後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

小金井公園内にある「江戸、東京建物園」にある懐かしき昭和初期の商店、居酒屋、銭湯の移築、展示

2014年11月30日 | 写真
小金井公園内にある「江戸、東京建物園」には懐かしい昭和初期の商店、居酒屋、銭湯などなどが移築し、展示してあります。
その中には豪邸もありますが、昭和初期の下町の商店、銭湯、居酒屋も移築し、展示してあります。下の写真は居酒屋です。

ここで飲んでいた人々は何処に行ってしまったのでしょう?昭和初期の店、居酒屋、銭湯を再現した一角が小金井公園のなかに有ります。そのころの商店や居酒屋、銭湯で活き活きとしていた人々はもう居ません。あれから支那事変が始まり満州事変、太平洋戦争、そして敗戦と目まぐるしく歴史がめぐりました。出征して死んだ人、戦災で死んだ人、苦難の歴史でした。これらの商店、居酒屋や銭湯を支えていた家族達は何処に住んでいるのでしょう?


あなたの子孫達が小金井公園を訪れ、この一角へ足を伸ばすことを祈ります。あなた達の父母や祖父母が築いた建物が立派に再現している様子をご覧になってください。

「北京のイスラム教、ラマ教、道教、大乗仏教とそれぞれの食文化」

2014年11月30日 | 日記・エッセイ・コラム
日本人は宗教的戒律によって独特の食文化を持っている民族を忘れがちです。
例えば、中国の回族は豚肉を食べないので北京市内には羊を主にした回族のためのレストランが数多くあります。中国の回族は漢族と血が混じっていて見かけは普通の中国人と変わりません。回族とは主に中国国内に住んで居るイスラム教徒でウイグル族とは違います。人種的には漢族です。ですから日本人には見分けがつかないのです。
観光で行った日本人は回族のレストランには行きません。ですから北京市内にイスラム教徒が多数住んでいることに気がつきません。
北京市にはイスラム教とラマ教と道教と大乗仏教があるのです。その混じった独特の文化を持っているのです。北京の文化は複雑なものなのです。
北京に限らず一般に世界の都市には複数の宗教が存在しているのです。例えばアメリカの都市でもインド人には戒律から肉食をしない人が多いのです。
ベジタリアンは宗教の戒律とは関係なく健康上の理由もあります。
上記のように宗教によって民族の食文化が変わっているのです。多くの民族は宗教的戒律の範囲で食生活をしているのです。
真の国際友好のためには宗教的戒律と食文化の関係を深く理解する必要があるのです。
私が北京で実際に見たことから、回族の食生活を漢族がどのように尊重しているかを説明したいと思います。
北京の大学へよく行ったのは1981年から数年間でした。
観光客の行かない大学の学生食堂で学生と一緒によく食事をしました。当時の中国の大学は原則として全員寮生活で、朝昼晩の三食は大きな学生食堂で取っていました。料理の品数は少ないのですが料理は本格的な北京料理で非常に美味しかったものです。
学生達は食器は自分の寮から持ってくるのです。食器は琺瑯引きの鉄製のドンブリです。食べ終わったらまた寮へ持ち帰り自分で洗うのです。
よく見ると、隣にもう一つ広大な学生食堂がああります。回族の学生専用の食堂です。
回族は豚肉を一切食べないので、ラードでいためた北京料理はいけないません。回教の定めに従った方法で殺した羊を食べるのです。従って異なるメニューの学生食堂が二つ必要になるのです。
その後、北京の街を注意深く見ると、回族食堂という看板を掲げた店が多いことに気がつきます。
そして白い布で髪の毛を隠した女や丸い帽子をかぶった男の回教徒が大勢歩いているのです。あるとき羊の群れが北京の中心街の大通りを埋め尽くして、悠々と流れているのを見ました。
独特の帽子をかぶった回族の羊飼いが交通妨害を気にしないで羊の群れを移動させている光景には吃驚したものです。
聞けと、ある季節になると北京で羊の市が立つというのです。ですから羊の群れは北京の風物詩だったのです。しかし高層ビルが林立する現在では見られないと思います。
こんな当時の風景に刺激されて、街の回族食堂に入ってみました。串に刺して焼いた羊肉は香料が効き、肉は柔らかで美味です。肉質がよいのか、北海道の羊の焼肉より数段うまいのです。
宗教的戒律のない漢民族は、北京料理に飽きると回族食堂にはいります。漢族は羊に違和感を持たないのです。北京料理にも羊肉のシャブシャブがあり、真ん中に炎抜きの煙突がついた火鍋を用いで卓上鍋で煮て食べます。
共産党独裁の中国でも回族はその伝統的食習慣を守りながら悠々と生きているのです。政府を攻撃しない限りイスラム教も他の宗教も許されているのです。
多民族の混じっている中国では、それぞれの民族の食習慣が民族のアイデンティティーになっているのです。

日本人は明治維新までは仏教の影響でベジタリアンに近い食文化を持っていた筈です。しかし現在の日本のグルメブームには思想や宗教に対する配慮が無さ過ぎます。
文化と言えば音楽とか絵画だけではありません。食文化も同じように重要なのです。そしてその食文化は多くの民族の信じている宗教とも密接に関係しているのです。食文化は奥の深い文化の一つの分野なのです。
三枚の写真は中国国内に住んでいる回族の写真です。顔をよく見ると漢族と同じです。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)
上の写真の回族の子供の写真の出典は、http://www.glulu.com/cate/messages.asp?articleid=588 です。
上の回族の一家の記念写真の出典は、http://nx.cnr.cn/btwh/hxfq/201009/t20100907_507010422.htmlです。
上の回族の女性のファッションの写真の出典は、http://www.cnr.cn/2012zt/58/55/201209/t20120907_510856570.htmlです。