今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

コーヒーの日

2013-10-01 | 記念日
日本記念日協会(※1)の10月1日・今日の記念日に登録されているものに「コーヒーの日」がある。
全日本コーヒー協会(※2)が1983(昭和58)年に設けた日である。国際協定によって、コーヒーの新年度が始まるのが10月で、この日がコーヒーの年度始めとなることから。さらに、これからの秋冬期に、温かいコーヒーがよく飲まれるようになるため・・・だそうである。

コーヒーは、コーヒー豆アカネ科コーヒーノキの種子)を焙煎し挽いた粉末から、湯または水で成分を抽出した飲料であり、世界で最も多くの国で飲用されている嗜好飲料である。家庭や飲食店、職場などで飲用され、また、コーヒーの専門ショップも多数存在する。「コーヒー」はアラビア語でコーヒーを意味するカフワ (アラビア語: قهوة‎ ; qahwa) が転訛したものだそうである。日本語では「珈琲」と当て字されている。

コーヒーノキの原産地はアフリカ大陸中部で、エチオピアなどが原産の常緑樹で、熱帯亜熱帯地方で栽培される。
果実にはカフェインを多く含み、その果実には赤い実のなる種子が通常2個入っている。
コーヒーがいつ頃から人間に利用されていたかは、はっきりしていないが、果実の赤い果肉は甘く食べられるため、種子の効用を知る機会も多かったと考えれば古くから薬効を利用されていたと考えられている。また、果肉や葉にも若干含まれていて、これらも利用される事がある。今回はコーヒーの歴史を語るつもりはないので歴史についての詳細はコーヒー#「コーヒーの歴史」を参照されるとよい。
コーヒーノキの主な種類は、アラビカ種と、ロブスタ種(他にりべりカ種と合わせ「コーヒー3原種」と呼ばれる)で、アラビカ種は世界に流通しているコーヒーの中でも最もよく飲まれている品種であり、薫り高く品質が優れている。その品質は栽培条件や収穫時期そして乾燥や脱穀などの精製処理の仕方に左右される。
本種に次いで流通量第2位のロブスタ種はインスタントコーヒーあるいは廉価なレギュラーコーヒーの増量用として用いられている。この2種で世界全体のコーヒー流通量のおよそ99パーセントを占めると言われる。

今日、コーヒーの生産形態は世界諸地域によって異なる。中南米では、ブラジルなど大規模農園中心の生産形態もあれば、小規模農家が多数存在する国々もある。
アジアおよびアフリカではほとんどが小規模農家の家族労働である。インドネシアでは、植民地時代のプランテーション民族主義の台頭で没収され、その代わりに強制栽培制度(特産品を栽培させ無償で取り立てる制度)の名残りで多数の小規模農家が生産を担っている(オランダ領東インドも参照)。また、1990年代以降に新規参入したベトナムは、政府の補助金政策でコーヒー生産を奨励しており、大規模生産によって生産量が急激に拡大している。
20世紀になって、第二次世界大戦後、コーヒー生産国(コーヒー豆の生産参照)の多くは独立したが、植民地時代のモノカルチュア体質は残存し、依然としてコーヒーがその国の重要な輸出品目となっている国が多い。
現在国際市場でのコーヒー(豆)生産国は60ヶ国ほどで、国際コーヒー機関(ICO)による集計では、2009年の生産量はブラジルが約3分の1を占め、現在の生産国2位はベトナム(約15%)、3位インドネシア(約9,6%)、そして4位にコロンビア(約7b%)、5位がエチオピア(約4%)となっているようだ(※3参照)。

コーヒーは1次産業で石油に次いで多くの金額が国際的に取引されているコモディティ(Commodity)商品(※4 参照)であるが、世界のコーヒー豆の生産量全体のおよそ3割を占めるブラジルの収穫高や品質は、世界のコーヒー市場の動向に大きな影響を及ぼすこととなる。
そんなコーヒーの生豆(きまめ。まだ焙煎されていない生のコーヒー豆)は収穫された年度によって分類されるが、毎年9月にほぼすべての収穫を終え、生豆の収穫年度は毎年10月1日を初日として計算されるという(コーヒー豆#生豆)。
この様な事情から「コーヒー年度」はブラジルのコーヒー栽培のサイクルに合わされているようだ。
その年度つまり、10月1日以降に収穫された新しいコーヒー豆は「ニュークロップ」と呼ばれている。 クロップ(crop)とは「作物・収穫物」という意味で、「ニュークロップ」はお米でいえば「新米」に相当するもの。 米には「米穀年度」というものがあるように、コーヒーにも「コーヒー年度」があるということらしい。

