山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

春の武田の杜遊歩道を散策  令和4年4月27日

2022年05月01日 | 渓谷
 前日の午後から降り始めた雨は午前中には上がった。夕方から講習会が入っているがそれまでは時間がとれる。3月にエビネの葉を確認している場所が気になっていたので、咲いたかどうか見に行ってみることにする。


    ジャケツイバラが咲き始めていた。


    ホタルカズラ。以前は群落を形成していたが、ずいぶんと少なくなってしまった。


    イチリンソウの群落。これもだいぶ減ってしまっているが、今年も咲いてくれていた。


    やや大き目の花を咲かせるイチリンソウ。もう終盤だった。


    ウツギは満開。少し散り始めている。


    ウツギの花


    オトコヨウゾメはたくさん咲いていた。ガマズミはあまり見かけず、もう散っていた。


    ヤマツツジは満開


    樹林の中にカタクリの群落があった。既に種になっていたが、結構咲いたようである。


    キランソウが満開


    ジュウニヒトエはもう散り始めていた。


    咲き始めのフデリンドウの大株


    ヤマザトマムシグサと思われる。仏炎苞に黒緑色の光沢がある。


    一株だけ見つけたこのテンナンショウ。葉軸が1本で仏炎苞が低い位置に付いている。


    形態的にはヒロハテンナンショウと思われるが、一株しか無いので判定は保留にしておこう。


    ウラシマソウはだいぶ数を減らしている。これは倒れてしまっていた個体。


    沢沿いには立派な個体があった。


    新緑のイワデンダ


    真新しいクマワラビ


    クマワラビの胞子嚢は先端部に寄って付く。胞子が付いている部分は羽片がやや小さめである。


    鱗片は茶色~薄茶色。


    良く似ているがこちらはオクマワラビ


    オクマワラビの胞子嚢は上部から中間部あたりに付く。胞子を付けた羽片の大きさは変わらない。


    鱗片はこげ茶色。シダも見直しながら歩いて頭をアップデートしておかないと、あっという間に忘れてしまう。


    問題のエビネ。やっと数株だけ復活して咲いてくれた。


    1株だけだが、ピンク色のエビネも咲いていた。

 かつては20株くらいの大株が2つ、ピンクと白が並んで咲いていたのだが、大規模な盗掘に遭って無くなってしまった。小さな葉が数枚残っていて、5年がかりくらいでようやくここまで復活してくれた。なんとかまたたくさん咲くところまで復活してくれればと願っている。

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オクタマスミレ咲く 甲斐市北部  令和4年4月21日

2022年04月23日 | 渓谷
 オクタマスミレが群生する場所はまだ林道ゲートが開いておらず、長い距離を歩かなければならないが、もっと手前のほうで数株咲いたらしく、花仲間に案内していただいた。


    ヒナスミレが見ごろになっていた。


    この界隈のヒナスミレは色が濃くて美しい。


    エイザンスミレも咲いている。


    アカネスミレ


    そしてこれがオクタマスミレ。葉がギザギザしている。ヒナスミレとエイザンスミレの交雑種。


    花の色はヒナスミレ似だが形はふっくらしていてエイザンスミレに似ている。


    もう一株は少し疲れ気味である。

 渓谷沿いではコガネネコノメソウやニッコウネコノメソウが咲く時期になっている。林道を少し上まで歩いて渓谷に下りてみるが、大規模な伐採が行われていてだいぶ様子が変わってしまっていた。


    コガネネコノメソウ。たくさんある。


    ハナネコノメソウはそろそろ終盤である。


    今盛りなのがニッコウネコノメソウ


    普通にある。


    葯が赤、ないし黒っぽくて花が平開する。


    ヤマエンゴサク。たくさん咲いていた場所は伐採のために削られてしまった。


    黄色いアマナが咲く場所も堰堤工事が行われ消滅したかと思っていたのだが、核心部は残っていた。


    花はもう散った後だった。忍野で見てきたヒメアマナとはだいぶ大きさや感じが違う。これはキバナアマナとすべきだろうか?

