福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

墓穴掘った心理戦

2007年12月03日 |   〇芸能・スポーツ

12月2日、台湾で行われた北京五輪野球アジア地区予選での
日韓戦は、緊迫した好ゲームとなり、結局、4-3で日本チームが
接戦を制した。

しかし、ゲームの内容とは裏腹に、「ヲタク」の胸中には若干の
後味の悪さが残る試合でもあった。

試合開始1時間前に発表された韓国の先発メンバーと、実際の
先発メンバーが大幅に違っていたことが原因だ。

両チーム共に選手らの健闘が光っただけに、いくら国際ルールの
枠内での作戦とは言え、あえて慣例を無視してまで関係者や
ファンに混乱をもたらした韓国チームの司令塔の判断には大きな
疑問が残る。

味方も含め敵の意表を突くのが心理戦の常(つね)とは言え、
スポーツは戦争やゲリラ戦とは違う。

スポーツである以上、勝敗を離れ一定のマナーやプレイをめぐる
哲学、美学が求められるのは当然のことだ。


△「オマエ、この前、初対面のオッサンから
『メタボの神様』って言われたそうじゃねぇか

自分の体型の美学でも追求してろ!
(写真とは無関係)

何ごとにつけ「日本」が絡むと愛国的な論調一色に流れる傾向の
強い韓国メディアではあるが、さすがに、今回のスタメン「変更」
作戦については、一部から公然と批判の声が上がっている。

それもかなり辛らつだ。

例えば、「日刊スポーツ」(日本の同名紙とは無関係)や「スポーツ
ソウル」は、見出しに「ケチな小細工」、「偽のスタメン発表(スタメン
偽装)事件」、「汚点」などという強い表現を用いながら、少なから
ざる韓国の野球ファンのやるせない気持ちを代弁していた。

・・ ・・

□ 한국, 매너에서 지고 꼼수에서 망했다
韓国、マナーで敗れケチな小細工に滅ぶ(日刊スポーツ)

□ 위장 선발명단 사건, 석패에 오점 남겼다
偽のスタメン発表事件、惜敗に汚点残す(スポーツソウル)

・・ ・・

ここでは、スポーツソウルの記事を翻訳練習してみた。

・・・・・・・・・・・・
 
■ [취재석] 위장 선발명단 사건, 석패에 오점 남겼다
[取材席から] 偽のスタメン発表事件、惜敗に汚点残す
(スポーツソウル 12月3日)

이번 위장 선발 명단 사건은 한국 대표팀의 석패(惜敗)에
큰 오점을 남겼다. 잘 싸우고도 욕을 먹고 있다. 일본
호시노 감독이 통상의 승자가 보이는 아량 대신 “유감이다”라는
말을 첫마디로 꺼냈고 불공정 행위의 대명사인 대만조차도
한국 대표팀의 이번 행동에 대해 ‘꼼수’ ‘치졸함’ 등의 단어를
쓰고 있다.
今回のスタメン偽装事件は韓国代表チームの惜敗に大きな汚点を
残した
。健闘した者たちが非難されている。試合終了後、日本の
星野監督が韓国チームに対して開口一番口にした言葉は、敗者の
健闘を称える言葉ではなく「残念」の一言だった。また、(韓国では)
「アンフェア」の代名詞となっている台湾のメディアまでもが、今回の
韓国チームの行為を「小細工」、「稚拙」などの言葉で批判している。

이기기 위해 어쩔 수 없는 선택을 했다고 하지만 그 방법에는
논란의 여지가 충분히 있었다. 규정 위반은 아니지만 해서는
안될 일을 했다. 선발 명단은 1시간전에 교환하기로 돼 있는데
불가피한 사유가 발생했을 때 10분전까지 최종 수정이
가능토록 돼 있다. 1시간전 교환은 미디어 등을 위한 배려지
꼼수를 쓰라고 있는 건 아니었다.
「勝つためにはやむを得ない選択だった」と擁護する声もあるが、
その選択には問題となる余地が十分にあった。ルール違反では
ないとしてもやってはならないことをやってしまった
。確かに試合
開始1時間前に発表した先発メンバーでも、特別な事情があれば
10分前までは変更できる。しかし、1時間前のスタメン発表は
メディアなどに対する配慮であり、小細工を弄するためのものでは
ないのだ。

