今日は5月の第4土曜日。毎月第4土曜日は「こどもの本の日」。日本児童図書出版協会、日本出版取次協会等が1998(平成10)年9月に制定。出版文化産業振興財団の「第4土曜日はこどもの本の日」実行委員会が実施している。書店の店頭で、子供の本の読み聞かせや独自に選定した推薦本の販売、読書相談等を行っている。幼児期から本に親しむ環境作りを目指し、地域の読者と交流することによって中小書店の売り上げを増やすことを目的としているそうだ(以下参考に記載の「こどもの本 on the Web 」参照)。
こどもの本の日に関しては、4月2日が、アンデルセンの誕生日であることにちなんで、国際児童図書評議会(IBBY)がこの日を「国際子ども本の日」と制定している。また、我が国で初めての国立の子どもの本の図書館となる「国際子ども図書館」(国立国会図書館の支部図書館)が2000(平成12)年5月5日(こどもの日)に東京・上野公園内に開館(施設は上野図書館に一部改修)。そして、国際子ども図書館が開館する 2000(平成12)年を「子ども読書年」とする旨の決議がされ、『子どもの読書活動の推進に関する法律』が2001(平成13)年2月に公布・施行されたことに伴い、4月23日を「子ども読書の日」と定められた。国際子ども図書館は、2002(平成14)年、全面開館し、児童書の保存・閲覧のほか、児童書関係の研究文献の提供や展示会などのサービスを行っているが、これらの日のことについては、既に、このブログで書いているので、そこで見てください(国際子ども本の日、「こども読書の日」)。
今日、又、過去に書いたと同じような内容のことを書くのは、余り気の進まないことではあったが、文部科学省 HPの中でも書かれている通り、”近年、子どもの「活字離れ」や国語力の低下、対話による問題解決能力の低下等が指摘されており、読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないもの”・・・・であることは、その通りであると思うし、そのために、このような記念日を通じて、国民の間に広く子どもたちの読書についての関心と理解が深まり、少しでも子どもたちの自主的な読書意欲が高められるならばそれは非常に結構なことであると思うし、私も思いつくままに、又、書いてみることにした。
「子供の本を買いに行って、いつも当惑する一つのことがある。それは、どの本も一つの頁へあんまりどっさりの内容をつめこもうとして、絵でも実にこせついていて、子供らしい感覚の伸びやかさが無視されていることである。うちの小さい甥は、フクチャンに絶大の親愛を傾けている。けれどもフクチャンの絵本はどうにも買ってやろうという気がしない。一頁をいくつにも区切って、新聞の絵の一コマの狭さのものがそのまま、ただびっしり詰められてあるきりで、ゆったりと心持ちよい線で描き出されたフクチャンを子供らに見せてやろうという愛の配慮やユーモアはないのである。児童のための良書ということが各方面の関心をひいている折から、私は切にこの点を一般の注意にのぼせたく思っている。子供の想像力が湧き動くだけのゆとりは、子供の本の頁になくてはならないものだと思う。隅から隅まで語りつくされているこせこせした頁を明けくれ眺めて、子供の心は受動性ばかりつよめられてゆくだろう。小学校一年生の算数の本にもこの紙面にスペースの足りない憾(うら)みは感じられるのである。良書は内容の徳性に加えて、子供の心理の抑揚の溌剌さが尊重されていなければならないと思う。」・・、日本共産党元委員長宮本顕治の元妻・宮本百合子の「“子供の本”について」(青空文庫)からの抜粋である。この本の底本の親本は、「宮本百合子全集 第九巻」河出書房(1952【昭和27】年8月発行)というから、今とは時代背景が違う。横山隆一作の漫画「フクチャン」と言う漫画は、戦時中は時節柄国防ネタが多く、戦後は一転して世相を交えながらも牧歌的な子供中心の世界が描かれており、共産主義思想の宮本が批判的になるのは分かる。私など戦中っ子は、経済的に本などなかなか買うことは出来ないし、他に読む本が無かったので、このような漫画ばかり、当時流行っていた貸し本屋さんで、不自由な小遣いの中から借りて読んできたが、それはそれなりに、夢中になって読んできた。私は共産主義思想そのものは余り好まないし、今の時代の子供の本を読んでいるわけでもなく、よくは知らないが基本的には、今の子供の本もここにかかれていることと似たようなものではないかなと想像している。
