祥泉暦

日常の出来事の記録

「文字に美はありや」伊集院静著

2021-02-22 22:32:00 | 書籍
たまたま本屋さんで見つけた本。
タイトルにも惹かれたが、
日経新聞に連載中の「ミチクサ先生」が面白く
伊集院静著にも惹かれた。

字は性格を表すと言われるが、
文人の字は本当に味がある。
織田信長や豊臣秀吉、徳川家康の戦国武将の字、
芭蕉や一休世阿弥の字、
最後は立川談志やビートたけしの字まで登場しました。

著者の博識滲む解説には驚き、
忌憚のない著者の感じ方などもうなずける。

いわゆる習字の世界の字からすると
どうなのかと思う字もあるけれど、
その人の個性が溢れる字は羨ましい。

長く書をやっている身としては、
頑なにこう書くべき字を追ってきて、
自分の書きたい字はどんな字なんだろうとさえ
思えてきた。笑

書道趣味の親友とよく話すのだけれども
ボールペンや鉛筆で走り書きでも
美しいとうっとりする字をかける人が
すごく羨ましいと。。。

王羲之や褚遂良の臨書に何十年も接していると
そういう観点からしか
字を鑑賞できなくなっている。

絵をみるように字を鑑賞することを
忘れていたようです😓



「プラハの春」上下 春江一也著

2021-02-12 09:24:00 | 書籍
2度目の読破、なのにまるで初めてのような感動!!
今回はゆっくりじっくり読んだので、
しかも諸事情により何度も中断、
そして老眼が進んだらしく昼間でもスポットライトが必要で、夜は無理。

それにしても1度目の私の読解力の乏しさに驚く。
何を読んでいたのか、、、


2年前の秋、友達と中欧旅行に行き、最後にプラハを訪れた。
それもあっての再読なのだが、
舞台になったプラハの街を鮮明に思い出した!
プラハ城はもちろんのこと、市街地を見下ろしながら葡萄畑の小径を歩いた時の光景。
スメタナ モルダウ川の旋律を思い出すヴルタヴァ川、
アールヌーボーを代表するチェコ人画家ミュシャ(チェコ語はムハ)の
ステンドガラスに目を見張った聖ヴィート教会、
そして何度も通ったカレル橋、特に夜は別物!
旧市街広場で時計塔を見上げながら飲んだチェコビールの美味しかったこと。
あーーー、また行きたい!

けれどもあの素晴らしいと感動した場所は、
あの悲劇的な歴史を刻んだところ。。。
ちゃんと歴史を学ばないと旅行はありえない。
最初に読んだ気になっていた「プラハの春」を
もっとちゃんと理解していたら、
旅はもっと違っていたはず、残念。
仕方ない、それが私。

それにしてもこの「プラハの春」に
登場する人物は、ハッピーエンドが全くない!
これでもかこれでもかとみんな悲劇的な結末。
著者は、日本人のチャコ在中の官僚である外交官。
東ドイツ出身のサファイヤ色の目をした才女と恋に落ちる。
当時は実るはずのない恋。
「史実に基づいたノンフィクション」と著者は明記しているが、
どこまでが事実か、、と想像を駆り立ててしまう。
そこが面白い。
あまり知ることのない史実「プラハの春」を
とても詳しくわかりやすく書いているところは、
さすがリアルに目撃した外交官らしい。


歴史を省みると
権力で人の命を無惨にする過去の事実に突き当たり
民の哀れみや悲しみが文学を生む。

また探そう、面白文学を。






さらばランズエンドコート

2021-02-07 13:44:00 | 日記
まだまだ寒いのに、ウールのコートを脱ぐタイミングが花粉の飛散時期。
その時期に決まって登場するこのコート、もう20年ほど着ています。
こんなコートを着ている人は、今時分ではビジネスマンだけかも。

私はコートやジャケットが大好きで、真夏以外は大抵着ています。
あ、真夏でも紫外線対策と冷房対策の為に素材を選び着ているかも。
外出時は、いわゆる羽織ものなしでは落ち着かないのです。

このコートは、仕事着の時もカジュアル着の時も大丈夫。
大きめのショールを巻いた時もあったし、カジュアルマフラーをしたり
その時代にあったおしゃれができました。
裏地がウールなので、真冬でなければ着れます。
最近はライトダウンのベストが便利で、
それを着ると真冬でも寒くありません。
個人的には、冬はウールのコートが好きなので、
花粉対策のこの時期に着始めています。 
ファスナー付きの内ポケットがあり、とってもべんりです。

旅行にも便利で、台湾、イタリア、シドニーにも行っていて、
過去の写真に頻繁に登場しています。
確か10数年前に、袖丈が短いのが気になって、
街のお直し屋さんで、袖口のところで少し出してもらいました。
その時に、そこの店主の方に「まだまだ着れますよ」と
言われました。

さすがに20年となると少々くたびれてきて、
しかも最近はカジュアルスタイルが主流です。
ここ数年ずうっと探していたのですが、出会いがなくて
買いそびれていました。
今回出会えたことはラッキーです。

日本は四季の寒暖差が大きいので、
洋服の種類が何かと多い。
その分痛みは少なくて、ほとんどデザインの新古で
買い換えます。もう定番のデザインとなると
このように物持ちが良くなるのです。

長きにお世話になったランズエンドのコートに
お疲れ様と言いたいw