 他にも数ヶ所散策してきた。雨を心配していたのだがなんとか降らずに持ってくれた。林道ゲートが開いたら、オクタマスミレの群生地を訪れてみたいと思う。

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沢を探索するが目ぼしいものは見つからず  令和4年4月5日

2022年04月08日 | 渓谷
 敷島カタクリロードに近く、同じような環境にあると予想される沢筋を探索してみた。以前から注目していて、道らしきものがあるのは確認しているが、どうなっているのかは全く不明である。カタクリやアズマイチゲが生育しているかも知れない。


    以前から注目していた沢を探索してみる。


    道はあるが歩かれているような様子は全く無い。


    倒木が多く荒れている。


    沢の源頭まで来たが、目ぼしいものは見つからず鹿の足跡だらけだった。期待していたカタクリは見当たらなかった。


    尾根を越えて反対側の沢に入ってみる。尾根筋に道があるかと期待したが藪だった。


    沢に下る途中の斜面にミツバツツジが咲いていた。


    ミツバツツジの花。雄しべは5本である。


    沢に下り立つ。向こう側に道が付いている。


    先に進んでみると2手に分かれたいた。まず右側に入ってみる。


    沢の源頭付近。上の稜線まで行けそうだが、何も目ぼしいものは生えておらずここで引き返す。


    左側に入ってみると、その先はススキ野原になっていた。ここを進む元気は無く、ここまでで引き返す。

 思っていたよりも藪っぽくて日当たりが悪く、カタクリやアズマイチゲが生育しているような環境では無かった。林の中を歩きながら戻るが、アカマツの樹林を見上げてみると寄生植物が付いていた。


    アカマツの木を見上げる。何か着いている。


    この森の木にもマツグミが寄生していた。


    かなりたくさん生育していた。


    この木はウダイカンバ(カバノキ科カバノキ属)ではないかと思う。


    昨年の残りの雄花と種子


    芽吹きの葉と芽


    先端部が雄花、葉と一緒に芽吹いているのが雌花ではないかと思う。ウダイカンバは少し珍しい木である。


    南アルプスが見渡せる展望地に出た。車を止めた道路はすぐ下にあった。

 残念ながら探索は失敗であったが、初めて歩く場所での探索はたいていこんなものである。目的の花には出会えなかったが、マツグミがこの辺りにも生育していることが分かった。もう少し離れた北杜市あたりにも生育しているのかどうか、歩く時には気をつけて上を見上げて歩いてみたいと思う。

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キバナハナネコノメと・・・シロバナノキバナハナネコノメ?  令和4年4月1日

2022年04月05日 | 渓谷
 毎年の恒例となりつつあるキバナハナネコノメを見に行ってみる。昨年白い花が見つかっており、おそらくはシロバナノキバナハナネコノメと思われるのだが、ハナネコノメとの区別がつかない。今年はしっかりと画像を撮って来たいと思っているのだが、画像判定では結論が出ないのではないかと思う。


    普通のキバナハナネコノメ。その名の如く黄色い。


    キバナハナネコノメの花


    側面から見る花


    すぐ近くに色の違うハナネコノメの仲間が生えている。これは薄黄色、ないし薄黄緑色の花の色をしている。


    花の形はほぼキバナハナネコノメと同じである。


    さらに真っ白なハナネコノメの仲間も咲いている。


    花の形はほぼ同じである。これはシロバナノキバナハナネコノメとして良いのかどうか?


    別株のこの花はハナネコノメソウと全く区別が出来ない。


    さらに黄緑色の花も見つかった。


    葯は黄色で少し違うような印象を受ける。

 花の色はまちまちであるが、全て同じ斜面に咲いており位置もあまり離れていない。おそらく、全てキバナハナネコノメの色違いのものか、色違いのさらに交雑したものではないかと思っているのだが、どうなのだろうか?形態や色を見ているだけでは結論は出ないのではないかと思う。最後は遺伝子を調べなければ分からないのではないだろうか?

