はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

青柳いづみこ著『ショパン・コンクール見聞録』

2023年04月07日 | 
2023/04/07


2021年10月2日~23日に行われた第18回ショパン・コンクール。

ピアニストで文筆家の青柳いづみこさんの
ショパン・コンクール見聞録です。

コンク―ルから1年後となる22年10月に
出版されています。


 

この本を読むと
あのときの熱狂や感動がよみがえってきます。

ああ、そういう人がいたっけと
出場者の名前を思い出し
あの演奏は名演だったと書いてあると
YouTubeで演奏を聴き直したりしています。

リアルタイムでこの知識欲しかった
というのも、ありました。

今もご活躍の
高坂はる香さん、飯田有紗さん、下田幸二さんなど
のお名前も出てきて
あの頃、日々の現地レポートを熱心に
読んでいたことも思い出されます。


過去のショパンコンクールのことや
ショパン本人の弾き方など
歴史的な話もおもしろいです。


ショパンらしさとは何か?
というのはコンクール当初から
言われていましたね。


「ショパンらしさを問われたものの
結局、入賞したピアニストたちは
技術力の高さを見せることが優先権を持っていた」

「審査員の中にも相反するショパン観があり
意見が分かれていた」


・・・・・・


審査員の海老彰子氏はこんなことを
話しています。

「コンクールのジャッジはざっくりしたものなのです。フィギュアスケートみたいに、例えば、技術点、芸術点、独自性、創造性、ショパンのスタイルの5項目に分けて評価するとか、そういう方法もあるのではと提言もしました。

また、コンクールとしては、審査員になった先生と生徒は、少なくともコンクール期間中はコンタクトを取らないなど規定があったほうがよいと思います。」

「海老は、コンクール期間中にダン・タイ・ソンが門下生たちをレッスンしていることに批判的だった」


・・・・・・・


今回のコンクールは世界中に配信され
大変な数のアクセスがありました。

配信と会場での聴こえ方は違うとは
コンクール期間中から言われていましたね。

でも、審査は
ホール2階の審査員席での聴こえ方がすべて。  


コンクールが配信に力を入れるのなら
「アクセス数グランプリ」とか
「オンライン聴衆賞」などもよいかもしれない。
と青柳さんは書いています。


十数名の審査員と
会場に来ている約1000人の聴衆。
その背後には何万もの人が
LIVEで聴いているのですからね。

今後はそんな賞ができても
いいかもしれませんね。



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