私は、現役時代、当時、家庭内暴力や校内暴力がマスコミで取りざたされた時代に、会社からアメリカの心理学をベースにした「育親セミナー」と言うものに通ったことがある。このセミナーは要するに子供が家庭や学校で暴力を揮うほど反抗的になるのは、結局親が子供の気持ちをわかっていないからであり、どうすれば、それが判るか・・・。それを参加者自身に話し合いながらさとらせる・・・。そういう指導者を養成するセミナーである。参加者は、学校や幼稚園などの教員や会社関係の人事畑の人達、それに、家庭内に暴力を揮う反抗期の子供を持つ親たちなどが多く、東京と大阪2箇所しかセミナー会場が無い為、私の参加していたグループには名古屋などの遠方から新幹線に乗って長期間のセミナーを受講に来ている人も多かった。特に説明もなく行けといわれて受講したので、何故、会社で人事担当をしている訳でもない私に、高額な費用を使ってまで受講させたのかよく分からないが、多分、当時成長期の会社で私が、会社に必要な諸規定類などを色々作成・提案していたので、それらマニュアル類の作成時等に、そのような親と子の関係同様、上司と部下の関係などもよく理解した上で内容を考えてほしいと思ったのであろう。私自身にとってもいい勉強にはなった。
学校で教師は、教師の立場で生徒に対してもっともらしいことを指導し、親は親で、自分の経験から子供に対していろいろ説教する。子供を対象にした本なども同じ様なところがあるのではないか?。
”人知れず悩みを抱えている子供たち、その「心の叫び」を見のがしている大人たちへ・・。児童書の枠を超え、いま、子どもたちが「大人に読ませたい本」(青木和雄作・吉富多美画 )・・・が、こどもの本【金の星社】から出ている。
大人の場合は、それぞれが、自分の好みや趣味で本を選び読むことができる。しかし、子供の読む本の悲劇は、親の意向が大きく影響し、これは悪い、これは良いと決め付けられるところにあるのかもしれない。
昨日の朝日新聞朝刊の“2010年「国民読書年」へ”と題した記事のなかで、作家・僧侶の瀬戸内寂聴さんも「良書の選別や干渉はしないで」と題して次のように言っている“私も自分の経験からも、子供の頃からの読書の習慣をつけることをすすめたい。良書の選別をして子供にあたえるなどしないでいい。子供が自分でその判別法を、読書から身につけてゆくと信じてよい。今は子供たちの読書離れがひどいと心配されている。子供が本ぎらいになるのは、親や先生の干渉が多いせいもあるのではなかろうか。子供の中には、悪書をうさん臭く思ったり、気持ち悪く感じたりする自然な浄化作用が具わっている。本を好きにならせるには声に出して読みあう読書会などを作るのが良い。朗読は自分の読書の喜びを同時に人と共有する楽しさがある。千年前の『源氏物語』がそうだった。すべて音読されていたものものだ。読書の楽しさを覚えると人は自然に自分も書いてみたい本能に目覚める。日記でも、手記でも、手紙でもよい。書くことで自分を発見してゆく。読書の究極の恵みは、自分を識り、他者を理解する力を与えられることだ。親は、自分の若い日に感動した本を子どもにすすめよう。子供にとっては、それは、立派な古典として心に縫い付けられるだろう”・・・と。
もともと、子供は、好奇心が旺盛であり、未知のものには何にでも興味をもつし、だからこそ、成長もするのだが、時には、親が困惑するようなものにまで興味を示し、親を慌てさすこともあるだろう。しかし、まずは、子供を信じることが大切ではないか。そして、その本をどうしても読みたいというのなら親も一緒に読んで、話し合うと良いだろう。いずれにしても、子供に、本を読め読めという前に、私など、親がどれだけ本を読んでいるのかが心配される。親も子も共に本を読んで、本の内容について話し合えたら、これ以上の親子のコミュニケーションは無いだろう。
ところで、大阪には、東京・上野に2000年開館の「国際子ども図書館(約40万点の資料を所蔵)を上回る約70万点の資料を所蔵・公開している大阪府立国際児童文学館が、大阪府吹田市の万博記念公園内にある。
