山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

南部町の渓谷のシダ探索 令和3年3月14日

2021年03月15日 | シダの仲間
 何度か探しに行っているが見つからないシダを花仲間が見つけ出してきてくれた。GPS軌道も送っていただいたので簡単に見つかるだろうと思ったのだが、どうも渓谷の支脈のさらに支脈の谷の中らしい。ひょっとしたらGPSが位置をうまく拾ってくれないのでは?と心配しつつ、地図で位置を確認してから入山する。


    林道脇の2ヶ所でイヌチャセンシダを発見。


    少し色の濃いコケシノブの仲間を発見。


    マクロレンズで見てみると裂片の辺縁に鋸歯がある。これはコウヤコケシノブ。コケシノブと一緒に普通にある。


    ミヤマイタチシダ。この場所では稀。


    滝が流れ込む。


    その脇に何かシダが群生している。


    イヌチャセンシダを期待したが、どうやらツルデンダのようである。


    目的地の滝に到着。この沢沿いだろうと思っていたのだが、滝の周辺の岩壁には目的のシダは生えていなかった。


    滝を巻いて越えてみる。その先は倒木で荒れている。渓谷沿いの岩や岩壁を探してみるが見つからない。


    この渓谷に生えていたのは白いほうのハナネコノメソウだった。


    これはイワボタン(たぶん)

 目的の渓谷を探索してみたが探し物のシダは発見できなかった。この周辺には他にも支脈の谷が多数存在しており、いただいた地図だけだとどの谷なのかいまひとつ分かりにくい。それと、心配していた通り、渓谷の途中でGPSが位置を拾わなくなってしまい、正確な位置が出て来なくなってしまった。こうなったら・・・片っ端からシラミツブシ作戦に出る。


    別の支脈に入ってみる。倒木で荒れているが古い林業作業道のようなものが対岸に付いていた。緩い沢がずっと先まで続いており途中で撤退。


    この沢の岩に苔と一緒に付いていた小さなシダ。


    特徴的な毛はだいぶ薄くなってしまっているが、これはカラクサシダ。


    次の谷を覗き込む。


    この谷ではもうツルシロカネソウが咲き始めていた。


    次の谷は枯れていて岩ゴロゴロ。


    大岩を越えると谷は左右に分かれていた。


    谷の上流は水が流れていた。


    色の変わったコケシノブの仲間が生えていた。


    アオホラゴケ?かと思ったのだが、普通のコケシノブのようである。胞子嚢がまだ付いておらず詳細は不明。


    ここにもハナネコノメソウ。


    そしてツルネコノメソウ、と思ったのだが少し感じが違う。葉が対生しており、これはムカゴネコノメソウのようだ。


    次の谷。ここも枯れていて岩ゴロゴロ。


    大岩を越えて上を探る。


    イワナンテンが点々と生えていた。


    さらに次の谷。少し水が滴って来る。


    谷の上部。頑張れば稜線まで登り付けそうである。ここまでで撤退。


    ヤマイワカガミが生えていた。

 何本も沢や谷を探り時刻は4時を過ぎてしまった。結構疲れたし、何度か足元の石が崩れて危ない思いもした。そしてなんとか探し物のシダに出会うことが出来た。


    探していたのはこのヘラのような可愛らしいシダ。


    かつて生育していたと聞く別の沢を探したが、岩壁が崩落してみあたらなくなってしまったシダ。


    ヒメサジラン。やっと出会えた。


    ソーラスを下から覗き込む。上から見下ろして笑っているようである。

 だいぶ苦労したがなんとか目的のシダに出会うことが出来た。花仲間はよくこんな谷を登ってこのシダを探し出してきたものである。凄い。しかし、向こうも私のことをそんなふうに思っているのかも知れない。今年は何度か合流して花探索に出かけることになっており、今後が楽しみである。

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