祥泉暦

日常の出来事の記録

百花 川村元気著

2022-09-16 11:03:00 | 書籍
右が表紙かと思ったら、左が表紙で右は映画のCMのためのカバーでした。
映画化になったから読んでみようという本の選択はない。たぶん「百花」というタイトルに惹かれて手に取ったと思う。
しかも川村元気という作家も初めてです。

母親がアルツハイマーで記憶を失っていくというストーリーは、私にとって敬遠したい主題です。が、どこでどう私が関わるかわからないほど切実なのかもしれない。
私達の4人の親達は早逝だったので、幸か不幸か介護をやっていない。なので、介護制度の事も無知です。もう親のためではなく自分達のための事として考えておくべき物であることは承知しています。

この小説の親子関係は、なかなか特殊な関係であるが為に、小説としては単なる介護体験とは違っている。その辺りは、かえって私には面白く読めたのかもしれない。
この環境で娘と母であったら、こうはいかないのかも。。。

私は娘と息子がいるのですが、
母子関係は微妙に違います。
どちらも愛情の濃い薄いは全くない事を前提としている事を前置きにしておきます。

娘とは昔から結構何でも話してて、
その分衝突して火花が散った事もあります。今は自立して家庭を築いていますので、程よい距離感を保ちつつも母娘なので、何となく心境を読めてしまいます。

息子とはたぶん異性であるので、距離感があります。そんなに言いたいことを言う関係ではありません。性格も影響しているとは思いますが、過去に於いて核心に触れた話は数回です。その事はほとんど不満になく、それが私には1番良い関係であると思います。以前から男の子は離れていくものと覚悟をしていました。

さて、この小説の様な状態が我が家に起きたらと思うと大変!!です。それでも避けられなかったら、、、どうしよう。
目下私の将来の不安NO1です。



さいはての彼女 原田マハ著

2022-09-05 17:42:00 | 書籍



今回もほっこりする原田マハシリーズでした。
集中力が必要な読書は、この時期無理と、
先日本屋さんで気楽に読める原田マハ本をまとめ買いしてきました。
予想通り全く裏切りません!
特に電車での移動が続いたので、
涼しい車内で、こう言ったほっこりする気分を味わうと、その後の自分の居心地が良いのです。
そして今回の舞台は北海道、特に釧路湿原は体感したばかりなので、
季節は違っても景色が蘇りました。

旅の好きなところはこれ!!
行った事のある所が舞台になると、
思い出の中にストーリーを映し出して、
オリジナル物語映像付きが出来上がる!

そしてこの本の4編は主人公が全て女性て、
しかもそんなに若くない、キャリアをある程度積んだら、子育てを終えた人だったりで、わかりやすいw

そして最後の解説でも特筆している部分。
聴覚障害を持った我が娘に言う父親の言葉。耳の聞こえる人と自分との間に、見えない「線」があると泣いた幼い娘に、「そんな線はどこにもない。もしあるとしたら、それは耳が聞こえる人たちが引いた線ではない。お前が勝手に引いた線なんだ」と。「いいか、そんなもん越えていけ。どんどん越えていくんだ」

解説者は、原田マハさんが私達読者へのメッセージとし、
子供がいるとかいないとか
仕事がどうとか
家庭がどうとか
そんなものは皆んな勝手に自分が引いた線なのだ。
軽やかに越えて行こうよ、越えられるよと。

私は、既にそれらをも過ぎてしまい、
自分の事だけに集中できるので、
今子育て中の子供たちに送りたい。
あ、でも年齢を言い訳にするかな?笑