よし坊のあっちこっち

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顔と無口で損する日本人ー発信力を高めよ

2013年10月04日 | ビジネス横丁こぼれ話
最近、TVのTALKというトーク番組で興味深いエピソードを観た。映画やテレビと同様に、ある意味で顔が商売のニュースキャスターやアナウンサー達。TALKのメンバー、Julie Chenがニュースメディアの世界でキャリアを続ける為に、悩み悩んで25歳くらいの時に目の整形をしたという。発端は、上司から、「君は中国人だから目が小さい。今後キャリアアップをしたいのなら目を整形して大きくしろ、さもなくば、これ以上のキャリアアップは無理だ」と言われたことによる。上司によると、中国人(=アジア人と考えてよい)は目が小さく、腫れぼったい一重瞼が多い。だから表情が冷淡(disinterested)でウンザリした(bored)様に見える。もっとキビキビして(alert)、表情豊か(expressive)に見えないとだめだ、と言う。要するにテレビ映りが悪いと言うのだ。

この一件は、間違いなく人種差別に属するのは間違いないが、彼女にとっては、そんなことよりも、自分でも気がつかなかったテレビ映りという点が問題だった。早速自分の過去のレポーター画面を検証してみたところ、例えば彼女がインタビューしている相手の顔の動きを見ると、一様に彼女の顔、というより目を一生懸命見ている場面が圧倒的に多かったそうである。その理由にはいろいろあるはずだが、そのひとつは、間違いなく相手が彼女の目と表情から一生懸命何かを読み取ろうとしていたのではないか、ということである。逆に言えば、このレポーター(Julie Chen)は何を考えているかよく分からない表情をしていることになる。対面している相手がそう思うならば、テレビの画面を通じて彼女を見ている不特定多数の観客も同じ思いを抱くに違いない。彼女は目の整形を決断した。

日本の諺にもある。目は口ほどに物を言い。顔の表情は目で出来上がる。顔の表情、即ち目が無言の情報を発信しているのである。とすれば、海外で暮らす一重瞼のアジア人は、その故に表情が単調であり、顔から情報を発信し難いことになる。そう考えると、ハタと思いつくことがある。「日本人は何を考えているかよく分からない」。嘗て、アメリカの現地オフィスなり現地法人で雇用されたアメリカ人の間でよく言われたことである(恐らく今でもそれはあまり変わらないだろうが)。何を考えているか分からないから、気味が悪い、と言うのだ。英語が不得手だからとコミュニケーションを積極的に取らず、顔(=目)の表情からも得たいの知れぬ気味の悪さしか伝わらない日本人。何と損な役回りを演じているのだろうかと、いささか残念である。その点、同じような顔の造作を持った中国人や韓国人は、喋りにおいては日本人を遥かに凌ぐ力を持ち合わせているから、その分得をしているのは間違いない。
国際舞台に立った時、発信力をどう高めるか。日本人の大きな課題だろう。