今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

生命保険の日(PartⅡ)

2010-01-31 | 記念日
今日・1月31日は「生命保険の日」である。
1882年(明治15年)1月31日に、日本で最初に生命保険の保険金が支払われたことが新聞に報じられたことから、MORT日本会が、お客様のために初心を忘れないようにと、世間の注目を引いたこの1月31日を「生命保険の日」とした。
このブログを呼んでもらう前に、最初に言っておかなければいけないことがある。実は、このブログでは、その日その日の記念日や出来事をテーマーに、思いついたことを書いているが、もう5年以上も続けていると、時として、以前に書いたことを重複して又書いてしまうことがある。今日の記念日のことも前(2005年の今日)に書いたことがあるのを忘れて又書いていたのを途中で気がつき、書くのを止めようかと思ったが、同じ「生命保険の日」のことを書いていても、若干重複しているところもありはするものの、内容は以前とは大分異なることを主題にしているのでそのまま書くことにした。その意味で、今日はタイトルも「生命保険の日」(PartⅡ)としておいた。以前のものは⇒ここを参照)。
MORT日本会HPによれば、”「生命保険の日」のもとになっている最初の死亡保険者は警察関係の人で、支払った保険料が30円、遺族が受け取った保険金は1000円とのこと。当時の物価から推測すると、現在なら保険料10万円、保険金300万円程度の金額となるようだ。この保険金は、1881(明治14)年の7月9日に日本で最初に設立された有限明治生命保険会社(現明治安田生命保険相互会社)によって、1882(明治5 )年1月27に支払われている。”・・・のだそうだ。
このMDRT日本会とは、 MDRT=Million Dollar Round Tableの略で、世界86の国と地域で、約4万名(2008年6月現在)の会員を有する、卓越した生命保険と金融サービスの専門家による国際的かつ独立した組織だそうで、世界中の生命保険・金融サービスの専門職のトップクラスのメンバーで構成されているという。
保険は、多数の者が保険料を出し合い、保険事故が発生したときに生じた損害を埋め合わせるため、保険金を給付する制度である、保険の対象とされる保険事故には、交通事故・海難事故・火災・地震・死亡など様々な事象があり、その中で、死亡に関わる生命保険とは、広辞苑によれば、”被保険者の死亡または一定の年令に達するまで生存したことを条件として、一定の金額を支払う保険。死亡保険、生命保険、混合保険の別がある。混合保険というのは2種類以上の保険を混合しした保険契約。死亡保険と生存保険とを結合した養老保険の類である。”とある。又、2008年5月30日に成立した保険法では、それまでの商法には規定のなかった傷害疾病保険契約に関する規定を新設し、生命保険契約については「保険契約のうち、保険者が人の生存又は死亡に関し一定の保険給付を行うことを約するもの(傷害疾病定額保険契約に該当するものを除く。)をいう。」(2条8号)と定義している(以下参考の※:法務省:国会提出主要法案第169回国会[常会]や※:保険法部会資料 8 保険法の現代化に関する検討事項(7){PDF]参照)
人の死亡に関する生命保険の元祖と言うべきものが出来たのは17世紀頃、イギリスのセントポール寺院の牧師たちが葬式代をまかなうために、お互いにいくらかずつ出し合って積み立てていったのが、始まりだと言われているそうだ(香典前払保険・香典前払組合)。ただ、これは年齢に関係なく同じ金額を払い込んでいたため、高齢者は比較的少ない保険料で保険金を受取ることになり、若い者の不評を買い、10年ほどでなくなったようだ。この問題を解決するきっかけを作ったのが、「ハレー彗星」の軌道計算を初め、多くの科学的業績で知られるイギリスの天文学者エドモンド・ハリーの作った生命表で、彼は実際に調査して人間の寿命を統計化した。生命表は、古くは共和制ローマ帝国時代にも、戸口調査による生命表が作成されていたようだが不完全なもので、近代的な形式をとった生命表を初めて作成したのがハリーであり、1693年に彼は終身年金に関する論文を発表し、この中で、住民の死亡記録を詳細に残していることで知られていたドイツ(現ポーランド)のブレスラウの1687~1691年の5年間の記録に基づいて、死亡年齢の統計的解析を行なった。それは、年齢ごとに生存している人、死亡した人の割合をまとめた統計データであり、この統計ができたことで分ったことは「誰がいつ亡くなるかは全くわからないが、年齢ごとの亡くなる人数(死亡率)はおおむねはっきりする」ことであった。これは、(「大数の法則」)と呼ばれるものであるが、これによって各年齢ごとに保険料を払う者の人数と亡くなる(保険金を受け取る)者の人数が推定でき、この統計による死亡する確率に応じて保険料に差をつけることが考えられ、18世紀、イギリスで死亡率に基づいた保険料を集める制度ができ、これが今の生命保険のルーツとなっている。