同文学館は1979(昭和54)年の国際児童年を記念して事業が計画され、滋賀県と激しい誘致合戦を繰り広げた末に児童文学研究者・鳥越信から12万点に及ぶコレクションの寄贈を受け1980(昭和55)年に準備組織として財団を設立。1984(昭和59)年5月5日(こどもの日)に開館した。館の設計は大阪府建築部営繕室が行い、1998(平成10)年には建設省(当時)の公共建築百選にも選定されている。シンボルマークは安野光雅のデザインで、横笛を吹くギリシア神話の牧神・パーンを象ったものである。1986(昭和61)年から1990(平成2)年までは、司馬遼太郎が財団理事長を務めていたところであり、同種の施設としては日本最大の規模である。
しかし、2008(平成20)年、大阪府知事に就任した橋下徹氏の改革PT「財政再建プログラム」では、 財政再建策の一環として府営施設の整理・統廃合を進める方針を打ち出しており、この国際児童文学館については東大阪市の大阪府立中央図書館へ統廃合すべきであるとの見解を表明している。それに対して、地元自治体である吹田市他作家や研究者等が反対し、存続を求めている。大阪府の財政が大変な状況にある中で難しい問題だがこのような歴史的な施設は出来れば存続させて欲しいとは思うものの県外の我々がとやかく言える立場にはない。府民の皆さんで、よく考えて欲しいね。以下参照。
「福祉の吹田」をともに守りましょう 吹田市労連WEB
http://www.suitasirouren.com/shimin/machi/0809-01.html
最後に、以下参考に記載の国立国会図書館国際子ども図書館の >絵本ギャラリー では、7つに分けて展示。18世紀から1930年代に至る期間の、日本と欧米の絵本の名作が紹介されている。一度覗かれてみては。又、 大阪府立国際児童文学館HPも覗かれると良いよ。
(画像は、日本児童図書出版協会発行の月刊誌「こどもの本」)
参考:
こどもの本 on the Web --日本児童図書出版協会
http://www.kodomo.gr.jp/
文部科学省
http://www.mext.go.jp
JBBY - 社団法人 日本国際児童図書評議会 -
http://www.jbby.org/
子どもの読書活動の推進に関する法律 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E8%AA%AD%E6%9B%B8%E6%B4%BB%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8E%A8%E9%80%B2%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%BE%8B
宮本百合子-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E6%9C%AC%E7%99%BE%E5%90%88%E5%AD%90
大阪府立国際児童文学館 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%BA%9C%E7%AB%8B%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%85%90%E7%AB%A5%E6%96%87%E5%AD%A6%E9%A4%A8
作家別作品リスト:No.311宮本 百合子
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person311.html#sakuhin_list_1
フクちゃん - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%AF%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93
家庭内暴力 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%B6%E5%BA%AD%E5%86%85%E6%9A%B4%E5%8A%9B
家庭内暴力への対処法
http://www.sofu.or.jp/violence.html
瀬戸内寂聴 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%80%AC%E6%88%B8%E5%86%85%E5%AF%82%E8%81%B4
山梨大学附属図書館 子ども図書リンク集
http://www.lib.yamanashi.ac.jp/link/kodomo_link.htm
国立国会図書館国際子ども図書館
