怒りのブログ

憤りを言葉にせずになんとしようか。

風の谷のナウシカ全7巻BOX(徳間書店)宮崎駿

2005-05-15 19:19:20 | 教育書
私が読んでいたのは中学校のときだっただろうか。
アニメがガンダムのイメージからオタクのイメージへ変わる端境期に月刊アニメージュに連載されていたと記憶している。
高校になってすぐに4巻くらいまでは集めたのだが、水泳兄弟(今はあえてこう呼ぶ)の弟分S.Aにはずみであげてしまったのだ。
自分のバイト料で買ったものなので、ちょっと身を切られる想いだったが、兄弟分が喜んでくれたので、それほど痛くはなかったし、同じ話ができるので嬉しくもあった。
しかし、続きの巻が出ない出ない、休載やらアニメージュが売り上げ不振やらで、どうなるのかと思っていたら、劇場版ナウシカだった。
本業かい?とあきらめていたが、その内容を劇場で見て「?」。
なにこれ?別物?
(今や巷の下馬評でもこの評価は定着しているので、これ以上は突っ込まない)
とにかく続きの巻が出ないことと一度買ったことのある1巻から4巻までをそろえることが嫌で買いそびれていた。
(5千冊くらい漫画を所有していた時でさえ、触手が伸びなかったのだから困ったもんだが、7巻がでたのが95年じゃぁねぇ・・・)

さて、前置きが長くなったが、ネットでたまたまこのセットを見つけて、学級文庫にでもしようかなと思って買ったのだが、これはちょっと考えてしまった。
以前読んだ内容がいかにうろ覚えであったか痛感した。
内容が想像以上に重層的になっているのと、経年のせいだろう、明らかに1巻の時に構想していた内容から発展してしまっている。若干だが、作者の画力の変化もあり、ナウシカが成長期なのだろうなと理解して読まねばならない箇所も見受けられた。(こういうことは仕方がないのだろう。スターウォーズになっていないだけいいか。レーア姫?)
私の記憶と比べると、改版時に修正加筆したのかと思える展開になっている。(もしかしたら劇場版ですりこまれたイメージを私が引きずっているのかもしれない。)
テーマや主張は予想の範疇でありその点では溜飲がおりる好作品であり感動した。
宮崎作品で好きなのは「もののけ姫」(ハウルはまだ見ていない)だが、テーマがだぶっていると感じた。そして、時折読んでいて思ったのだが、ナウシカの個性は「少女」である点は、宮崎作品が「子どもで語る」から離れない(られない?)必然なのだろうと再確認した。
「もののけ姫」では語っていない分、リアリティを感じたが、ナウシカに少々語らせ過ぎかなと思える部分は玉にきず?いや、あばたもえくぼの文章にしなくてはいけないかな?