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ハナネコノメが見ごろを迎える 黒富士農園  令和4年4月1日

2022年04月03日 | 渓谷
 毎年の恒例となっている黒富士農園のハナネコノメであるが、花仲間が見に行ってくれてもう咲いているとの情報をいただいた。さっそく訪問してみる。


    例年ならばこのシダレザクラが咲く頃に満開となるはずだが・・・


    ヤマエンゴサクは咲き始めたばかりだ。


    まだ満開にはなっていなそうだ。少し早過ぎたかと思ったのだが・・・?


    渓谷を遡上して行くと次第に花を咲かせたハナネコノメが多くなってきた。


    ほぼ満開に近いハナネコノメ


    毎年楽しみにしている大株。今年は少し花が少な目である。


    渓谷の流れに咲くハナネコノメ


    そして出会ったのが今年一番の大株2つ。


    左側が白いハナネコノメ、右がピンク色のハナネコノメである。お見事!


    ピンクのほうのハナネコノメ。ちょうど見頃である。


    今年も大いに楽しませてくれた渓谷に咲くハナネコノメ。


    農園に咲き始めていたこの白い花はコブシ?それともタムシバ?


    花の裏には葉が無い。コブシは1枚葉が付くらしい。おそらくこれはタムシバ(ニオイコブシ)であろう。

 今年のハナネコノメは上流側から咲き始めたようである。あと1∼2週間が見頃なのではないかと思う。

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コシノコバイモ満開  令和4年3月28日

2022年03月29日 | 渓谷
 恒例となっているコシノコバイモが咲く渓谷を訪れてみる。


    だいぶ春らしくなってきた渓谷


    アオイスミレが咲いている。


    株数はあまり多く無いが、この場所は大株がみられる。


    ヒメカンスゲが花を咲かせている。


    谷に咲くダンコウバイ


    カタクリも咲き出している。


    谷に咲くカタクリの花


    ミヤマエンレイソウはまだ蕾


    コシノコバイモは満開になっていた。


    渓谷の斜面に咲くコシノコバイモ


    若葉がたくさん出ている。いつかたくさん咲いてくれるのを期待したい。


    4株咲いているものに出会った。今年は比較的個体数が多いように見える。


    渓谷に咲くコシノコバイモ。来年にも期待したい。


    ネコノメソウの仲間が咲いていた。


    花はほぼ平開している。葯は黄色いものと赤いものが混在している。これはイワボタンとすべきか、ニッコウネコノメソウとすべきか?


    周辺の山や谷にはニッコウネコノメソウが多いので、ニッコウネコノメソウとしておこう。


    樹木も見てみる。これは何?


    黒い房のようなものがぶら下がっている。


    これが黒くなる前のものだろう。図鑑で調べてみると、これはフサザクラ(フサザクラ科)(別名タニグワ)という樹木のようである。


    クロモジに似ているが、花の数が少なく大人し目である。


    枝が灰褐色で、緑色のクロモジとは違う。図鑑で調べるとカナクギノキ(クスノキ科クロモジ属)というクロモジの近似種らしい。

 例年よりもやや開花が遅れた渓谷沿いのコシノコバイモだが、無事に咲いてくれた。武田神社のソメイヨシノが例年よりも早く満開となっている。もう1ヶ所のコシノコバイモも咲いているのではないだろうか?近日中に訪問してみたいと思う。


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甲斐市の谷沿いの林道を偵察  令和4年3月1日

2022年03月04日 | 渓谷
 出張で近くまで来たので、谷沿いを通る林道を偵察してみた。この近傍にはカタクリやアズマイチゲが咲く敷島カタクリロードがあり、環境的に良く似ている。まだ花の時期には早いのだが、どんな感じなのか、車をところどころに停車させながら散策してみた。