이에 대한 대표팀 김경문 감독의 해명도 떳떳하지 않았다. 그는
“아마추어 대회 규정의 허점이 문제다. 고쳐야 할 것이다”라고
우선 말한 뒤 “한·일 양국의 수준차를 고려해서 이해해달라”고
덧붙였다. 규정의 문제가 우선이라 그 허점을 이용한 것은 어쩔
수 없는 부분이고 또 설령 그게 문제가 되더라도 약자가
어떻게든 강자를 이겨보려고 한 심정을 헤아려 달라는
것이었다.
こうした批判に対するキム・ギョンムン監督の釈明もすっきりしない。
彼は「アマチュア大会のルールの不備が問題だ。不備は改める
べきだ」とした上で、「両国チームの力の差を考慮して理解して
欲しい」と語った。まず第一にルールに問題があるのであって、
その不備を利用したことはやむを得ない選択であり、たとえその
選択に問題があったとしても、弱者が強者にいどむ心情を理解して
欲しいというのが監督の言い分なのだ。

과정상의 도덕점 결함은 이기기만 하면 문제가 안된다고
봤던 것이다. 최후에 ‘졌다’ ‘이겼다’라는 두가지 결과로만
설명되는 것이 승부의 세계라도 핵심적인 ‘페어플레이’가
결여된 승리에 국민들은 마냥 달가워하지 않았을 것이다.
물론 이겼다면 이 문제가 덜 부각됐겠지만 그러나 김 감독의
바람대로 조용히 지나갈 일은 없었을 것이다. 대표팀은 ‘승부’만
봤고 그 승부를 지켜봤던 국민들의 눈은 보지 않았다.
근본적으로 왜 승부를 하는가에 대한 철학의 결여를 드러내는
것 같았다.
つまり、勝負の過程でのアンフェアな行為は勝ちさえすれば問題
にはならないとの考えだ。確かに最後には「勝ち」と「負け」の
二つの結果しか残らないのが勝負の世界だ。しかし、国民が
「フェアプレイ」の精神が欠如した勝利に100%の賛辞を送ることは
ないだろう。もちろん、もし今回勝っていれば批判の声も今ほど
強くはないだろうが、キム監督の目論見通りに事が進んだとは思え
ない。代表チームはただ「勝負」の一点だけを見つめ、その「勝負」を
見守る国民の目は意識しなかった。なぜその勝負をするのかという
根本的な哲学が欠落していたことがはっきりしたのだ。

게다가 이번 일로 국제적인 망신까지 당했고 이번 대표팀의
선배들이 그간 악전고투로 쌓아 놓은 한국 야구의 명성까지
훼손됐다. 아시아 야구계에서 불량국으로 대접받았던 대만이
이번 사건을 통해 한국 야구에게 그 지위를 넘기려는 모습에
씁쓸함마저 들었다. 한동안 우리 야구는 부끄러운 수식어를
달게 됐다.
さらに今回の件で国際的にも不名誉な醜態をさらすことになり、
これまで多くの先達が悪戦苦闘しながら積み上げてきた韓国野球の
名声にも泥を塗ってしまった
。アジアの野球界で問題児扱いされて
来た台湾が、今回の事件を通じ韓国にその不名誉な地位を譲ろう
とでもするかのように振舞う姿には苦々しい思いさえした。韓国
野球には今後しばらく「スタメン偽装」という不名誉なレッテルが
付いて回る。

‘꼼수’ 하나로 명분도 실리도 모두 잃은 셈이다. 그 뜨거웠던
환호가 순식간에 싸늘함으로 돌아선 것 같다.
一度の「小細工」で名誉も実益もいっぺんに失った形だ。代表
チームへの熱い声援が瞬時に冷め切ってしまったような気がする。

(終わり)


□追記 「籔の中のスタメン」を参照


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