VIVA セレッソ大阪

僕の大好きなセレッソ大阪を中心とするサッカー観戦記

2021シーズンのセレッソ大阪

2021-12-14 20:54:00 | セレッソ大阪
天皇杯準決勝で敗退し、2021シーズンが終了しました。
2021シーズンを振り返りたいと思います。なお、僕はサッカー経験者ではなく、テレビやスタジアムでサッカーを観戦するのが好きなだけの一ファンです。

1.2021シーズンの成績
○J1リーグ:12位(13勝9分16敗)
OGPイメージ

セレッソ大阪オフィシャルウェブサイト | Cerezo OSAKA

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○YBCルヴァンカップ:準優勝
○天皇杯:準決勝敗退
○ACL:ラウンド16敗退

セレッソの予算規模、戦力を冷静に考えればリーグ戦はボトムハーフとなり残念でしたが、カップ戦はまずまずの成績だったと思います。
それにも関わらず、2021シーズンの結果にすっきりせず、もやもやとしています。
YBCルヴァンカップ決勝での敗戦、J1リーグ最終節と天皇杯準決勝で何もできずに敗戦したことも一因だと思います。

2.監督選びの迷走
2020年秋にロティーナ監督との契約更新をしないと発表した時点から、今までずっと迷走していた感があります。
まずロティーナ監督の後任として就任したのがクルピ監督でした。森島社長や梶野部長から「攻撃的なサッカー」「ワクワクするサッカー」という曖昧な言葉が繰り返されました。最近スポーツニッポンに森島社長のインタビューが掲載されていました。
https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2021/12/08/kiji/20211208s00002179063000c.html
<「ワクワク感」を取り戻すため、クラブは再びレヴィー・クルピ監督を招聘(しょうへい)し、攻撃的なサッカーへの原点回帰を決意した。だが、良くも悪くも選手たちに自由を与えるのがクルピ監督。昨季までは「攻略法」という参考書を与えられていた生徒たちが、途端に自分たちに任されたらどうなるのか――。監督主導型から選手主導型となり、誰しもが少なからず抱いていた不安は的中。結果的に途中解任に至った。

 8月から指揮を執った小菊昭雄監督のもとでは6勝7敗という戦績を残した。J2降格という最悪の事態は免れたとはいえ、アジアを目指すクラブだけに、満足することはできない。サポーターや応援してくれる子どもの悔しさを晴らすためにも、勝ち上がっている天皇杯、そして来季以降の巻き返しに期待したい。(サッカー担当・西海 康平)>

何を言っているのかわかりませんでした。クルピ監督は以前なら名監督だったと思います。しかし、今まで感覚的だったサッカーの戦術が論理的になり、文字化までされた現代サッカーではクルピ監督は時代遅れでした。成績不振でJ2降格の危機になったのにも関わらず、監督選びの失敗の責任を誰も取らず、選手の責任に転換したコメントはひどいなと思います。

かつてJリーグで活躍したシジクレイさんは、ブラジルサッカーの指導者の問題について以下のとおり語っています。



「アルゼンチンでは以前から優れたライセンス制度を備えており、さらにUEFAと交渉して、双方のライセンスの互換性を獲得している。アルゼンチンの最上級監督ライセンスを持っていたら、欧州のどのクラブでも指導できる。また、戦術の重要性をよく理解していた。

 これに対し、ブラジルのフットボールは選手の個人能力に頼る傾向にあり、戦術の重要さが十分に理解されていなかった。このため、CBFがライセンス制度を整備するのが遅れた。とても残念で悔しい状況だが、今後、自分たちが巻き返していかなければならない」〉


これまでブラジル人監督が指揮をとってきた鹿島アントラーズは、近年のサッカーの状況を鑑みて、2022シーズンはヨーロッパから監督を招聘します。今シーズン4位だった鹿島ですら危機感を持っているのに、森島社長と梶野部長はブラジルサッカーの現状や現代サッカーの状況を知らずにクルピ監督を招聘し、あわやJ2降格の危機に堕ちる状況になったにも関わらず全く反省していないようです。ある意味すごいなぁと思います。

3.小菊監督
小菊監督になってから立て直したような感がありますが、6勝7敗と勝ったり負けたりの結果に終わりました。事前に用意したプランがハマると強いですが、ハマらないと立て直せず完敗する、の繰り返し。残念ですが、クラブ規模が大きいとは言えないセレッソをリーグ3位以内に導くことができる監督ではないと思います。
2022シーズンでは小菊監督がキャンプから指揮を取ると思いますが、どこにボールを運んで点を取るのかということがチームで共有されない限りはあまり変わりはないと思います。また敗戦後のコメントで「私の能力が足りない」「経験が足りない」とのコメントが多いことも気になります。小菊監督は人柄はいい方ですが、監督としての能力に自信がないのであればコーチに戻ることもありかなと思いました。

