企業や組織の不祥事に必ずつきまとう3Dというのがあるという。Deny(否定) Delay(先送り) Defend(防御)である。
人間、不正やよからぬ事に手を染め、それが発覚した時に、その殆どが3Dから逃れられないらしい。当面の“災難?”から逃れる為に、まず“そのような事実は無い”或いは“私は関係ない”とDenyしてダンマリを決め込み、あわよくば逃げ切ろうとする。この最も典型的な例が、大きな事件に発展した、イジメによる大津市の中学生自殺事件である。学校側や市教育委員会は、「調査したが、その様な事実は無かった」と、まずDenyして見せた。ところが隠蔽が明るみに出ると慌てふためき、教育委員長が襲われる事態にまで発展してしまった。Denyから始まった重いツケである。大津市に限らず、日本の教育委員会を頂点とする学校組織は昔からこの体質が一向に変わらないから、またどこかで起こる。
次にDelayだが、Denyの後に時間稼ぎをする為の証拠隠滅や巧妙な調査妨害を行い、その間に様々な辻褄合わせをやる。これは隠蔽工作であり、Delayは多くの場合、この隠蔽工作に直結している。この典型が、不正経理における資料改ざんであろう。辻褄が合うように数字を操作するわけだが、操作の過程で必ず“架空”が介在してしまう。この“介在”を見つけられたらひとたまりも無い。糸を解す様に一つ一つの取引の貸借を辿って行けば、どこかで必ず不整合に突き当たる。そこで万事休すだ。
最後がDefend、即ち自己防衛である。言葉を変えれば“責任逃れ”“責任転嫁”である。イジメを見たり、認識していながら“私は見ていなかった”“私は知らなかった”と臆面もなく言う先生。企業不祥事の場合に必ず出てくる科白で、“それは部下が勝手にやった事で、私は関知していない”。こうして何とか自分に手が及ばないようDefendしようと躍起になる。しかし、大方の場合は、そんな努力も水の泡で、調査が進み不正や関与が暴かれる。
さて、一般の企業戦士が組織の不祥事に関ったときどうするかは大変悩ましい問題だ。もし、積極的に関与するのであれば、関与する前から“塀の中”を腹括るしかあるまいが、“塀の中”が分かっていて最初から関与するお人好しもおるまい。問題は、気がついたら自分が渦中に居ると分かった時だ。正面から不正の告発をやるか、それともWhistle Browerとして内部告発するか。よく告発してくれたとして感謝される事もあろうが、人間関係がギクシャクして結局会社を去ることになる場合も多いと聞く。最近の大きな事件の例では、某光学メーカーの英国人社長のウッドフォード氏のケースが記憶に新しい。この会社にとっては大恩人であるはずだが、日本人幹部は社長を解任してしまった。“正義の味方”がこんな憂き目に遭うのが企業社会だ。このリスクに個人として耐えていけるか否かである。3Dに真正面から向き合うには相当な勇気と腹括りが要る。
人間、不正やよからぬ事に手を染め、それが発覚した時に、その殆どが3Dから逃れられないらしい。当面の“災難?”から逃れる為に、まず“そのような事実は無い”或いは“私は関係ない”とDenyしてダンマリを決め込み、あわよくば逃げ切ろうとする。この最も典型的な例が、大きな事件に発展した、イジメによる大津市の中学生自殺事件である。学校側や市教育委員会は、「調査したが、その様な事実は無かった」と、まずDenyして見せた。ところが隠蔽が明るみに出ると慌てふためき、教育委員長が襲われる事態にまで発展してしまった。Denyから始まった重いツケである。大津市に限らず、日本の教育委員会を頂点とする学校組織は昔からこの体質が一向に変わらないから、またどこかで起こる。
次にDelayだが、Denyの後に時間稼ぎをする為の証拠隠滅や巧妙な調査妨害を行い、その間に様々な辻褄合わせをやる。これは隠蔽工作であり、Delayは多くの場合、この隠蔽工作に直結している。この典型が、不正経理における資料改ざんであろう。辻褄が合うように数字を操作するわけだが、操作の過程で必ず“架空”が介在してしまう。この“介在”を見つけられたらひとたまりも無い。糸を解す様に一つ一つの取引の貸借を辿って行けば、どこかで必ず不整合に突き当たる。そこで万事休すだ。
最後がDefend、即ち自己防衛である。言葉を変えれば“責任逃れ”“責任転嫁”である。イジメを見たり、認識していながら“私は見ていなかった”“私は知らなかった”と臆面もなく言う先生。企業不祥事の場合に必ず出てくる科白で、“それは部下が勝手にやった事で、私は関知していない”。こうして何とか自分に手が及ばないようDefendしようと躍起になる。しかし、大方の場合は、そんな努力も水の泡で、調査が進み不正や関与が暴かれる。
さて、一般の企業戦士が組織の不祥事に関ったときどうするかは大変悩ましい問題だ。もし、積極的に関与するのであれば、関与する前から“塀の中”を腹括るしかあるまいが、“塀の中”が分かっていて最初から関与するお人好しもおるまい。問題は、気がついたら自分が渦中に居ると分かった時だ。正面から不正の告発をやるか、それともWhistle Browerとして内部告発するか。よく告発してくれたとして感謝される事もあろうが、人間関係がギクシャクして結局会社を去ることになる場合も多いと聞く。最近の大きな事件の例では、某光学メーカーの英国人社長のウッドフォード氏のケースが記憶に新しい。この会社にとっては大恩人であるはずだが、日本人幹部は社長を解任してしまった。“正義の味方”がこんな憂き目に遭うのが企業社会だ。このリスクに個人として耐えていけるか否かである。3Dに真正面から向き合うには相当な勇気と腹括りが要る。