2020/03/01
反田恭平さんのラジオ番組
「Growing Sonority」は
聴きごたえがあるので
You Tubeにアップされると
毎回聴いています。
昨日アップされた放送では
北京オリンピックのときの羽生選手に
ついて語っています。
「序奏とロンド・カプリチオーソ」の
振付について、表現者として
指先まで神経が通っていると。
「最初のミ~ラと5度落ちていく音型に合わせて
肩から肘、手首
指の第3、第2、第1関節を使って
非常になめらかに
あたかも自分が水の中にいて
足もつかないような深水の中で
自由に円を描いて踊っているような
泳いでいるかような表現が
非常に印象的でしたね」
と話していらっしゃいます。
あの曲の冒頭のメロディと羽生さんの動きで
そんなふうに感じる反田さんの
イメージの豊かさのほうに
私は驚かされたのでした。
イメージが豊かでないと
豊かな表現は生まれない。
全く、そのとおりだなあと
反田さんの言葉から感じたのでした。
音楽家の中でたびたび話題に上がる
編曲問題について。
「作曲家が序奏、第1主題、第2主題
展開部、再現部・・・とか
作曲についてルールがあるわけだが
そこを端折ってカットするのは
どうなんだというのがありますが
フィギュアで踊られる方については
曲に対してのリスペクトがあれば
僕は許容かなと思うんですね」
「音楽に向き合う姿勢が特に羽生君は
素晴らしいかなと思ったりします」
フィギュアスケートの審査と
ピアノコンクールの審査方法を比べて。
「ショパンコンクールの審査員の中でも
今後は、もしかすると
フィギュアスケートのように
技術点と芸術点をもって審査を
するべきではないかという審査員内
での会議があったぐらい」
「やさしい曲ばかりを選んだ人と
難しい曲(技術的にも内面的にも音楽背景も)
を選んだ人。
そういったところで
どうやって差をつけていくのか
というのは長年の審査員の課題でもあります。」
「自分が審査員の立場だったら
難しい作品、深い、晩年に向けての作品を選んで
弾いている人には
それを加味して点数をつけたりしますね。
曲の難しさ、難易度が
4回転ジャンプが何点というように
クラシックの世界でも取り入れていくような
気もしますね。
ここ5年10年で変わってくるかなという気もします。」
羽生選手に対しては同世代ということで
エールをもらったそうですよ。
勇気づけられた人は多かったことでしょう。
後半の務川慧悟さんとのおしゃべりは
前回の放送もそうでしたが楽しいですね。
務川さんのショパン愛は
反田さんより凄い(笑)
お互いに日本音楽コンクール1位で
知り合ったのがきっかけだそうですが
すごく仲よくなって
親友になってしまうというのが
オープンマインドで素晴らしい。