http://www.kodomo.go.jp/index.jsp
こどもの本【金の星社】
http://www.kinnohoshi.co.jp/
大阪府立国際児童文学館HP
http://www.iiclo.or.jp/htdocs_old/default.htm
こどもの本の日に関しては、4月2日が、アンデルセンの誕生日であることにちなんで、国際児童図書評議会(IBBY)がこの日を「国際子ども本の日」と制定している。また、我が国で初めての国立の子どもの本の図書館となる「国際子ども図書館」(国立国会図書館の支部図書館)が2000(平成12)年5月5日(こどもの日)に東京・上野公園内に開館(施設は上野図書館に一部改修)。そして、国際子ども図書館が開館する 2000(平成12)年を「子ども読書年」とする旨の決議がされ、『子どもの読書活動の推進に関する法律』が2001(平成13)年2月に公布・施行されたことに伴い、4月23日を「子ども読書の日」と定められた。国際子ども図書館は、2002(平成14)年、全面開館し、児童書の保存・閲覧のほか、児童書関係の研究文献の提供や展示会などのサービスを行っているが、これらの日のことについては、既に、このブログで書いているので、そこで見てください(国際子ども本の日、「こども読書の日」)。
今日、又、過去に書いたと同じような内容のことを書くのは、余り気の進まないことではあったが、文部科学省 HPの中でも書かれている通り、”近年、子どもの「活字離れ」や国語力の低下、対話による問題解決能力の低下等が指摘されており、読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないもの”・・・・であることは、その通りであると思うし、そのために、このような記念日を通じて、国民の間に広く子どもたちの読書についての関心と理解が深まり、少しでも子どもたちの自主的な読書意欲が高められるならばそれは非常に結構なことであると思うし、私も思いつくままに、又、書いてみることにした。
「子供の本を買いに行って、いつも当惑する一つのことがある。それは、どの本も一つの頁へあんまりどっさりの内容をつめこもうとして、絵でも実にこせついていて、子供らしい感覚の伸びやかさが無視されていることである。うちの小さい甥は、フクチャンに絶大の親愛を傾けている。けれどもフクチャンの絵本はどうにも買ってやろうという気がしない。一頁をいくつにも区切って、新聞の絵の一コマの狭さのものがそのまま、ただびっしり詰められてあるきりで、ゆったりと心持ちよい線で描き出されたフクチャンを子供らに見せてやろうという愛の配慮やユーモアはないのである。児童のための良書ということが各方面の関心をひいている折から、私は切にこの点を一般の注意にのぼせたく思っている。子供の想像力が湧き動くだけのゆとりは、子供の本の頁になくてはならないものだと思う。隅から隅まで語りつくされているこせこせした頁を明けくれ眺めて、子供の心は受動性ばかりつよめられてゆくだろう。小学校一年生の算数の本にもこの紙面にスペースの足りない憾(うら)みは感じられるのである。良書は内容の徳性に加えて、子供の心理の抑揚の溌剌さが尊重されていなければならないと思う。」・・、日本共産党元委員長宮本顕治の元妻・宮本百合子の「“子供の本”について」(青空文庫)からの抜粋である。この本の底本の親本は、「宮本百合子全集 第九巻」河出書房(1952【昭和27】年8月発行)というから、今とは時代背景が違う。横山隆一作の漫画「フクチャン」と言う漫画は、戦時中は時節柄国防ネタが多く、戦後は一転して世相を交えながらも牧歌的な子供中心の世界が描かれており、共産主義思想の宮本が批判的になるのは分かる。私など戦中っ子は、経済的に本などなかなか買うことは出来ないし、他に読む本が無かったので、このような漫画ばかり、当時流行っていた貸し本屋さんで、不自由な小遣いの中から借りて読んできたが、それはそれなりに、夢中になって読んできた。私は共産主義思想そのものは余り好まないし、今の時代の子供の本を読んでいるわけでもなく、よくは知らないが基本的には、今の子供の本もここにかかれていることと似たようなものではないかなと想像している。