コーヒー豆をほぼ輸入に頼っている日本だが、どの国から輸入しているかについて、2011年度の財務省調べでは、1位がブラジル、2位がコロンビア、3位がインドネシアとなっており、この上位3国が全体輸入量の6割以上を占めているという(※5:「AGF/知る・楽しむ」コーヒー大事典>の“世界と日本のコーヒー豆事情”参照)。
ラテンアメリカ最大の経済大国であるブラジルは、コーヒーの難しい生育環境条件を全てクリアするまさに選ばれた地であり、収穫される上質なコーヒーは、世界中で愛されている。
しかし、世界のコーヒー生豆貿易の60 % ~80%を占めるというアラビカ種の場合、商品として出荷できるほど十分に結実するのは種子から栽培してようやく4~5年経ってからのことである。つまり短時間に利益を上げることのできない作物である。しかも収穫の方法や果実から生豆を取り出す精製の方法、或いは焙煎の技術のいかんによってもその品質や商品価格が大きく異なってくる手のかかる作物なのである。
また、コーヒーは米や麦と言ったカロリーやビタミンを我々の体に補ってくれる基本食品ではなく、酒やたばこ等と同様の嗜好食品であり国際経済の動向や消費国の経済状況に大きく左右されやすい商品である。
これら商品の価格決定で重要なのはニューヨーク・ロンドンでの相場である。コーヒー輸出国の不安定を改善しようと輸出割当方式により供給量を管理する協定(ICA=国際コーヒー協定※6参照)や機構(ICO=国際コーヒー機構.。※6参照)が設立されてきたが、膨大な数の小規模農家を抱え、貯蔵も3年が限度で、石油のような生産調整は極めて困難であり、国際コーヒー協定の輸出割当制度が停止(その後削除)されて事実上破綻した1989年以降、現在では市場の調整は機能していないようだ。
そのような関係で、輸出価格が大幅に下落したにもかかわらず、消費者価格はさほど変わっていないのが現状だそうである。
現在コーヒー豆の流通は、世界の大手4社(クラフト(世界第二位の食品・飲食会社。日本では、味の素との合弁会社「AGF(味の素ゼネラルフーヅ)」が有名)、ネスレ(スイスのヴェヴェイに本社を置く、世界最大の食品・飲料会社)、P&G(米国の大手日用品メーカー)、サラ・リー(シューケア製品ブランド KIWI[キィウイ]が有名。ただ、KIWI は2011年に権利をSCジョンソンに売却されたと聞く)による寡占状態でる。
かつて世界の一次産品貿易品目のうち、貿易高で石油に次ぐ取引規模を誇るその莫大なコーヒー市場は大手企業が支配しており、コーヒー農家に支払われる対価は低い状況が続いており、多くの農家が困窮し、農園を手放さなくてはならないという現実があることを、2008年に話題となったドキュメンタリー映画「Black Gold(邦題:おいしいコーヒーの真実)」では訴えている。
しかし、この映画の原題“BlackGold”がどうして『おいしいコーヒーの真実』という邦題になているのだろうか?
映画『おいしいコーヒーの真実』公式サイト(※7参照)の予告編動画(2013年10月1現在のもの)では、トップページには、スターバックスを連想させる緑色を背景にして「トールサイズコーヒー一杯330円」のカップが現れ、そのカップの中身が下から「コーヒー農家が手にする金額 ¥3~9円」 と映し出され、企業が利益を出したいため原材料費を抑えており、そのため農業者が低賃金であえいでいる旨を訴えている。
同ホームページ右にもスターバックスを連想させるコーヒーと共に「あなたの支払ったコーヒー代はどこに行く?」とあり、Goをクリックし進んでゆくと。
“コーヒー1杯の価格構成に関する注意”・・・とあり、そこには、
『おいしいコーヒーの真実』公式サイトで使用しているデータは、イギリス版のWEBSITE(http://www.blackgoldmovie.com/)からの転載で、イギリス国内のコーヒーチェーン店を対象に調査されたものです。しかしコーヒーの価格変動は激しく、また生産国、品質・銘柄、消費国、喫茶店やコーヒーの種類によって、価格は大きく異なりますと断ったうえで、
1998~99年、喫茶店(東京)のコーヒー1杯の平均価格が419円(総務庁統計局の調査)の時に、タンザニア産(「キリマンジャロ」)コーヒーの生産者価格から焙煎豆価格を調査したデータがあります(辻村英之『コーヒーと南北問題』日本経済評論社、2004年)。その価格構成(概算)を以下に掲載いたします。・・として、
タンザニアのコーヒー農家 0.4%(1.7円)
タンザニアの流通業者・輸出業者 0.5%(2.1円)
日本の輸入業者・焙煎業者・小売業者 8.2%(34.4円)
日本の喫茶店 90.9%(381円)
なおコーヒー危機の2002~03年、タンザニアのコーヒー農家の取り分はさらに降下し、なんと喫茶店コーヒー価格の0.1%になりました(辻村英之「コーヒーのグローバル・フードシステムと価格変動」『季刊at』11号、太田出版、2008年)。・・と記載されている。
これを見る限り、映画『おいしいコーヒーの真実』(原題“BlackGold”)予告編の「カップの中身の数字」は決して大げさなものではない。
予告編を閲覧していくと、
「コーヒー業は地域に密着し 人とつながるしごとなの」「それがスターバック精神よ」・・・そして、「スターバックへコーヒーを供給しているシダモ地域(※エチオピア、シダモ地方と思われる。モカコーヒーで知られている)」のタイトルで同地域の貧しい状況が映し出され、次にスターバックの女店員らしい女性が「ありがとう」と言って手を振る・・・。
このようにフェアトレードコーヒー(※8参照)を扱っている業者や店舗を紹介し、生産国と消費国との間にあるアンフェアな商取引の告発をしているが、同時に、森林保護や環境問題、自然食品、エコな消費スタイルへの取り組みを強調されているような印象も受ける。

