供給、国土・自然環境の保全、景観の維持など、多くの公益的機能を有し、国民の経済・生活に大きな役割を果たしてきた、農山村地域を取り巻く環境は、農林業の不振、過疎化・高齢化の進行などにより一段と厳しくなっており、この農山村地域の人々の役割を積極的に評価して、担い手を確保し、森林・農地を適正に管理していこうというものだそうだ。
二日前に山の絵見しが
今朝になりて
にはかに恋しふるさとの山
山の子の
山を思ふがごとくにも
かなしき時は君を思へり
ふるさとの山に向ひて
言ふことなし
ふるさとの山はありがたきかな
石川啄木「一握の砂」より
故郷は遠きにありて思うもの・・・とは、昔の人はよく言ったものであるが、この啄木の歌も、彼が、東京朝日新聞に勤めていた時代に詠んだもので、 従来、一行で発表した短歌を三行書きに改め、新作を加えて、551首とし、「一握の砂」として1910(明治43)年に刊行された。その郷愁を誘う詩は、多くの人に親しまれている。
ふるさとの山は岩手富士、南部富士とも呼ばれる岩手山であろう。故郷にいたときは標高2041メートルのこの山を見上げて話しかけていたのかもしれない。ひたすらに山を思って、山によって自分をいやしている。同じ、岩手県の出身で、詩人で童話作家の宮沢賢治の作品にも登場する、大きく美しい山も岩手山であるが、賢治が故郷にとどまり理想を求めたのに対して、啄木は「ふるさと」をあとにしている。啄木の山を恋うる歌、望郷の歌からは、わずか26歳で夭折した彼の内面深くを見るおもいがする。望郷の思いは、地方から都会へ出てくる多くの青年の心にあるものだが、啄木にはそれがことさら強かったようである。そして、故郷への思いは幼い頃に親しんだ山や森に結びつくことが多いようだ。
日本の森林の面積は約2,500万ヘクタールで、これは国土の面積の67%にも当たる。経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかで国民1人当たりの国内総生産が1万ドル以上の国は21カ国あるが、森林の割合が60%を超えるのは、日本のほかにはスウェーデンとフィンランドだけだそうだ。だから、工業先進国でありながら、日本の森林資源は世界に誇れる素晴らしいものなのだという。この日本の森林の内、国有林と公有林が合わせて2/5。残りの3/5に当たる1,457万ヘクタールが民有林。また、天然林は日本の森林の3/5。残りの約1,000万ヘクタールは人工林が占めており、因みに1,000万ヘクタール以上の人工林を持つ国は世界で4ヵ国だけだそうだ。森林は石油のような化石燃料などと違い、再生産が可能な資源。天然資源に乏しいわが国にとっては貴重な財産なのである。又、この森林は単なる木材の供給の場や遊びの場だけでなく、土砂崩壊や水害の防止機能といった役割がある。最近は、地球温暖化などの環境問題などもありこの山や森林の重要性が見直されている。
この森を形成する重要な役割をしているものの一つがブナ林である。ブナは、ヨーロッパでは“繁栄の象徴”とされ、「クィーン・オブ・ザ・フォレスト(森の女王様)」と尊ばれ、肥沃な土壌をつくることから「土壌の母」、女性的で優美な樹相から「森の母」、ブナが下木の成長を助けることから「森の医者」などと呼ばれることもあるという。またブナは、様々な樹種が山々に育った後、最後に育つ木であり、生態系で見れば「完成された森」でもあるという。しかし、ブナは漢字で「木」偏に「無」と書き、生育が遅く腐り易く割れ易いことから、日本では、過去、この大切なブナが、国の森林政策・環境政策の誤りから、使い道の無い木として扱われブナを伐採して代わりに杉を植林することが奨励されてきた。 そして、多くのブナの原生林が根こそぎ切られ、山が破壊されてきた。今では、ブナノ代わりに植林された杉の木も用途が減り、手入れもされず放置されたままの状態であり、春にだけは、杉の木花粉で世間の注目を集めている。
