草履で歩きながら考える

笑う門には福来たるで、マイペースでやりたいこと やってみよう♪基本PTAブログですが、日常やがんのことも綴ります。

岩波少年文庫とNHK人形劇の三銃士を比べてみる

2010年01月05日 | つれづれノオト
図書館で、我慢しきれず『三銃士』を
借りてしまいました。

中学校時代に読んだ覚えのある
岩波少年文庫版ですが(笑)

当時の記憶をほじくりかえすと、
主人公の青年・ダルタニャンがかっこよかったことと
とにかくおもしろかったことしか
覚えていませんでした。

『三銃士』を再読していて
ふむふむ、こんなお話だったのか

NHK人形劇の『新・三銃士』はだいぶ
設定や人物像・お話をアレンジしているなあ
と思いながら、概ね楽しく読み終わりました。


岩波少年文庫と、NHK人形劇での違いは
細かい点を挙げればきりがないし
そんなことをして興を冷ますつもりもありませんが。


一番興味深かった違いをあげてみると


青年ダルタニャンと、年上の三銃士の関係です。


小説の方では、
ダルタニャンは若いのに
知恵は深く、腕っ節は強く、覇気もあり
4人の中では一番の実力者。

そして、年上である三銃士と、割合対等な
関係を結んでいます。
お互いを尊重しつつ、長所で短所を補い合って
活躍しています。

さすが、ヨーロッパ。

個人個人が自立していて
自分の意志を尊重し、自分の頭で考え、
自分の責任において行動を決定しています。



対して、NHK人形劇。

実力は、ダルタニャンより、三銃士の方が上
という設定。

若い青年:銃士見習いダルタニャンが、
先輩方である三銃士に

  教えを請うている

姿が見受けられます。

また、随所で先輩を立てています。

三銃士の方も、若い者を導く、
若者の無鉄砲な行動をフォローする、
といった具合。


そういったことは、台詞の端々に
それとなく現れています。

おかげで受ける感覚が、なんとなく、日本的。


      



ヨーロッパ的と日本的。

どちらがいい悪いといった問題ではなく
文化の差違を感じました。

もちろんどちらも日本語作品ですが
岩波少年文庫は、どちらかといえば書き言葉で
だ・である調を用いていること。

NHK人形劇は、完全な話し言葉と
人形の身振りでものを表現していること。

この違いも、受ける印象に影響を与えて
いることと思います。


そして。
目上の方を立てる、という
日本的な風習は、現代に於いてもなお

基本的な価値観として
大切にされていますから、TV番組を見る
子どもたちに
伝える必要があるのでしょう。