途上国のコーヒー生産者の多くが小規模農民である。コーヒー農家に支払われる価格は1990年代後半より恐ろしいほど低下し、2001年の末には30年来の安値となり、「コーヒー危機」が世界の小規模コーヒー農家を襲った(※9参照)。今年2013年も国際指標のニューヨーク市場の取引価格は3年8カ月ぶりの安値をつけ、コーヒー豆の国際価格が下落し続けている。・・・との報道が、たしか、日本経済新聞で5月頃にあったのを思い出す。
理由は、最大生産国のブラジルでは生育に適した天候が続き、今年も豊作の見通しが強いが、一方、大消費地の欧州では需要が伸び悩んでいることによるとのことのようであった。
このようにコーヒーの相場が暴落することで更なる貧困を強いられた農家は、開拓した農地を売却して牧場や宅地へと転用したり、生活に困って周辺の森林を違法伐採するなど、アンサステイナブル(Un Sustainable。非持続的可能)な行動をし、周辺森林が次々と壊され、「ホットスポット」(世界にある熱帯雨林の約30%を占めるアマゾンなど)の原生生態系が大きく破壊されているとも言われている。

今の日本はデフレ経済であり、需要と供給のバランスが崩れている。つまり、物が溢れているのに、市場に出回るお金が足りないから物の値段が、どんどん下がっているのである。
そのため、アベノミクスでは、デフレから脱却しようと、「金融緩和」では、インフレターゲット(物価上昇率の目標)を2%に設定し、お金をどんどん市場に出し、円安にしてインフレにもっていこうとしている。
そんな時、企業としてもやらなければならないことは、「コモディティ化からの脱却」だ・・・という説もある。
コモディティという単語を分解すると、「com(共通)mod(尺度)ity(状態)」となり、単一の尺度で測れる状態になったものと解釈できる。つまり製品やサービスが他と同じ品質やサービスになると共通の尺度で測れる状態になるので、後は価格で評価をするしかなくなってしまうということ。
一杯のコーヒーの値段分のコーヒー豆を販売価格にするといくらになるか?また、又その豆を挽いてコーヒーを飲み物として提供するといくらになるか?
ホットコーヒーの場合、1人分はおよそ150ccが妥当な容量だそうであるが、そのため、180cc前後の容量のコーヒーカップが普通サイズになる。したがってコーヒー一杯がいくらになるかは容量によって異なるが、例えば、今のドトールコーヒーとか、ファーストフードになると150円~200円くらいというところか。
しかし、それが、スターバックスのように、コーヒー体験として売ると1杯が300円~500円位にもなる。つまり、スターバックスに代表されるスペシャリティコーヒー(※9参照)はコーヒーを煎れるサービスにコーヒー体験を付加することで価格帯を引き上げてコモディティ化を脱しているのである。
普通喫茶店などの飲食店では、客席の回転率を重視して商売するのに反して、スターバックスは長く滞在することでホッと癒される、仲間が集まってさらに売上が上がる、という発想をもって商売をしている。スターバックスのように顧客は価値を認めれば客はそれだけの対価を払ってくれる(※11参照)。
企業が存続するために必要な利益の定義に 「WTP-C=P」.という公式がある(※12参照)。
WTPとは“、Willingness To Pay”の略で、製品やサービスに対して、お客さんがつけてくれる価値のことである。
Cは、Cost(コスト)であり、PはProfit(プロフィット)、利益のことである。
つまり、利益を上げるには、お客さんの支払意欲を上げるか、コストを下げるかであるが、コストを下げるとコモディティ化が進み、デフレに落ちていく。ならばWTPを上げるという方向に発想を転換したほうが良いのではないか・・・というのがその論理である。
さて、スペシャルティコーヒーとはどんなコーヒーか?について、日本スペシャルティコーヒー協会(※10)は、以下のように定義している。
スペシャルティコーヒーは、消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。そして、それが、生産国から消費国にいたるコーヒー産業全体の永続的発展に寄与するものとし、スペシャルティコーヒーの要件として、サステナビリティ(持続可能性)とトレイサビリティ(物品の流通経路などの追跡可能性)の観念が重要なものと考える。・・としている。
映画『おいしいコーヒーの真実』の中で、フェアトレードコーヒーを扱っている業者として扱われているスターバックスであるが、フェアトレードコーヒーは、最低販売価格が保障された小農家からなる農協を通じて供給されているコーヒーのことで、スターバックスは、2000年にアメリカ国内でフェアトレードのコーヒー豆の店頭販売を開始している(日本では2002年10月から販売)。
スターバックスが、フェアトレードコーヒーを実施したきっかけは、同社にフェアトレードのコーヒーを扱うようキャンペーンを張っているアメリカの消費者団体「オーガニック・コンシューマーズ・アソシエーション」の声に応えてのことらしい。ただ、同団体では、スターバックスのこうした取り組みを評価しつつも、「店内で出すコーヒーにもフェア・トレードのコーヒー豆を使って」と働きかけているそうだ(※9参照)。
つまり、高付加価値を付けて店内で出すコーヒーはフェアトレードコーヒーでは同店の求めるコンセプトを満たせないということなのだろうか・・・。この様な話はこれまでとして次の話に移ろう。

コーヒーは世界で最も日常的な飲物であり、全世界での1日あたりの消費量は約20億杯にもなるそうだ。
世界のコーヒー消費量で1位はアメリカ(1300千t位)で2位はブラジル、3位はドイツとなり、日本は約400千tほどで4位であるが、国によって人口も違うので、国民一人当たりのコーヒー消費量を見ると、アメリカは10位にすら入らず(アメリカ11位・日本12位)、世界の一人当たりの消費量、1位の国は、カフェの多くあるフランスでも、エスプレッソ発祥の地イタリアなどではなく、なんと人口 486,000人(2008年)の小国ルクセンブルクだという(※4参照)。