日本では、未来へ伝えるべき人類共通の貴重な「世界自然遺産」として、ユネスコに白神山地と屋久島が登録されている。これまで人手が加えられたことのない白神山地のブナの原生林、一方の屋久島は樹齢1000年を超える長命な屋久杉で知られているが、両方に共通するキーワードは「ブナの森」だといわれている。
広葉樹のブナ林は特に保水力が高く他の木の成長を助けているのである。ブナ林に入ると、そのみずみずしい木々の生命力が肌で感じられるという。そして、ブナの原生林は全ての源である水を貯えた「水瓶」の役割を果たし川の流域に住む住民の生活を支えてきたのであった。
ブナは、使い道のない木であるどころかもっとも大切な木だったのである。形が悪いブナの木は材には不適当と、粗末に扱われたが、見てくれだけで判断は困るよ・・・。人間もそうだけれども、かわいいばかりの外見だけじゃなく、その中身(実質)をもっとしっかり見極めて対応ておかないと、後で、後悔するようになるよ・・・。
兎に角、こうしたブナ林の重要性を認識し大事に育ててゆかないとね。そして、人間の心の故郷でもある森を大切にしたいものだ。
今、日本でナンバーワンのチェーンストアーとなったイオンでは、随分前より、店舗を中心としたさまざまな活動を展開し、地域社会に根づいた環境保全や社会貢献に積極的に取り組んでいるが、日本や海外のショッピングセンターの敷地内に、お客さまや地域の皆さんと共に「イオン ふるさとの森づくり」の植樹をしている。要するにあちこちに森を作ろうというのである。今では、509ヶ所572万本(2005年9月30日現在)もの植樹をしたという。「イオンふるさとの森づくり」植樹祭の実施にあたっては、マウンドのつくり方から苗木の植え方にいたるまで、植生学の世界的権威で、「ほんものの緑による環境創造」を提唱している横浜国立大学名誉教授・宮脇 昭 先生の指導を受け、植樹する樹種についても同先生に選定してもらっているのである。やはり、成長する企業は、金儲けだけではなく、将来を展望した環境問題へもしっかりと取り組んでいるところは、立派だね~。
(画像は童謡「故郷」童謡・唱歌の世界より借用。歌詞はここ)
参考:
国土保全奨励制度全国研究協議会
http://www.kokudohozen.jp/
歌集:啄木『一握の砂』
http://www.geocities.jp/jinysd02/itiaku.html
日本の森/NW 森林(もり)いきいき
http://www.nw-mori.or.jp/izanai/toc.html
ブナの森の不思議
http://members.jcom.home.ne.jp/bunanomori1/
MIDI/童謡・故郷(ふるさと) 高野辰之作詞・岡野貞一作曲/文部省唱歌(六年)歌詞つき、
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/furusato.html
イオン「 ふるさとの森づくり」
http://www.aeon.info/environment/furusato/index.html
国土保全奨励制度全国研究協議会が制定。1994(平成6)年の同協議会の設立日だそうだ。
「国土保全奨励制度全国研究協議会 」HPを見ると、我が国の食料の安定供給、国土・自然環境の保全、景観の維持など、多くの公益的機能を有し、国民の経済・生活に大きな役割を果たしてきた、農山村地域を取り巻く環境は、農林業の不振、過疎化・高齢化の進行などにより一段と厳しくなっており、この農山村地域の人々の役割を積極的に評価して、担い手を確保し、森林・農地を適正に管理していこうというものだそうだ。
二日前に山の絵見しが
今朝になりて
にはかに恋しふるさとの山
山の子の
山を思ふがごとくにも
かなしき時は君を思へり
ふるさとの山に向ひて
言ふことなし
ふるさとの山はありがたきかな
石川啄木「一握の砂」より