私は、現役時代、当時、家庭内暴力や校内暴力がマスコミで取りざたされた時代に、会社からアメリカの心理学をベースにした「育親セミナー」と言うものに通ったことがある。このセミナーは要するに子供が家庭や学校で暴力を揮うほど反抗的になるのは、結局親が子供の気持ちをわかっていないからであり、どうすれば、それが判るか・・・。それを参加者自身に話し合いながらさとらせる・・・。そういう指導者を養成するセミナーである。参加者は、学校や幼稚園などの教員や会社関係の人事畑の人達、それに、家庭内に暴力を揮う反抗期の子供を持つ親たちなどが多く、東京と大阪2箇所しかセミナー会場が無い為、私の参加していたグループには名古屋などの遠方から新幹線に乗って長期間のセミナーを受講に来ている人も多かった。特に説明もなく行けといわれて受講したので、何故、会社で人事担当をしている訳でもない私に、高額な費用を使ってまで受講させたのかよく分からないが、多分、当時成長期の会社で私が、会社に必要な諸規定類などを色々作成・提案していたので、それらマニュアル類の作成時等に、そのような親と子の関係同様、上司と部下の関係などもよく理解した上で内容を考えてほしいと思ったのであろう。私自身にとってもいい勉強にはなった。
学校で教師は、教師の立場で生徒に対してもっともらしいことを指導し、親は親で、自分の経験から子供に対していろいろ説教する。子供を対象にした本なども同じ様なところがあるのではないか?。
”人知れず悩みを抱えている子供たち、その「心の叫び」を見のがしている大人たちへ・・。児童書の枠を超え、いま、子どもたちが「大人に読ませたい本」(青木和雄作・吉富多美画 )・・・が、こどもの本【金の星社】から出ている。
大人の場合は、それぞれが、自分の好みや趣味で本を選び読むことができる。しかし、子供の読む本の悲劇は、親の意向が大きく影響し、これは悪い、これは良いと決め付けられるところにあるのかもしれない。
昨日の朝日新聞朝刊の“2010年「国民読書年」へ”と題した記事のなかで、作家・僧侶の瀬戸内寂聴さんも「良書の選別や干渉はしないで」と題して次のように言っている“私も自分の経験からも、子供の頃からの読書の習慣をつけることをすすめたい。良書の選別をして子供にあたえるなどしないでいい。子供が自分でその判別法を、読書から身につけてゆくと信じてよい。今は子供たちの読書離れがひどいと心配されている。子供が本ぎらいになるのは、親や先生の干渉が多いせいもあるのではなかろうか。子供の中には、悪書をうさん臭く思ったり、気持ち悪く感じたりする自然な浄化作用が具わっている。本を好きにならせるには声に出して読みあう読書会などを作るのが良い。朗読は自分の読書の喜びを同時に人と共有する楽しさがある。千年前の『源氏物語』がそうだった。すべて音読されていたものものだ。読書の楽しさを覚えると人は自然に自分も書いてみたい本能に目覚める。日記でも、手記でも、手紙でもよい。書くことで自分を発見してゆく。読書の究極の恵みは、自分を識り、他者を理解する力を与えられることだ。親は、自分の若い日に感動した本を子どもにすすめよう。子供にとっては、それは、立派な古典として心に縫い付けられるだろう”・・・と。
もともと、子供は、好奇心が旺盛であり、未知のものには何にでも興味をもつし、だからこそ、成長もするのだが、時には、親が困惑するようなものにまで興味を示し、親を慌てさすこともあるだろう。しかし、まずは、子供を信じることが大切ではないか。そして、その本をどうしても読みたいというのなら親も一緒に読んで、話し合うと良いだろう。いずれにしても、子供に、本を読め読めという前に、私など、親がどれだけ本を読んでいるのかが心配される。親も子も共に本を読んで、本の内容について話し合えたら、これ以上の親子のコミュニケーションは無いだろう。
ところで、大阪には、東京・上野に2000年開館の「国際子ども図書館(約40万点の資料を所蔵)を上回る約70万点の資料を所蔵・公開している大阪府立国際児童文学館が、大阪府吹田市の万博記念公園内にある。
同文学館は1979(昭和54)年の国際児童年を記念して事業が計画され、滋賀県と激しい誘致合戦を繰り広げた末に児童文学研究者・鳥越信から12万点に及ぶコレクションの寄贈を受け1980(昭和55)年に準備組織として財団を設立。1984(昭和59)年5月5日(こどもの日)に開館した。館の設計は大阪府建築部営繕室が行い、1998(平成10)年には建設省(当時)の公共建築百選にも選定されている。シンボルマークは安野光雅のデザインで、横笛を吹くギリシア神話の牧神・パーンを象ったものである。1986(昭和61)年から1990(平成2)年までは、司馬遼太郎が財団理事長を務めていたところであり、同種の施設としては日本最大の規模である。