私は神戸っ子なので、もともとコーヒーより紅茶派であり、家では紅茶を飲むことが多くコーヒーはたまにしか飲まなかったが、家の外では、余り紅茶の美味しいところが少ないので、ほとんどコーヒーを飲んでいた。
現役時代、会社で昼食後などは職場の仲間と、また、人と待ち合わせの際や、セールスで出歩くことも多かったので、そんな時は休息を兼ねて喫茶店でコーヒーを飲むことが多かった。少なくとも喫茶店は1日1回は利用していたし、職場内では仕事の息抜き時などに、自販機のコーヒーを最低1~2杯は飲んでいたものだ。
しかし、今の喫茶店の営業状況など昔に比べどうなっているか気になったので、厚生労働省が平成20年11月1日に実施した「生活衛生関係営業経営実態調査」(※13参照)を見ると、“当業界は他業界からの喫茶機能をもったレス トランの進出、 低価格チェーン店の攻勢や自販機の普及などによって、 事業所数の減少が続いており、また、景気の長期低迷により、 サラリーマンを中心と した支出の抑制傾向などと相まって、 業界をとりまく環境は厳しさを増している”・・・とあった。
昔と比べ現在の喫茶店の店内に活気がないと思っていたらやはり数字がそれを示していた(日本における喫茶店の歴史は(ここを参照)。
因みに、データーの中から、1人1週間当たりlコーヒー杯数(2006年10月調査)を見てみると、
○飲食場所別1人1週間当たりlコーヒー杯数では、
昭和58年(8,6杯)に比し平成18年(10,59杯)は合計が1,99杯増加(123%)となっている。
増えているポイント順位では、その他を除くと、1位職場163%(1,70杯→2,78杯、)、2位、家庭125,1%(5,1杯→6,38杯)、レストラン110%(0,1杯→0,11杯)と増加しているのに比し、喫茶店は30,0%(1,10杯→0,33杯、)とマイナス70ポイントと大変落ち込んでいる。コーヒーの楽しむ場所が多様化していることがわかる。
○年齢別1人1週間当たり杯数を見ると
男女とも、40~59歳が最も多く男性が13,30杯、女性が13,82杯。次いで、25歳~39歳の男性が12,87杯、女性が10,52杯である。
これを見てもサラリーマン層の飲む杯数が多いことがわかるが、喫茶店の利用が減って職場や家庭で飲むことが多くなったのは、“コーヒーの楽しむ場所が多様化”だけではなく、やはり、マスコミなどでよく報道されているように、景気低迷によりお小遣いの減ったサラリーマン層の節約によるものではないかと思うのだが・・・。
私などが現役時代は、大体お昼は昼食と喫茶費用に1000円ほどかけていたが、少ない人でも700円~800円をかけいたのではないか今は随分と節約していると聞いている。

飲み物としてのコーヒーは、直前にコーヒー豆から抽出して飲むレギュラーコーヒー(ここ参照)と、抽出の手間を掛けずに手軽に飲むためのものとして、レギュラーコーヒーから工業的に作られたインスタントコーヒー缶コーヒーなど)に大別できる。