近代的な生命保険会社の最初は1762年にイギリスで設立されたイクィタブル社(Equitable Life Assurance Society)だとされている。同社の設立」を企図した英国の数学者であるジェームズ・ドドソン(James Dodson)はエドモンド・ハリーの生命表を活用して、自ら確率に応じた適正な保険料による近代生命保険の基礎ともいえる理論を生み出した。その後の生命保険会社の運用は基本的にはこのドドソンの方式を踏襲しているという。
日本では1868年に福澤諭吉が『西洋旅案内』の附録の中で、保険制度を紹介されている。日本で最初の公式の生命表は、1902年(明治35)に矢野恒太が内閣統計局の依頼を受けて1891(明治224)~1898(明治31)年の資料によって作成した国民生命表であるが、生命保険会社は、被保険者の死亡経験を分析してつくられた経験生命表といわれるものを使用しており、日本で最初の経験生命表は、明治生命保険(明治安田生命保険の前身)、帝国生命保険(朝日生命保険の前身)、日本生命保険の3社による1911(明治44)年日本三会社表であり、ついで1931(昭和6)年商工省(現:経済産業省)日本経験生命表がある。現在は「生保標準生命表2007」(社団法人日本アクチュアリー会作成)を採用している。この「生保標準生命表2007」は、1996(平成8)年に作られた「生保標準生命表」が、11年ぶりの改定となったものである。保険会社が、予定死亡率の算出基準としている「標準生命表」が改定されたことにより、その後、各保険会社が生保保険料の改定をおこなっている。日本人の寿命が伸びたことによって死亡率が低くなったため、死亡保障の商品については、保険料が引き下げられたようだが、逆に、死亡率が低くなれば、終身年金保険(被保険者が生きている限り一生受け取れる年金)・医療保険・ガン保険などについては、支払う可能性が高まるので、それに備えて高めの保険料を設定しなければならなくなるわけであり、当然保険料は高くなるわけだ。だから、この改訂が、我々消費者にとって、実際に有利になったのか否かは入っている保険の種類・内容等によって人様々であろうから、自分の保険がどうなのかは、当然知っておかなければ損をするだろう。生命保険料改定のことについては、以下参考の※:保険法部会資料 8 保険法の現代化に関する検討事項(7){PDF]や※:生保保険料改定で保険は見直すべきか by 柳澤美由紀(5)AIGスター生命、又、※:[11年ぶりに保険料が大幅改定。今が入り時?] - ミセス All About・・・などを見られると良い。
今日の「生命保険の日」の記念日を制定したMORT日本会が、昨年(2009年)の『生命保険の日(1月31日)』を前に、全国の20代~60代の既婚男女を対象に、『生命保険』についてインターネットによる調査を2008年12月25日~26日の期間実施している(以下参考の※:MDRT日本会HPのトピックス一覧の中にアンケートの実施報告がある)。
それを見ると、生命保険に入っている人は40代を中心として、20代から40代までは上昇をしていき、50代から減少していく結果が出ており、生命保険に加入しているのは40代がピークで、60代になると、生命保険の毎月の支払い高も高く、子供も成長しているため、生命保険に入る必要性がなくなるからであろうことは理解できる。
「生命保険に誰の勧めで入りましたか?」の質問にたいしては、「配偶者」「保険会社の人」「自分で調べて」と言う意見がほぼ同数で、「自分で調べて」という場合、TVのCMを見たり、インターネットや、ダイレクトセールス型の生命保険に友人や、会社の人といった、第三者に相談することなく、保険に加入している実態が垣間見えるという。
自分が入っている生命保険の内容を知らない人は少ないが、20代男性で、知らない人の割合が高くなっている。又、最低限知っておかなければいけないと思われる自分が死亡した際に受け取る保障額をも知らないで生命保険に入っている人が割合多いようで、特に、20台の割合が高く、これを見ても、自分の意思ではなく他人から勧められるままに検証ももせず加入している人の多い実態が窺える。
それでは、「生命保険の見直しが必要だと思っているか?」の質問に対しては、全体の7割以上が必要と多いが、「生命保険加入後に見直しを行なったことがありますか?」の質問と比較してみると実際に見直しを行なっていない人が約1割いるようだ。
