今日の商店会長 (早稲田商店会相談役 安井潤一郎)

日本でただ一人、商店会の会長現職で衆議院議員になった、早稲田商店会前会長日記。公式ホームページは左下ブックマークから。

商店街の空き店舗対策事業

2008-08-19 23:36:46 | 商店会長のコメント
「商店街は空き店舗でガタガタだ」とか「シャッター街をどうにかしろ!」という声をよく聞きます。現場サイドとして言わせていただければ店を閉めたところは余裕が有るんです。本当に苦しんでいるのは総合力が武器の商業集積地域であるアーケードの中で、両隣が閉店しても、閉めると生活が出来ないお店なんです。

商店街の空き店舗対策事業をやってみたらシャッターが閉まっていても「店はやめましたが、物置、倉庫にしていますから貸せません」という物件が多々あったので行政サイドは驚いています。人を集める事、来街者を増やす事が商店街組織の役目ならばシャッターを閉めて、店舗として利用しない持ち主は商業地域から出て行くべきだと私は思います。

この家も土地も、その方の持ち物なのかもしれません。しかし、この地域はあなたの物ではない。「せがれもサラリーマンになった、娘も嫁に行った。俺も歳だから商売やめるよ。店を貸す?、やだよ面倒くさくって」と言うなら出て行って欲しいと私は思います。この土地に愛着が有るなら、2階に住んで下は貸して下さい、とお願いしたいと思っています。このまちに生まれ、育ち、子供を育ててもらった、このまちに「良い大家さん」として残って下さい、とお願いしたいのです。

現在200㎡以下の店と今まで店舗だった所は事業用資産として、相続時に相続税の50%減免が受けられます。店舗を閉めて何年も経ち、尚且つ今後に賃貸借の意向を持たない所に減免を受ける理由が有るとは思えません。「借りる奴なんかいないよ」とよく聞きますが、それならばテナント探しを商工会、商工会議所、商店街振興組合の仕事にして、テナントが決まらないうちは家賃は発生しないけれど税の減免は受けられる、というようにすればいいのです。

店内がボロボロでは新しい仕事のアイデアも湧いてこなければ店内の清掃と2階の居住部分との区分け等の工事費は空き店舗対策費で出せば、翌年からは基礎的自治体への歳入が増える事になります。軒を並べた何軒かと一緒に共同ビルを建てる事が決まれば、その場所が防火地域内に防火建築物を建てるのであれば建ぺい率は上限は10%緩和されますし、街区の角やこれに準ずる地域であればもうあと10%の緩和も可能なのです。

22日に首相官邸に持参する提案書の前文には商店街は個店の集合体、今後は個店支援に施策の舵を大きく取るべきだ、と書かれています。個店支援の地域インフラ整備にはシャッター店舗の賃貸借問題も大きく取り上げられるべきだと思っています。
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「国民の目線で」という言葉に違和感

2008-08-19 08:16:15 | 商店会長のコメント
どうにかニンニク臭さも取れたようです。「慣れる」という引き出しを持つ、人間の嗅覚の素晴らしさだと感じました。しかし全て「慣れる」「馴染む」という事が良いことだと言えないようです。「初志貫徹」「初心に帰る」等の言葉が有る様に実は、難しいことなのでしょう。

「国民の目線に立った政治を行う」という言葉に違和感を感じます。枝葉末節に文句を言う事になるのかもしれません。しかし昨年11月からの不況感は抽象的、観念的な言葉を吐く時期ではないように思えてなりません。今冬は寒冷地に政府備蓄の灯油を出す、等々の具体的な施策を打ち出すべきだと思います。

給与は日本と同じと言われている韓国の食料品物価は日本よりも安いように思えました。生活物価が安ければ可処分所得に回り景気は上昇します。財政の健全化も視野におき、「若者に夢を、高齢者に安心を」という言葉が実感できる施策の実行です。「行政評価」という言葉よりも「結果責任」という考え方を明確に打ち出す、まさに時は今だと思えてなりません。
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