コーヒーの淹(い)れ方や飲み方は地域によってさまざまであり、また個人の嗜好によっても大きく異なるだろう。飲み方としては、抽出されたコーヒーに何も加えずそのまま飲むブラック・コーヒー(単にブラックと呼ぶ)や多くの場合、これに砂糖とクリームなどの乳製品を加えて飲む方法など。
インンスタントコーヒーとは、コーヒー豆の抽出液を乾燥させて粉末状に加工したもので、湯を注ぐだけでコーヒーが完成するので、手間がかからず便利である。
また、インスタントコーヒーの簡便性がさらに高められ、缶に入っていて、すぐに飲むことのできる缶コーヒーは、屋外でも手軽に消費可能である点が特徴で、日本では喫茶店ブーム、インスタントコーヒーブームを経て本格的に商品化され、自動販売機の発達とともに飛躍的な成長を遂げた。
今では、本当にコーヒーの愛好家以外は、便利なので、インンスタントコーヒー、缶コーヒーなどを飲む機会の多い人が多いだろう。
コーヒーを即席食品化する場合、抽出液を粉末化するのがもっとも簡易であるが、その過程で、味や香りが損なわれやすい。したがって、インスタントコーヒーの歴史は、加工後も味と香りを維持しようとする努力の歴史であったと言えるようだ。
1899年にアメリカのイリノイ州シカゴに在住していた日本人科学者のカトウ・サトリ博士が、緑茶を即席化する研究途上、コーヒー抽出液を真空乾燥する技術を発明し、1901年にニューヨーク州バッファローで開催されたパンアメリカン博覧会(同博出席のマッキンリー大統領暗殺事件のあったことで知られている)で「ソリュブル・コーヒー」(可溶性コーヒー)と名づけて発表したのがはじめとされる。
しかし、1906年にジョージ・ワシントンという人物がなぜかインスタントコーヒーの特許を取得しており、ワシントンを発明者とする文献も多いようだ。本来の発明者でもないワシントンに対して特許が認められた経緯も謎である。ただ、日本人が発明したということになっているようだがその後、権利化などがされていないため、詳しい情報は分らないようだ。
ワシントンの特許以後、いくつかのメーカーがインスタント・コーヒーの製造販売を行ったが、その中でもっとも大きな成功を収めたのが、スイス・ヴェヴェイに本拠を置く食品商社のネスレであった。
1937年にほぼ現在同様のスプレードライ法によるインスタント・コーヒーを完成。この製品は翌1938年に「ネスカフェ」の商品名で市販され、インスタント・コーヒーの代名詞として知られるようになる。
日本では1950年代からインスタント・コーヒーが輸入され始めたが、1960年代以降国産化が進み、1960年に森永製菓によって日本で初めて国内生産が開始されて一般大衆にコーヒーを広く普及させる契機となった。
尚、ネスレ (Nestlé S.A.) の日本法人であるネスレ日本が我が地元神戸市にあるが、同法人は1913(大正2)年にネスレ・アングロ・スイス煉乳会社のロンドン極東輸出部が横浜に日本支店を開設したのが始まりで、その後1922(大正11)年に神戸に移転したようだ。そして、ネスレ日本は、今年・2013年で、創業100周年を迎えている。