故郷は遠きにありて思うもの・・・とは、昔の人はよく言ったものであるが、この啄木の歌も、彼が、東京朝日新聞に勤めていた時代に詠んだもので、 従来、一行で発表した短歌を三行書きに改め、新作を加えて、551首とし、「一握の砂」として1910(明治43)年に刊行された。その郷愁を誘う詩は、多くの人に親しまれている。
ふるさとの山は岩手富士、南部富士とも呼ばれる岩手山であろう。故郷にいたときは標高2041メートルのこの山を見上げて話しかけていたのかもしれない。ひたすらに山を思って、山によって自分をいやしている。同じ、岩手県の出身で、詩人で童話作家の宮沢賢治の作品にも登場する、大きく美しい山も岩手山であるが、賢治が故郷にとどまり理想を求めたのに対して、啄木は「ふるさと」をあとにしている。啄木の山を恋うる歌、望郷の歌からは、わずか26歳で夭折した彼の内面深くを見るおもいがする。望郷の思いは、地方から都会へ出てくる多くの青年の心にあるものだが、啄木にはそれがことさら強かったようである。そして、故郷への思いは幼い頃に親しんだ山や森に結びつくことが多いようだ。
日本の森林の面積は約2,500万ヘクタールで、これは国土の面積の67%にも当たる。経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかで国民1人当たりの国内総生産が1万ドル以上の国は21カ国あるが、森林の割合が60%を超えるのは、日本のほかにはスウェーデンとフィンランドだけだそうだ。だから、工業先進国でありながら、日本の森林資源は世界に誇れる素晴らしいものなのだという。この日本の森林の内、国有林と公有林が合わせて2/5。残りの3/5に当たる1,457万ヘクタールが民有林。また、天然林は日本の森林の3/5。残りの約1,000万ヘクタールは人工林が占めており、因みに1,000万ヘクタール以上の人工林を持つ国は世界で4ヵ国だけだそうだ。森林は石油のような化石燃料などと違い、再生産が可能な資源。天然資源に乏しいわが国にとっては貴重な財産なのである。又、この森林は単なる木材の供給の場や遊びの場だけでなく、土砂崩壊や水害の防止機能といった役割がある。最近は、地球温暖化などの環境問題などもありこの山や森林の重要性が見直されている。
この森を形成する重要な役割をしているものの一つがブナ林である。ブナは、ヨーロッパでは“繁栄の象徴”とされ、「クィーン・オブ・ザ・フォレスト(森の女王様)」と尊ばれ、肥沃な土壌をつくることから「土壌の母」、女性的で優美な樹相から「森の母」、ブナが下木の成長を助けることから「森の医者」などと呼ばれることもあるという。またブナは、様々な樹種が山々に育った後、最後に育つ木であり、生態系で見れば「完成された森」でもあるという。しかし、ブナは漢字で「木」偏に「無」と書き、生育が遅く腐り易く割れ易いことから、日本では、過去、この大切なブナが、国の森林政策・環境政策の誤りから、使い道の無い木として扱われブナを伐採して代わりに杉を植林することが奨励されてきた。 そして、多くのブナの原生林が根こそぎ切られ、山が破壊されてきた。今では、ブナノ代わりに植林された杉の木も用途が減り、手入れもされず放置されたままの状態であり、春にだけは、杉の木花粉で世間の注目を集めている。
日本では、未来へ伝えるべき人類共通の貴重な「世界自然遺産」として、ユネスコに白神山地と屋久島が登録されている。これまで人手が加えられたことのない白神山地のブナの原生林、一方の屋久島は樹齢1000年を超える長命な屋久杉で知られているが、両方に共通するキーワードは「ブナの森」だといわれている。
広葉樹のブナ林は特に保水力が高く他の木の成長を助けているのである。ブナ林に入ると、そのみずみずしい木々の生命力が肌で感じられるという。そして、ブナの原生林は全ての源である水を貯えた「水瓶」の役割を果たし川の流域に住む住民の生活を支えてきたのであった。