この時のアンケートで、「2~3年後の日本の経済に不安がありますか?」の質問も行なわれているが、3年後の日本経済に84%の人が不安をかかえているようだが、「人生設計(ライフプランニング)をしっかりと考えたことはありますか?」の質問に対して、しっかりと考えたことがある人は33,7%で、「いいえ」「どちらとも言えない」を含むと66.4%の人は人生設計をしっかりと考えていないと言える結果が出ているのには、日本の経済の先行きに不安を抱えながら自分のライフプランをしっかり立てない人が多いのはどうしてか・・・?と。私など、少々その気楽さに呆れた感じがするのだが・・・。最後の「日本で一番高額な生命保険に加入していそうな人は?」の質問に対しては、1位 麻生太郎 、2位 みのもんた。3位 イチロー、4位 孫正義、5位 北島三郎、6位叶姉妹、7位タモリ、8位に北野武、島田神助、浜崎あゆみ・・となったそうだ。実際にどうかは知らないが、私などの考え方では、高収入を得ている人は、生命保険などに頼らなくても、何かあった時の蓄えも普段からしっかりしているのが普通で、困ることはないものだ。保険を頼りにしなければ困るの人は、蓄えのない人なのだ。私が現役時代わかったことだが、生命保険ではなく損害保険の話だが、あのお金のことに細かい銀行などは、火災における損害に備えての保険や、銀行強盗などによる金銭事故などによる損失のための損害保険には入っていないようだ。兎に角、保険業者は、確率論に基づき保険料を決めているが、損害の発生する確率や保障される額と、保険料として支払う額を計算すると、確率的には必ず保険料を支払う方が損をすることになるのであり、・・・(それだから保険業者が儲かるのだが)・・損害が発生してもそれを補うだけの金のある場合は、保険など入る必要はないのである。入っておかなければ、困るのは、万一のことがあれば生活に困る我々、庶民である。お金がないからこそ、自分のライフプランニングをしっかりと立て、そのための必要な保険にも入っておかなければいけないのではないか?これからは、いつ企業が倒産するかもしれない不安定な時代になった。自分だけでなく、家族を路頭に迷わさないようしなければ・・・。保険料のことを見直すなら、一度以下参考の※:生命保険の基礎知識[All About]・・など見ておいても良いね。
(画像は、グリニッジ天文台にあるハレーの胸像。ハレーは近代的な形式をとった生命表を初めて作成した。Wikipediaより)
参考:
※:法務省:国会提出主要法案第169回国会[常会]
http://www.moj.go.jp/HOUAN/houan39.html
※:保険法部会資料 8 保険法の現代化に関する検討事項(7){PDF]
http://www.moj.go.jp/SHINGI2/HOKEN/hoken17.pdf#search='傷害疾病保険契約'
※:生保保険料改定で保険は見直すべきか by 柳澤美由紀(5)AIGスター生命
http://www.hoken-erabi.net/seihoshohin/goods/7251.htm
※:[11年ぶりに保険料が大幅改定。今が入り時?] - ミセス All About
http://mrs.allabout.co.jp/contents/mrs_g5_gs_c/insurancebeginner/CU20070202A/index/
※:生命保険の基礎知識[All About]
http://allabout.co.jp/finance/gl/1346/
MDRT日本会HP
http://www.mdrt.jp/
保険マンモス
http://www.hoken-mammoth.jp/educational_insurance/
Wikipedia検索『生命保険』
http://niwango.jp/mobile/search/wikipedia.php?wid=96129&f=9h3nj7
生命表-Yahoo!百科事典
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E7%94%9F%E5%91%BD%E8%A1%A8/
コレギウム-Yahoo!百科事典
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AE%E3%82%A6%E3%83%A0/
疫学と予防医学[生命表]
http://www.mis.med.akita-u.ac.jp/~nakamura/LifeTable/life_table_No_01.html
保険 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%9D%E9%99%BA%E5%A5%91%E7%B4%84%E8%80%85
新聞記事文庫 生命保険(6-192)「新種保険"利源配当附"日本生命で売出し」
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00832870&TYPE=HTML_FILE&POS=1
アクチュアリー - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BC