上掲の画像はあるスーパーでの100周年記念売り出しのネスカフェ。
このネスレ日本が、8月末に1960年から半世紀続けてきた「インスタントコーヒー」の呼称をやめると発表した。9月から、コーヒーの製法を全面的に変え、素材にコーヒー豆そのものが入るためだ。今後は、「レギュラーソリュブル(溶ける)コーヒー」と呼ぶ。粉末にお湯を注ぐだけの手間のかからない(インスタント)」入れ方は変わらない。
これからは、粉砕したコーヒー豆と抽出液だけを乾燥させる従来製法とは、豆そのものが入る点が異なる。これまでより、味や香りが本格的になるという。この製法は、ネスレのスイス本部で開発され、2010年から「ネスカフェ香味焙煎」などのブランドで世界に先行して日本で売り始めた。好評だったため世界に先駆けて日本で全面的に切り替えることにしたという。
売れ筋の「エクセラ」などは、希望小売価格を据え置きながら、容量を8%ほど減らす。高岡浩三社長兼最高経営責任者(CEO)は記者会見で「従来のインスタントにはない香り、味わい。これを機に家庭だけでなく、外食産業向けの販売もしたい」と語っている。
日本の公正競争規約上では、インスタントコーヒーを「コーヒーいり豆から得られる抽出液を乾燥した水溶性の粉状、顆粒状その他の固形状のコーヒー」と定義している(※14参照)。粉状で湯を注ぐだけで完成するコーヒーであっても、粒子の中にコーヒー豆を内包する製品の場合、日本では同規約上レギュラーコーヒーに分類されてしまい「インスタントコーヒー」を名乗れないためだ。