    渓谷の上流部。まずはこの上を偵察してみる。


    少し遡上すると大きな堰堤が現れた。これを越えてみる。


    その上は池になっていた。さらに上流部を探索するならば左上に見える林道を使ったほうが良さそうだ。ここで引き返す。


    林道の法面に普通に生えていた草。


    これはヤブランだろう。キチジョウソウの葉に良く似ている。


    支脈の枯れた沢を歩いてみる。


    これはシュンランの葉だろう。たくさん見かけるが花芽は見つからない。


    リョウトウイタチシダを期待したのだが・・・


    鱗片の幅は細く、これはオオイタチシダのようだ。


    下流部に神社があった。


    神社のほこら


    2種類の木が生えている。


    こちらは幹が白っぽくて溝が浅い。


    葉を見てみると先端部が2つに割れて尖っている。これはモミの木であろう。


    もう1本の木


    木の幹は鱗片が大きくてマツの木に良く似ている。


    葉を見てみると先端部は尖っていない。これはツガであろう。


    林道の下流部出口付近は大規模な太陽光発電パネルが設置されていた。こんなに山肌を削ってしまって大丈夫なのか?

 まだ春早く花は何も咲いていない。4月ごろになればきっとスミレが咲き出すであろうし、うまくすればアズマイチゲがありそうな感じがする谷だった。隣にある谷も面白そうな気がする。時間がとれれば再訪してみたい。
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雪の渓谷の植物探索  令和4年2月13日

2022年02月18日 | 渓谷
 先日イワツクバネウツギと思わしき低木が渓谷沿いの岩壁に生育しているのを観察してきたが、今回訪れる渓谷沿いにも生育しているらしい。もっと上流部での目撃情報があり、昨年探索したものの発見できておらず、今回は下流部を探索してみる。甲府の市街地ではもう雪は解けて無くなっているが、やや標高の高い渓谷沿いはまだくるぶしの上あたりまで雪が残っている。果たして発見できるのかどうか?


    雪がまだしっかりと残っている渓谷沿いの道。足跡が付いているがこんな雪の中を歩く物好きが私の他にも居るようだ。


    足跡をたどってみると、渓谷支脈から道の無い尾根に向かって付いていた。どうやら尾根筋からこの渓谷に下りてきた人が居るらしい。


    本流に戻って下流に向かって歩く。落石に注意しながら散策する。


    岩壁にビッシリとシダが付いている。


    冬期で葉を丸めているイワヒバのようだ。


    この木は渓谷沿いでたくさん見かける。


    枝に筋が入ったこの木は探しているイワツクバネウツギに少し似ている。


    しかし幹を見てみると別物だ。


    たぶんこの木はウツギではないかと思う。


    コクサギは葉が出ると独特な付き方をするので見分けるのは簡単だが、冬期は残っている種の殻で判別出来る。


    種を飛ばした後のコクサギの殻


    棘の生えたこの木は何だろうか?


    これはハリエンジュか?樹木はほとんどド素人の私には分からない。花の咲く頃に見てみないと分からなそうだ。


    雪が積もるこの谷も、葉が茂り花が咲く季節になると、全く違う姿を見せてくれることだろう。


    もう少し下流にに行くと集落に出るが、ここまでで引き返す。

 探し物のイワツクバネウツギは見つからなかった。あるいは見落としているかも知れない。幹や太い枝に特徴のある窪みがあるので、花が咲かなくても区別できるだろうと思ったのだが、個体数が少ないのでそう簡単には姿を見せてくれなそうだ。花が咲く頃に再訪してみたいと思う。

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キジノオシダとオオキジノオ 南部町シダ探索(続き) 令和4年

2022年01月19日 | 渓谷
 最近になってタカサゴキジノオという南方系のシダが南部町で発見された。これも地球温暖化の影響なのかもしれないが、先日確認に行ってきたものの、それが本当にタカサゴキジノオなのか、それともキジノオシダなのか私の目では判別が出来ず、保留になっている。では本物のキジノオシダはどんな感じだっただろうか?一昨年発見したキジノオシダとオオキジノオを確認に行ってみる。