しかし、2008(平成20)年、大阪府知事に就任した橋下徹氏の改革PT「財政再建プログラム」では、 財政再建策の一環として府営施設の整理・統廃合を進める方針を打ち出しており、この国際児童文学館については東大阪市の大阪府立中央図書館へ統廃合すべきであるとの見解を表明している。それに対して、地元自治体である吹田市他作家や研究者等が反対し、存続を求めている。大阪府の財政が大変な状況にある中で難しい問題だがこのような歴史的な施設は出来れば存続させて欲しいとは思うものの県外の我々がとやかく言える立場にはない。府民の皆さんで、よく考えて欲しいね。以下参照。
「福祉の吹田」をともに守りましょう 吹田市労連WEB
http://www.suitasirouren.com/shimin/machi/0809-01.html
最後に、以下参考に記載の国立国会図書館国際子ども図書館の >絵本ギャラリー では、7つに分けて展示。18世紀から1930年代に至る期間の、日本と欧米の絵本の名作が紹介されている。一度覗かれてみては。又、 大阪府立国際児童文学館HPも覗かれると良いよ。
(画像は、日本児童図書出版協会発行の月刊誌「こどもの本」)
参考:
こどもの本 on the Web --日本児童図書出版協会
http://www.kodomo.gr.jp/
文部科学省
http://www.mext.go.jp
JBBY - 社団法人 日本国際児童図書評議会 -
http://www.jbby.org/
子どもの読書活動の推進に関する法律 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E8%AA%AD%E6%9B%B8%E6%B4%BB%E5%8B%95%E3%81%AE%E6%8E%A8%E9%80%B2%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%BE%8B
宮本百合子-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E6%9C%AC%E7%99%BE%E5%90%88%E5%AD%90
大阪府立国際児童文学館 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%BA%9C%E7%AB%8B%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%85%90%E7%AB%A5%E6%96%87%E5%AD%A6%E9%A4%A8
作家別作品リスト:No.311宮本 百合子
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person311.html#sakuhin_list_1
フクちゃん - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%AF%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93
家庭内暴力 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%B6%E5%BA%AD%E5%86%85%E6%9A%B4%E5%8A%9B
家庭内暴力への対処法
http://www.sofu.or.jp/violence.html
瀬戸内寂聴 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%80%AC%E6%88%B8%E5%86%85%E5%AF%82%E8%81%B4
山梨大学附属図書館 子ども図書リンク集
http://www.lib.yamanashi.ac.jp/link/kodomo_link.htm
国立国会図書館国際子ども図書館
http://www.kodomo.go.jp/index.jsp
こどもの本【金の星社】
http://www.kinnohoshi.co.jp/
大阪府立国際児童文学館HP
http://www.iiclo.or.jp/htdocs_old/default.htm