日本のように屋外に大量の自動販売機が設置されている国は他に類をみないと言われており、これら自販機などでも販売されている缶コーヒーは、インスタントコーヒーの中でも、いつでもどこでも飲める便利な飲料として人気がある。
日本における、缶コーヒー製品などの「コーヒー」表示は、「コーヒー飲料などの表示に関する公正競争規約」(※14参照)に基づく区分により、製品内容量100グラム中の生豆使用量によって、コーヒー(5グラム以上), コーヒー飲料(2.5グラム以上5グラム未満)、コーヒー入り清涼飲料(1グラム以上2.5グラム未満)の3種類に区分されている。
喫茶点などで供されるコーヒーの場合、1杯(100〜150ml)あたりの生豆使用量は約10グラム程度とされるため、濃度規格をもっと上げるべきだという意見も挙げられていたようだが、飲用するシチュエーション(【situation】 境遇。立場。状態。)が異なる缶コーヒーとレギュラーコーヒーを同列で比較するのは無理があるという観点から、当範囲内に収めるのが妥当という結論に至っているようだ。
2000年代前半から中盤における缶コーヒーの市場規模は推定約3億5000万ケースと横ばい~微減状態で停滞気味に推移しており、要因としては消費者の嗜好変化によるチルドカップコーヒーへの移行があげられる。また、2000年代中盤頃からは、メタボリックシンドロームが話題となるなど健康志向が高まっていることや、エスプレッソなど苦みの強いコーヒーを提供するカフェが普及したことが影響し、糖分の少ないコーヒーが好まれるようになった傾向によって微糖・無糖コーヒーの需要・市場が伸びているという。
昨年のPOSBANK(※15)による、首都圏コンビニエンスストア250店以上の調査(第34週)によると、同週の8月16日(火)に新発売されたサントリーフーズの缶コーヒーBOSS「ゼロの頂点」が発売と同時に突然1位に登場し、その後も1位で推移しているという(※16)。
同データーによると、缶コーヒー等(除・ボトル缶)カテゴリーにおける売り上げ構成比は以下の通り。
1位、サントリー 「ボス ゼロの頂点」  185G 19.89 %
2位、コカ 「ジョージアエメラルドマウンテンB」 7.16 %
3位、アサヒ 「ワンダ モーニングショット 」5.66 %
4位、UCC 「ブラックコーヒー 無糖 185G」 4.83 %
理由は、テレビCMをはじめ何かと話題の多いサントリー「BOSS 超」の大型キャンペーンが影響。この様な商品は、テレビCMの影響力は、想像以上に大きいいようだ。サントリーはCMがうまいからね~。
余談だが、現役時代の私の骨董仲間がサントリーのポスターが欲しくって、サントリー本社へ訪れると、応接室へ通され、お茶を出してくれ、広報の人が丁重にわざわざ訪問してくれた礼を述べた上でそのポスターをくれたという。
同じようなことは、私が銀行の貯金箱をコレクションしているので、余り貯金はしていないが、三菱銀行の大阪のある支店へ行き貯金箱をくださいとお願いすると、係員が何も理由を聞かずに「私どもの貯金箱集めてらっしゃるのですね。ありがとうございます」と言って両手でミッキーマウスのキャラクターの貯金箱を差し出してくれた。
普通、他所の銀行なら、貯金箱を厚かましくも貰いに来たと蔑視するところだろうが、さすが天下の三菱銀行、サントリー同様に自社のものに誇りを持っているところは、”自社の貯金箱を、そしてポスターを評価してくれているからこそ、わざわざもらいに来てくれた”・・・と善意に解釈して、逆に貰いに来てくれた人に感謝し丁重に扱ってくれているのである。
会社がそのように社員にも教育しているのだろう。これが優れた会社と平凡な会社との差なのだろうと感心したものだ。
ところで、コーヒーは発見当初から眠気防止や疲労回復などの作用を持つことに注目されてきた薬用植物であり、最近ではコーヒーに含まれるカフェインには、眠気を覚まし、利尿効果がある。利尿作用については、カフェインが自律神経に作用し腎臓に流れる血流を増大させるため、と考えられている。
又、コーヒーが最近結腸がんのリスクを下げるかもしれないということで話題になったがその他いろいろと言われている。
・大腸がんを予防するかも!?・糖尿病予防になるかも? ・肥満予防、ダイエットに効くかも? ・動脈硬化予防効果があるかも? ・ストレスに効くかも? ・・・ 等々(※17)。