    だいぶ葉が大きくなって成長したクリハラン


    キジノオシダの前にヤブソテツを見て回る。これは普通のヤブソテツで、光沢があるタイプ。テリハヤブソテツとも呼ぶようだ。


    こちらはさらに光沢が強く、濃い緑色が鮮やかなナガバヤブソテツ。


    辺縁は波打つ程度で細かい鋸歯は無い。


    ソーラスは葉の裏側全体に散在する。


    こちらはメヤブソテツ。光沢はあまり目立たず、上品な黄緑色の美しいシダ。


    この場所では用水路の周辺を好んで生育している。


    葉の先端は尖り、葉の辺縁に細かい鋭鋸歯がある。羽片の基部上側に尖った耳状の突起がある。


    問題のキジノオシダ。2年前に比べると数が増えたように見受けられる。


    胞子葉が枯れ残っていた。


    先端部にある頂羽片がしっかりしており、これはキジノオシダで良いのではないかと思う。


    羽片を見てみると、上側に羽片の付け根が軸に流れて付着している。


    こちらはオオキジノオ。


    羽片の付け根部分には柄があって羽片は軸に流れない。

 これがキジノオシダで間違いないのであれば、先日見てきた個体もおそらくはキジノオシダで良いのではないかと思う。冬期で少し葉が傷んでいることがあり、もっと状態の良い時に再訪して確認してみたいと思っている。


    南部町から見る残照の富士山と月


    残照富士

 この日は早めにシダの観察を終えて富士宮市の白糸の滝あたりでパール富士を撮る予定だったが、なかなか思ったようにシダの撮影と同定が進まず時間がかかってしまい、パール富士には間に合わなくなってしまった。残照の紅富士と月を眺めることが出来たのでこれで良しとしたい。シダはまだまだ勉強不足である。

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前日に続いて清泉寮へ しかし・・・令和4年1月2日

2022年01月07日 | 渓谷
 南部町の渓谷に生育するシダを巡り、3時前には林道から抜け出てきた。南アルプスや富士山には少し雲がかかってきている。さて、夕暮れのレナード彗星は今日はどうだろうか?昨日の清泉寮でフォーカスが合わず悔しい思いをしていたので、リベンジに再度清泉寮に行ってみる。今日はフォーカス合わせに新しい武器を持って来た。


    清泉寮から見る南アルプス。北岳から鳳凰山のあたりに雲がかかっている。この程度ならば行けるだろうと思ったのだが・・・


    前日に比べると少し霞が出ているが富士山は良く見えている。

 前日と同じく3台のカメラを今回は少し早目にセットしてレナード彗星が現れるのを待つ。ところが、日没を過ぎた頃から南アルプスにはどんどん雲が湧き上ってきてしまう。


    夕焼けの雲。次第に雲が増えてきた。


    1台のカメラは甲斐駒ケ岳にしっかりとフォーカスを合わせてしっかり固定し、レナード彗星が舞い降りるのを待つ。


    こちらは簡易赤道儀に載せたカメラ。前日も遠景でフォーカスを合わせたが、これだと微妙に星に合わないことが分かっている。


    そして今回使ったのがクロスカットフィルターである。これを使って輝き出した木星でしっかりとフォーカスを合わせる。


    ところが、どんどん雲が増えてきて・・・


    遂に甲斐駒ケ岳は雲の中に隠れてしまう。


    雲の隙間を狙って彗星を探すが・・・


    全く写ってこない。


    簡易赤道儀のカメラは星にフォーカスが合ったものの・・・


    とうとう彗星の姿は捉えられなかった。


    残念。またまた失敗。

 レナード彗星はそろそろ光度も高度も低くなってきて撮りにくくなってくるであろう。おそらく明日が最後になるのではないかと思う。晴れてくれるのを願う。

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湯村山尾根の紅葉と夕暮れの甲府盆地 甲府市八王子山  令和3年12月1日

2021年12月04日 | 渓谷
 湯村山周辺の紅葉が先週あたりにピークを迎えていた。まだ十分に楽しめるはずである。午後から千代田湖の上にある白山と八王子神社の周辺を散策してみる。


    白山の展望台に直登する道を行く。


    この看板をさらに直登


    白い岩の展望地に出る。


    その上には東屋が立っている。


    展望台からの南アルプスの眺望。下に見えるのが千代田湖。


    茅ヶ岳と曲岳・黒富士の眺望。左側の八ヶ岳は雲に隠れている。


    東屋の柱に付いている看板を見てみると、ここが白山の頂上になるようだ。神社があるところが白山山頂と思っていたが違うようだ。


    こちらが八王子神社がある頂上。左側の看板には白山八王子神社と書かれているので、てっきりこれが白山山頂と思っていた。


    しかし、山頂の小広場に立つ標柱を見ると、ここは八王子山の山頂のようだ。今までずっと勘違いしていたようである。


    八王子山山頂から見る甲府盆地と富士山。左側に見える愛宕山周辺の紅葉はほぼ終わりかけているが、右下の湯村山から続く尾根は見頃である。


    白山展望台に移動する。


    展望台の岩の上から見る湯村山尾根の紅葉。ちょうど見頃だった。


    PLフィルターを効かせると不自然なほどに鮮やかな紅葉が映る。


    紅葉の湯村山周辺。


    夕陽が沈んで行く。


    夕暮れ迫る甲府盆地


    夕暮れの富士山


    夕日に染まる富士山


    残照富士


    夕暮れの空


    甲府盆地に町灯りが灯る

 毎年のように見に来ている白山展望台から見る紅葉であるが、スッキリとした富士山が現れてくれて例年に無く綺麗な富士山と紅葉のコラボレーションを楽しむことが出来た。風が強く、星が輝き出すのを待たずに撤退する。

 帰り際に和田峠中腹にある展望台に立ち寄ってみる。


    和田峠展望台から見る夕景と富士山。夜景を楽しむには良い場所なのだが、写真撮影には駐車場脇にある街灯の明かりが明る過ぎて撮りにくい。


    空には木星が輝く。

 距離はあまり歩かなかったが、良い景色を存分に楽しむことが出来た。

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月光の昇仙峡ナイトハイク  令和3年11月18日

2021年11月19日 | 渓谷
 紅葉が見ごろを迎えている昇仙峡は日中訪問すると平日でも大混雑である。平日の午後ならばあまり混雑していないかと思って数日前に行ってみたが、駐車場がいっぱいで路上駐車の車がずらりと並んでいた。人の多いところは苦手だし、混雑していると写真が撮りにくいので撤退してきた。そこで今回出かけたのは月齢14の明るい月が照らす夜の昇仙峡である。夜中に歩いている物好きはまず居ないはずである。7時半ごろに昇仙峡の駐車場に到着し、月光のナイトハイクを楽しむ。


    月光照らす羅漢寺山。紅葉はまだ見頃である。


    見上げる岩峰と覚円峰


    紅葉と岩峰


    もみじの紅葉と覚円峰


    木星輝く谷


    月光照らす渓谷の岩壁


    橋に到着したが、その向こうの明かりは?


    仙娥滝はライトアップされていた。


    ライトアップされた仙娥滝


    色が不自然になってしまう。


    月明かりを使ってナチュラルに撮りたかったのだが、ちょっと残念。


    覚円峰と紅葉の渓谷

 渓谷の中を歩いている物好きは私一人だけで、独占状態で撮影してきた。レンズは2本持って行ったが、暗いところでのフォーカス合わせは難しいので、使い慣れている16㎜と24㎜の焦点のみを使って撮影した。肉眼では紅葉は見えないのだが、撮影してきた画像を見てみると、なかなか綺麗に色付いていた。存分に楽しんだナイトハイクだった。