4.外国人選手
2021シーズンは外国人選手が、FWタガート選手、DFチアゴ選手、ダンクレー選手、GKキムジンヒョン選手、ダンバンラム選手でした。このうちダンクレー選手はDFの怪我人続出やチアゴ選手が日本政府による新規入国停止措置により来日できなかったことによる期間限定の緊急補強でしたので、元々準備していた外国人選手はFW1名、DF1名、GK2名でした。
2019シーズンはFWメンデス選手、MFソウザ選手、デサバト選手、DFヨニッチ選手、GKキムジンヒョン選手と5人全員が助っ人と言える活躍をした選手でした。それに比べて2021シーズンは外国人選手の人数も質も足りませんでした。タガート選手は怪我が多くてまだ評価はできませんが、チアゴ選手は高くて強いですが足が遅いという欠点が解ってからは使いにくい選手という評価になりベンチ外が続きました。一部スポーツ新聞によるとタガート選手とチアゴ選手は移籍金を払ってくれるクラブへの売却を考えているようです。結局1年間フルに出場できた外国人選手はキムジンヒョン選手のみでした。
外国人選手の構成については、コロナ禍でセレッソの経営が苦しかったこともあるでしょうが、外国人選手を的確に補強した福岡に比べるとフロントの能力の差が出たと思います。

5.日本人選手
2021シーズンのセレッソはどのようにして得点を奪うのか全く見えて来ませんでした.唯一チャンスとなりそうなのはサイドからのクロス。それを武器にするのであれば、徳島の垣田選手、ガンバのパトリック選手のように高くて強いFWを揃えるべきでした。しかしセレッソにはそのようなFWがおらずクロスはことごとく相手DFに跳ね返されました.
またクルピ監督の時は選手を固定していたのでベテランの起用が多く、若い選手を育てることもありませんでした。例外として西尾選手は多くの試合に起用されましたが、これは怪我人が多かったので起用せざるを得なかったということでしょう。
日本人選手の能力や実績は上位のクラブに比べて劣っているのにも関わらず、シーズン中の補強はスペインから復帰した乾貴士選手を除くと、JFLから新井選手が期限付き移籍加入しただけでした。様々な事情があると思いますが、鳥栖のレギュラーだった松岡選手をシーズン中に引き抜いた清水の補強に比べると地味だったいえます(乾貴士選手はスペイン1部からオファーがあればセレッソには加入していませんでしたので計算外の補強とします)。

6.モヤモヤ感の要因
コロナ禍の影響、長居球技場(ヨドコウ桜スタジアム)の改修工事と寄付金が想定よりも集まらなかった影響で経営は苦しかったと思います。また大阪府の緊急事態宣言の期間が長かったこともあり他のクラブと比べても無観客試合が多かったこともあるでしょう。そのような状況にも関わらず、森島社長と梶野部長はセレッソは3位以内がノルマと語るなど、現実と対外的に公表した目標があっていないことが、ファン、サポーターがセレッソにモヤモヤ感を抱く最大の原因だと思います。セレッソの選手構成、来シーズンのシーズンシートの価格、シーズンシートやサクラソシオの特典の低さには、経営が苦しいことがはっきりと出ています。そのような状況にも関わらず、クルピ監督以外誰も責任を取らない、経営状態から鑑みた適切な目標設定をしないなど、セレッソのフロントは誠実さを欠いています。

7.最後に
2022シーズンはFC東京が経営規模を大幅に拡大するようです。神戸、FC東京がJリーグでは突出して大きな経営規模となり魅力のある選手で構成されるクラブになるでしょう。セレッソよりも資金力がある川崎、横浜FM、浦和は攻撃的なサッカーで強さを維持するでしょう。このような状況なのにも関わらず、トップ3を目指すという非現実的な目標を掲げるセレッソは2022シーズンも理想と現実のギャップに苦しむシーズンになると思います。
今後もセレッソのフロントの不誠実な対応に失望することも多いと思います。しかし、セレッソのファン、サポーターはセレッソの結果に一喜一憂しながら、2022シーズンもスタジアムやDAZNでセレッソを厳しくも温かい目で見守っていくしかなさそうです。