しかし、今年2013年8月27の朝日新聞朝刊の「天声人語」で面白いことが書かれていた、以下にそれを引用する。
”コーヒーをめぐる名句の一つに、18~19世紀のフランスの辣腕政治家タレーランの言葉がある。
「悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように清く、愛のように甘い。汝(なんじ)の名は珈琲(コーヒー)」。イメージはぴったり、修辞はきらびやかで重厚だ。
▼日本へは、江戸時代にオランダ人が持ち込んだという。いまや世界有数の消費国だが、気になる記事を読んだ。1日に4杯以上飲む55歳未満は、飲まない人に比べて死亡率が高いそうだ。米国の研究チームが発表したという。しかし、待てよ
▼6年前、コーヒーを毎日飲む人は肝臓がんにかかりにくいと厚労省の研究班が発表して、小欄も書いた。飲まない人に比べて発症率は約半分と聞いて、気を良くしたコーヒー党もいたに違いない(※18参照)。
▼さて、悪魔なのか、天使なのか。その後の記事を調べると、体にいいと言われたり、良くないとされたりコーヒーも忙しい。大まかに見ると近年は各種の研究でかなり株を上げていた
▼古くから欧州では、コーヒーが毒か薬かでもめたようだ。北欧の王様が2人の囚人にコーヒーと紅茶を飲ませ、どちらが早く死ぬか試したという話もあると聞く。2人ともピンピンしていて、どうやら王様の方が先に死んでしまったらしい
▼珈琲をはじめ、幾つかある漢字の当て字の一つを「可否」としたのは慧眼(けいがん)だった。健康に可か否か。といっても話題ととらえ、朝の一杯、午後のブレークを楽しみたいものだ。一喜一憂で馥郁(ふくいく)たる香りを逃がしては、もったいない。”・・・と。
最近は、健康ブームで、どこのテレビや新聞・雑誌も競って、何々には何が良い・・と、健康に関する報道が朝から晩まで流れている。
そして、テレビ報道のあった日の直後などでは、視聴者がスーパーなどへ押しかけて買うので、スーパーなど店頭からその商品が消えることもしばしば・・。
しかし、数年経ったら、それがいけないと言った報道もよく聞くことだ。昔からなんでも「用い方によって薬にも毒にもなる」・・という。私の大好きな酒だって摂取する量によっては毒にも薬にもなる。そのため、若いころ飲みすぎて肝臓が弱ってしまった私は、今、ほどほどの晩酌を厳守し、毎日を楽しく過ごしている。
天声人語の皮肉ではないが、こーヒーだって、同じことで、自分の体と相談しながら、自分に合った適量を楽しまれるのが一番だろう。

(冒頭の画像「コーヒー」はWikipediaより借用。
参考:
※1:日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/
※2:社団法人 全日本コーヒー協会
http://coffee.ajca.or.jp/
世界のコーヒー(生産量、消費量、在庫量、輸出量、輸入量、価格の推移)
http://nocs.myvnc.com/study/geo/coffee.htm
※4:コモディティとは何か?
http://online-cfd.jp/commodity/
※5:AGF/知る・楽しむ
http://www.agf.co.jp/enjoy/index.html
※6:コーヒー用語辞典-UCC
http://www.ucc.co.jp/enjoy/knowledge/dictionary/dictionary_g-5-6.html
※7:映画『おいしいコーヒーの真実』公式サイト
http://www.uplink.co.jp/oishiicoffee/top.php
※8:フェアトレード-ロハス(lohas)な生活 意味辞典
http://eco.kinomama.jp/lohas/yogo/907/
※ 9:コーヒー危機の原因とコーヒー収入の 安定・向上策をめぐる神話と現実(Adobe PDF)
http://mitizane.ll.chiba-u.jp/metadb/up/AA11868267/13482084_57_203.pdf#search='%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC%E5%8D%B1%E6%A9%9F'
※10:スペシャルティコーヒーの定義 - 日本スペシャルティーコーヒー協会
http://www.scaj.org/about/specialty-coffee
※11:不思議なほどスタバの値段が高く感じなくなる4つのレシピ
http://nanapi.jp/23350/
※12:wtp - 川上昌直オフィシャルウェブサイト
http://wtp-profit.com/wtp/
※13:喫茶店営業の実態と経営改善の方策(1)(PDF) - 厚生労働省(Adobe PDF)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000022xf0-att/2r98520000022xtz.pdf#search='%E5%96%AB%E8%8C%B6%E5%BA%97+%E7%B5%8C%E5%96%B6%E7%8A%B6%E6%B3%81'
※14:レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約
http://www.jfftc.org/cgi-bin/data/bunsyo/A-23.pdf
※15:PosBankとは
http://www.posbank.jp/
※16:POSBANK、売れ筋缶コーヒー。サントリー「BOSS 超」が、いきなり1位 ..
http://blog.goo.ne.jp/pbfaq/e/ed0877eb57e079fce3cf9fd32a4482d8
※17:コーヒーの効能あれこれ [食と健康] All About
http://allabout.co.jp/gm/gc/298701/
※18:はじめよう!ヘルシーライフ|肝がんの予防のために|オムロン ヘルスケア
http://www.healthcare.omron.co.jp/resource/life/81
大腸ガンとコーヒー、 両者の関連とは? | 全日本コーヒー協会
http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/health/doctor/health71
天声人語Web|朝日新聞
http://tenjin.asahi.com/
コーヒーの話(ケルンコーヒー)
http://www.cairn.co.jp/coffee.html
コーヒー - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC