ネット上の友人に伊万里さんという方が居ます。伊万里焼きが大変好きでハンドルネームを伊万里としたようです。その方が趣味人倶楽部というSNSの日記欄に息子と別れる母親の心の揺れ動きを書いています。男親とは違うので、私には興味深く読ませて頂きました。転載の許可をご本人から頂いたのでご紹介いたします。
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「♪ 思えば 遠くに来たもんだ~~ ♪」―伊万里
子供というもの 例外はあるにせよ 良くも悪くも 親の期待をことごとく裏切り 巣立っていくものだと思っている。かつて 自分がそうであったように 親を泣かせて独立していくものだと思う。
親稼業とは「希望」「落胆」「あきらめ」「受容」の連鎖だと思う。
息子が大学に入り 一人暮らしを始め引越しをした時 この先もう 一緒に暮らすことは 無いであろうと思った。「子別れ」だと思った。大学の4年間 息子が離れた地でどんな生活をしていたか 私は殆ど知らない。知りたいとも思わなかった。「子別れ」したのだから それで良いと思ってきた。
卒業の時 4年ぶりで息子の住む町を訪れた。空港に迎えに来た息子の傍らに 可愛い女性がいた。
話には聞いていた 息子の彼女だった。一目 見て 私は彼女を好きになった。無条件降伏であった。初対面にもかかわらず どこか懐かしく昔から知っている女の子に会えた気持ちになれた。と いうか 私に似ていると思った。性格 感性がどことはなしに 似ているのだ。
あれから 二人は遠距離恋愛を続け 反対をなさるご家族を説き伏せ 昨日やっと 結納にこぎつけた。スルスルと事が運び お母様と二人っきりになれた時 初めてお話をさせていただいた。
二人のことを応援してくださったのは お母様だけだと聞いていたので 御礼を申し上げたかったのだ。
女同士である。奇しくも同じ年齢 同級生、おまけに結婚に至った経緯もよく似ている女同士 ゆっくりお話しをしたかったのだ。
不出来な息子を認めて応援してくださったこと、快よく息子を受け入れて下さったこと 離れた地に娘さんを送り出してくださることに感謝した。結納に至る日までの二人を見ていて感じていたこと全て お話させていただいた。その時 お母様が涙を流された。お母様の胸のうちを 初めて聞かせていただいた。
私は 親として二人にしてやれることは 殆ど残っていないと思っている。
これから始まる二人の生活に口を出す気もサラサラない。ただ お母様の思いは いつか息子に話さねばと 思っている。来月 二人は入籍する。挙式は来年になるそうだ。親稼業 いよいよ卒業である。
私に 可愛い娘ができた。(終わり)
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