ブナは、使い道のない木であるどころかもっとも大切な木だったのである。形が悪いブナの木は材には不適当と、粗末に扱われたが、見てくれだけで判断は困るよ・・・。人間もそうだけれども、かわいいばかりの外見だけじゃなく、その中身(実質)をもっとしっかり見極めて対応ておかないと、後で、後悔するようになるよ・・・。
兎に角、こうしたブナ林の重要性を認識し大事に育ててゆかないとね。そして、人間の心の故郷でもある森を大切にしたいものだ。
今、日本でナンバーワンのチェーンストアーとなったイオンでは、随分前より、店舗を中心としたさまざまな活動を展開し、地域社会に根づいた環境保全や社会貢献に積極的に取り組んでいるが、日本や海外のショッピングセンターの敷地内に、お客さまや地域の皆さんと共に「イオン ふるさとの森づくり」の植樹をしている。要するにあちこちに森を作ろうというのである。今では、509ヶ所572万本(2005年9月30日現在)もの植樹をしたという。「イオンふるさとの森づくり」植樹祭の実施にあたっては、マウンドのつくり方から苗木の植え方にいたるまで、植生学の世界的権威で、「ほんものの緑による環境創造」を提唱している横浜国立大学名誉教授・宮脇 昭 先生の指導を受け、植樹する樹種についても同先生に選定してもらっているのである。やはり、成長する企業は、金儲けだけではなく、将来を展望した環境問題へもしっかりと取り組んでいるところは、立派だね~。
(画像は童謡「故郷」童謡・唱歌の世界より借用。歌詞はここ)
参考:
国土保全奨励制度全国研究協議会
http://www.kokudohozen.jp/
歌集:啄木『一握の砂』
http://www.geocities.jp/jinysd02/itiaku.html
日本の森/NW 森林(もり)いきいき
http://www.nw-mori.or.jp/izanai/toc.html
ブナの森の不思議
http://members.jcom.home.ne.jp/bunanomori1/
MIDI/童謡・故郷(ふるさと) 高野辰之作詞・岡野貞一作曲/文部省唱歌(六年)歌詞つき、
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/furusato.html
イオン「 ふるさとの森づくり」
http://www.aeon.info/environment/furusato/index.html
都会に居を構える人、永い単身赴任での方、様々ですが、個人的には幼い時からアチコチ生活して来ました、
何方も心に残るふるさとが有るでしょう、私は思春期に過ごした土地が強烈なインパクトが有ります。
一生をそこで過ごした方々は故郷を持つことが出来ないかも知れません、が、数日間でも住む土地から離れたとき、郷愁に駆られることがあると思います、住む街の風景や灯りが見えたときの安堵感、帰って来たとき落ち着く!この気持ちがすなわち故郷を感じさせるかも…
私の数ある故郷の中で一番が北海道の小さな漁港街です、青春でした、四十五年経った今もごみ粒までが脳裏に浮かびます、若し訪れる機会があればココ数年でしょう、行ってみたい、行きたい、行くぞ~、って心が変化してきています、そこで何を感じ取れるかすごく楽しみなのです。
話が飛びますが、ブナ!白神山地はご存知と思いますが、自然遺産になってからの荒れ方がひどくて関係者が頭を悩ませているそうです、見学者が増加して樹木の根元が踏み固められ、生育に異状をきたしているとか…いずこもマナーの問題なのですが、
来年ですか、本県で植樹祭開催が決定いたしました、北部の森吉町と言うところですが素敵なばしょです、まだ沢山の自然が周辺に残っています、兎角自然破壊が進み地球規模での自然保護が唱えられていますが、住む人間個々が自覚、責任で身の回りの緑を守っていって欲しいものです。
多くの参加者が集われること期待します…
なんだか取り留めの無い事になって、済みません、おみ足お大事に。
故郷は遠きにありて思うもの・・・
都会で過ごすには楽しいが、センチになったとき、帰れる故郷があるというのはすばらしいことだと、私は思っています。