祥泉暦

日常の出来事の記録

日のあたる白い壁 江國香織

2018-11-30 12:46:18 | 書籍
題名だけ見ると小説の様ですが、
作者の好きな絵の解説書です。



以前NHKの「日曜美術館」にゲストとして出演していました。
どの作品だったのかは忘れました。
「美術館の白さとあかるさと無音さが好き」と前書きにかいています。
静かではなく「無音」と著したり、
絵の好きな部分の表現が作家だなあー、と思うところがたくさんあります。

私は語彙が乏しい所以ですが、
好きな絵を解説するのが苦手です。
いい絵だなあ 好きな絵だな という表現に全てが込められています。

この本で23点の絵画を紹介していますが、
私が観たことのある絵は11点、半分以下です。
その中で メアリー・カサットが入っているのがとても嬉しい。
日本ではあまりポピュラーでないのが不思議です。
あのふっくらとした優しさが好きです。
2年以上も前に横浜美術館で観てから大好きになりましたが、
その後お目にかかりません。

当時は女性は美術学校に入れなかったり、
女性が絵描きになる事が異例だったようです。
絵の中の美しい女性は、まるでカサットのようで、
フランスに渡ってもアメリカ人のプライドを捨てなかったようです。

知っている作家でも、絵が浮かんでこないものもたくさんあります。

次に絵を見るなら、東郷青児かな。
東郷青児美術館なら直ぐに行けるし。。。



これから絵を見に行くときには、この本を再読してから行こうと思います。

日本の美術館で観ることができる名画

2018-11-27 08:45:45 | カルチャー
記憶しておくべきことを列挙する

☆山形美術館 ピカソ
マリ=レーズの肖像
剣を持つ男

☆山形美術館 モネ
睡蓮
☆山形美術館 シャガール

☆国立西洋美術館 ピカソ
横たわる女 アトリエのモデル
男と女 青い胴着の女 画家の娘
サルタンバルク 三人の女 三人の欲女

☆ブリジストン美術館 ピカソ
ブルゴーニュのマール瓶

☆ポーラ美術館 ピカソ
肘掛で眠る女 通りの光景

☆彫刻の森美術館 ピカソ
二人の顔 他多数

☆横浜美術館 ピカソ
ひじかけ椅子で眠る女

☆川村記念美術館 ピカソ
酒場の前の男女ほか

☆埼玉県立近代美術館 ピカソ
静物



消えたフェルメール

2018-11-26 17:56:44 | 書籍


数少ないフェルメールの絵が、
幾度と無く盗難にあい、
いまだに行方知らずの「合奏」
この事実をまるで推理小説の様に綴る本書は、私の興味外でした。笑
今大盛況中のフェルメール展鑑賞を
前にして一応読みました。


それにしても日本はすごい!
2016年3月に森アートギャラリーで
「フェルメールとレンブラント」展があり
メトロポリタン美術館所蔵の
「水差しを持つ女」を観ました!

それからまだ2年しか経過していないのに
今度は上野の森美術館で
「手紙を書く女と召使い」が
観られるという!!
しかもこの絵は二度も盗難にあっという
話題作!
大阪展ではアムステルダム国立美術館所蔵の「恋文」も観られるという。。。

7.8年前、ルーブル美術館で
「レースを編む女」を観たくて
足が疲れすぎていたにもかかわらず
力を振り絞って辿り着いた所
貸出中だった苦い経験を二度!

