今度は官僚自身の立場になって「天下りが絶対必要な理由」を説明してみます。ご自分が仮に国土交通省の一官僚という立場でお考え下さい。
中央官庁は平、係長、課長、部長、局長、次官と出世する階段が人事院規則で決まっています。自分が政治家の意見も聞かずに自由に使える予算は、階段を登るに従って増大して行きます。皆が偉くなろうとします。当然です。ところが偉くなれなかった人は若くても中年でも役所を辞めて、去って行かねばならないのです。
私が少しお付き合いをしていた通産省や経済産業省では課長になったら役所を止める人が非常に多くいました。部長や局長の数が非常に少なく決まっていたからです。
課長といえば大体42歳、43歳の人でした。通産省を止めてどうして生活をして行きますか? どうして子供達の教育費を稼ぎますか?42歳、43歳のころは人生で一番お金の必要な時期です。通産省の所管する財団方人や社団法人の専務理事や常務理事になって60歳の定年までそこに居る例が普通でした。
民間の大企業で課長以上になれなかった人をすぐ首にはしません。それどころか定年まで平社員の人もいます。中央官庁だけが過酷くな人事運営をしているのです。
外郭団体も最近は財政難です。天下る役人は民間会社へ就職します。その場合、自分が官庁に居た間に色々便宜をはかって上げた会社へ就職するのが人情というものです。
ですから天下りする役人は怒っています。なぜ天下りが悪い!!!
ここで自分が役所を去るので公務員の人件費がこれ以上増大しないのだ!!!
その通りです。官僚の人事管理の方法を根本的に変える必要があるのです。民主党にはそれが出来るでしょうか?
天下る官僚は個人的に悪くはないのです。長い間の習慣として自民党の政治家も認めてきたのです。
しかし官尊民卑の思想で官庁が天でその他は地という思想を恥ずかしいとも思わないで使う人々がいるのには吃驚します。皆様は官僚の立場になって中年のころ辞めるとどうなるか、お考えになったことがあるでしょうか?(続く)