山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

富士山頂に現れたカタリナ彗星(C2013 US10) 猪之頭林道  平成27年12月20日

2015年12月21日 | 星空
 以前は彗星の位置を計算する際にアストロガイドとカシミール3Dを組み合わせて計算していたが、ステラナビゲータ10を導入してからはあまり苦労せずに彗星の軌道と位置が計算できるようになった。12月20日にカタリナ彗星が富士山山頂を舞うベストの場所は七面山であるが、とても登る気にはなれないし、未明2時半に富士山山頂に現われた後、日の出までの5時間ほどの時間を極寒の七面山でじっと待つことは今の私には到底出来そうもない。もちろん朝霧高原の道沿いからも撮れるのだが、少し高度を上げたところから撮りたい。そこで選んだのが猪之頭林道だ。冬季はゲートが閉鎖されている可能性が高いが、ゲート前あたりが撮影に好適地だ。

 精進湖でスカイメモのテスト撮影を1時間半ほど行った後、猪之頭林道に移動する。富士山頂にカタリナ彗星が現われるのは計算上では2時45分ごろだ。15分ほど前に到着できると予想していたのだが、猪之頭林道は道が曲がりくねっていて長く、予想以上に時間がかかり、到着は2時40分ごろになってしまった。急いで場所を探し、カメラ機材2セットとスカイメモを担いで撮影地でセットする。時刻を見れば2時48分、若干出遅れた。富士山頂に照準を合わせて撮ってみると、もう富士山の白山岳の上に彗星が昇っていた。タイマーリモートコントローラーをセットして1台は固定してインターバル撮影を開始、あとはお任せで撮影だが、後にパソコンでデータを見てわかったのだが、2秒露出でセットしたはずがセットを間違えたようで1秒露出になっていたため、かなり暗くてノイズの多い画像になってしまっていた。


    急いでカメラ機材をセットし撮影してみると 富士山白山岳の上にもう彗星が昇っていた。 Eos7D, 200mm F2.8, 2sec, Iso6400


    富士山頂を舞うカタリナ彗星。この視野で固定して彗星をインターバル撮影。  Eos7D, 200mm F2.8, 1sec, Iso6400


    カタリナ彗星の軌跡。 画像を明るく補正し、Siriusというフリーソフトで179コマを比較明合成したもの。

 その後もトラブルが続く。もう1台のカメラにスカイメモを搭載して追尾撮影しようとしたのだが、三脚に接続するネジの部品が誤って台座の内部に落ち込んでしまった。この部品が使えないと私の持っている三脚にはスカイメモが接続できない。悪戦苦闘30分ほど、ようやく接続部品の取り出しに成功し、スカイメモをセットした。ところが・・・持って行った Eos40D はしばらく使っていなかったためか、電池が劣化しており完全に充電してきたはずなのに数枚撮っただけで電池切れ。3個持って行った電池が全て同様で使い物にならない。車に戻って EosM2 をセットするが、今度はメモリーカードを職場に置き忘れてきてしまいこちらも使い物にならず。結局は Eos7D 1台で撮影することになってしまう。

 気を取り直してスカイメモをセットし直し、カタリナ彗星を追尾する。


    カタリナ彗星 (C2013 US10)  Eos7D, 200mm F3.2, 45sec, Iso1600


    上記5枚を加重加算合成。 45秒×5枚=225秒露出


    上の画像をトリーミング。空が澄んで絶好の撮影条件だったが、今の機材では上方に伸びるイオンテイルの枝分かれまでは描出できず。

 他にも試しておきたいものがあった。新しく作り直した手製のハーフ拡散フィルターだ。NDフィルターに液晶画面の反射防止フィルターを切り抜いて張り付けたものだが、以前のものよりやや厚めのものに変えてみた。確かに星の輝きは増すのだが、もともと明るい金星だと光が拡散し過ぎてまるで月のような輝きになってしまう。さらに光の拡散の仕方が不自然で、このフィルターだと厚すぎるようだ。


    昇って来た金星と駿河湾の灯り


    新作のハーフ拡散フィルター装着画像。金星が光り過ぎて月のようだ。小さな星の輝きは消えてしまう。このフィルムは失敗作。


    20秒固定25秒追尾、計45秒露出の新しい撮影法で撮った画像。空は良いが町灯りが流れてしまうのが難点。


    折角ふたご座流星群が流れたのに、スカイメモ操作の祭に自分の頭とヘッドライトが写り込んでしまった間抜けな画像。


    薄明が始まった。水平線が明るみ出し、空が青く写る。


    薄明の空に輝く金星


    薄明の空のグラデーション


    日の出が迫る。富士山に朝日が射し込んでいる。


    愛鷹山のあたりから朝日が昇る。


    日の出。本日ここまで。

 この日の夜は精進湖から始まって徹夜での撮影となった。これを想定してこの日はお昼ごろまで寝ていたが、やはりかなり体に堪える。もうすぐ月明かりが射し込むようになりカタリナ彗星の撮影は難しくなってしまうため、条件の良い日になんとか撮影しておきたかった。しかし、富士山頂に現われたカタリナ彗星は露出時間を間違えたうえにトラブル続出で見事に撮影失敗である。1月中旬までは撮影の機会があり、リベンジしたいと思っている。出来れば、山梨県の山から撮ってみたい。


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