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月と木星と金星が輝いた夕暮れ 甲府市白山展望台  令和3年11月13日

2021年11月16日 | 渓谷
 一昨日は木星の下に月が輝く構図だった。昨日は月と木星が並んでいたはずだが、夕方は雲が広がって観察には不向きだった。この日は月が木星よりも高い位置に登り、さらに土星、金星が斜めに並ぶ構図になるはずである。曲岳で日没まで待つという選択肢もあったのだが、とてもそんな根性は無く、下山後に手軽に行ける千代田湖の上にある白山に登ってみる。


    月光照らす八王子神社


    八王子神社(白山山頂)から見る甲府盆地の夜景と富士山


    空には月と木星が輝く。この場所からだと右側の木が邪魔になって金星は見えない。


    甲府駅周辺の高層ビル(高く無い?)が見下ろせ、その向こうに富士山が立つ。


    場所を移動する。白山展望台の展望岩と向こうには金星が輝く。


    甲府盆地に輝く月と木星・金星。目立たないが土星も輝いている。


    縦位置で月と木星


    甲府盆地の夜景越しの富士山。月明かりをライティングに使ってもう少し富士山がくっきりと写るかと思ったのだが、半月だまだ暗いようである。


    甲府盆地越しの夜富士


    静寂な夜の千代田湖。左側に輝いているのが金星。

 甲府盆地の輝くばかりの町灯りの上に昇った月と木星・金星はそれなりに素晴らしい景色だった。ただ、あまり苦労して登っていない分だけ、黒岳から見た景色のほうが印象深く残っている。

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カギガタアオイ観察 相又川  令和3年11月3日

2021年11月10日 | 渓谷
 そろそろカンアオイとカギガタアオイの花が見ごろになっている頃だろう。カンアオイの花は既に数個分解して内部の雌しべの様子を確認させてもらっている。個体によって雌しべが開き気味に付いているものがありイヤースコープで覗き込んでも形が分かり難いものがあることが分かってきた。一方、カギガタアオイは撮影に良い個体が見つからず、おそらくカギガタアオイであろうと予想したものがいくつかあるが、確定するにはやはり花を分解してみないと分からないところがある。数個分解すれば、イヤースコープで覗き込んだ時の写り方が分かるので同定可能となるはずである。あまり人が居ない場所を選んで、カギガタアオイと思わしき個体を見ている相又川に入ってみる。イヤースコープを持って行ったが、スマホを変えた後にソフトがうまく取り込めず、結局使えなかった。


    紅葉の相又川


    これはヤマモミジになるのだろうか?


    葉には明瞭な鋸歯がある。


    これはレモンエゴマか?花や葉にほんのり甘いレモンの香りがする。


    ビロードシダ。乾燥に備えて葉を少し丸めている。


    サジラン。県南部の渓谷沿いでは普通に見かける。


    ゲジゲジシダの群落


    ゲジゲジシダ。珍しいものでは無い。


    綿毛になったキッコウハグマ。カギガタアオイはこんな少し薄暗い林床に生育している。


    葉は多数見かけたが、花が付いている個体はひとつも見つからない。


    止む無し、足場が悪いが昨年見つけた崖の上の個体を見に行く。


    土に埋もれるように花が咲いていた。全部で3個咲いていた。


    そのうちの1個を分解させてもらう。傘の柄のように湾曲した雌しべが見える。これはカギガタアオイで間違いない。

 足場が悪くて三脚がうまく立てられず、撮影には一苦労だったが、なんとか分解して内部の様子を見ることが出来た。今後は接写型マクロレンズかイヤースコープで内部を覗き込めば判別が可能であろうと思うのだが、出来ればもう少し撮影し易い場所でもう1個しっかりと観察が出来ればと思う。分解した花を元に戻そうとしたのだがうまく戻せなかった。

 さて、今回はもうひとつ見ておきたいものがあった。今年から少しずつ見歩いている樹木、特にこの川沿いではカシの類の木が何種類か生育している。葉だけでなくどんぐりの形を見ればもっと確実に樹木の種類が見分けられるだろうと目論んだのだが・・・?


    渓谷沿いにはカシの木の類が何種類か生育している。


    これはシラカシだと思うのだが・・・


    どんぐりの形を調べれば確実に分かるのではないかと思ったのだが、ひとつも実が付いていない。


    こっちはたぶんアラカシ。葉の緑色が濃くて光沢が強い。


    どんぐりはこんな感じだが、200㎜望遠では長さが足りなかった。

 もっと上流ではアカガシらしき木を見ているのだが、途中の河原にストックを置き忘れてきてしまい、取りに戻ったら時間が足りなくなり撤退となってしまった。カギガタアオイは観察できたものの、カシの木類は不消化な散策となってしまった。

 ちなみに仕事で訪れた場所にあったシラカシと思わしき木にたくさんどんぐりが付いていたので載せておく。


    献血バス。後ろにあるのがシラカシと思わしき木。


    どんぐりがたくさん付いている。


    こんな実が成っていた。たぶんシラカシで間違いない。

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恒例のスルガジョウロウホトトギス散策  令和3年9月20日

2021年09月23日 | 渓谷
 毎年の恒例となっている県南部に生育するスルガジョウロウホトトギスの散策である。予定では18日だったのだが雨だったため2日延長してこの日に行くこととなった。参加者が少なく、私の車1台に同乗して林道を進むが、途中でアクシデント発生、オーバーヒートランプが点灯してしまった。事故を除けば12年間乗っていて初めてのトラブルである。林道脇のスペースに車を止めてボンネットを開けてみると、冷却水が沸騰してボコボコ泡が湧いている。車をその場において散策に出かけるが、無事に帰れるのかどうか???


    例年と変わらずに咲いていたシラヒゲソウ


    シラヒゲソウ


    川岸の岩壁に咲くホトトギスは土砂が流出したのか、激減している。


    川沿いに咲くホトトギス


    イヌチャセンシダ


    カラクサシダ。今年は数が多い。


    ほころび始めたばかりのジンジソウ


    今回のお目当ての花のひとつ、タテヤマギク。


    この草地には群生していた。


    目的のスルガジョウロウホトトギス


    1ヶ所目は既に結実していた。


    渓谷の支脈を登る。枯れていることが多いが、雨の後で水が流れている。


    2ヶ所目のスルガジョウロウホトトギス。例年通りにたくさん咲いている。


    訪問時期も良かったようである。


    岩壁に垂れ下がるこの姿が美しい。

 さて、例年ならば別の急峻な谷を登ってこの界隈では最大と思われる生育地を見に行くのだが、帰りの車が心配なのであまり時間をかけてはいられない。最悪の場合は電波が届くところまで林道を歩いて戻り、JAFを呼ばなければならないかも知れない。いつも訪問する生育地は行かずにまだ見ていない別の谷に尾根を越えて入ってみることにする。


    尾根を越えて谷を見下ろす。急斜面で谷の中へは降りられない。


    双眼鏡で覗き込んでみるとそれらしき葉はあるが花は確認出来ない。


    トリーミング画像。葉に少し光沢があり毛は生えていなそうである。たぶんこの葉はスルガジョウロウホトトギスであろう。

 谷には下りられなかったがそれらしき葉があるのは確認した。おそらくこちらの谷にも生育しているのであろう。

 さて、車は走ってくれるのだろうか?戻ってボンネットを開けてみると、冷却水の水がだいぶ少なくなっていた。とりあえずは川の水を汲んで足してみる。エンジンをかけてみると普通にかかった。当初はファンベルトの故障ではないかと思ったのだが、ファンは普通に回っている。どうやら単純に冷却水が無くなっただけのようである。無事に林道を脱出し、難無く高速を使って甲府まで戻ることが出来た。早めに車両点検に出さねば、と思う。

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