日本の美術館のキュレーターの偉業を
これからも期待したい。




横山大観記念館 朝倉彫塑館

2018-11-25 11:33:42 | カルチャー

よくある大きな美術館ではなく
既存の建物で自分でコレクションした美術品を展示している
「邸宅美術館」
東京にはたくさんあると、夫が本を買ってきてくれました。


久しぶりのぶらり散策は、この本にある
横山大観記念館と朝倉彫塑館にしました。
上野公園近くから谷中辺りの散策です。

この辺りは以前「七福神巡り」や
お花見で谷中巡りをしたところですが、
小さな美術館巡りと目的を変える事で
全く違った散策となりました。


まずは、池之端にある 横山大観記念館へ
千代田線の湯島駅から10分ほどです。
上野公園には毎年書道展などで何度か来るのに
全く知りませんでした。





この建物は、大観が実際に住みながらアトリエとして使っていた日本家屋です。

一階はみずから設計したお庭を眺められるお茶室や客室などが公開されていて
大観の習作品や師でもある岡倉天心の軸などを観ることができました。

二階は自然の光をふんだんに取り込める大きなガラス窓があるアトリエです。
当時は不忍池が真正面にみえたらしく、全てを計算した設計となっていたようです。
大観はこの畳敷きの部屋で襖や屏風の様な大きな絵をも書いていたとのこと。
正面には未完成である屏風絵(柿紅葉)が展示されていて、その美しさに感動しました。
完成品は永青文庫所蔵の様で、いつか観たいと思います。

今年の5月に国立近代美術館で観た
40メートルに及ぶ「生々流転」の習作品の展示がありました。
岡倉天心の個性あふれる掛け軸は、
この空間に静謐を感じる絶品でした。

大観は生涯勢力的に絵を描き続けたので、
いろんな美術館で鑑賞できますが、
この記念館で観る事は、今までと違った体感です。
是非季節を変えて再訪したいと思いました。


途中昼食をとり、谷中のヘビ道のお店をみながら朝倉彫塑館へ。



↑ こんな風なお店がたくさんありました。

手作りのブックカバーを売っているお店で
新書版のカバーを買いました。


朝倉彫塑館到着!


以前ここを気になりながら通り過ぎた事を思い出しました。

ここは、彫刻家朝倉文夫のアトリエと住居を公開しています。
全て朝倉文夫のアイデアと希望を取り入れた設計との事。
最初に天井が高いアトリエがあり、
重要文化財となっている「墓守」「大隈重信」「小村寿太郎」など
大きな背の高いブロンズ像がありました。
隣の書斎には天井までの書棚にびっちりと本がありました。
アトリエ館は洋館ですが、住居は純日本家屋で、
お庭を愛でる構造となっています。
びっくりしたのは、屋根の上の造園!!
大きなオリーブの木があり、数体の像がありました。


大地に根をはるオリーブの木が元気に育っているのが驚きです。
朝倉文夫の多趣味度が満載でした。




今回の2つの美術館は、今まで観たり感じたものとは違って
とてもおもしろいと思いました。
まだ観たことがない人にオススメしたい!!

横山大観も朝倉文夫も超一流の日本を代表する芸術家、
2人に共通している点は、自然との共存。
住居のこだわりは、自然を愛で感じる環境を
自ら作っているということ。
芸術を生み出す環境のこだわりという点においては
大好きなモネとも共通している!

まだまだ知らない邸宅美術館をこれからの楽しみの中に加えよう!



モネのあしあと 原田マハ著 幻冬舎新書

2018-11-16 17:32:14 | 書籍
モネ…モネの絵を最初に観たのは何処だったのか。を忘れてしまうくらい
パリのオランジェリー美術館で観た
睡蓮は、今もその感動を鮮明に思い出すほど強烈でした。

最初にパリに行った時も、
二度目に行った時も、
その感動は強烈でした。

本書を読み進める度に、
あの感動がよみがえり
ワクワクしながら、
新しい知識を得るために読みました!!



モネは、日本でもいろんな
美術館で所蔵していて、
著者が本書で言っているように
「先人たちの先見の明」にあり、
感謝です。

台湾赴任中に、民国100年目にあい、
国のイベントとして開催していた「モネ展」を観に行きました。
ちょうど娘が遊びにきている時期だったので、一緒に行きました。
美術館のスペースが日本よりゆったりしていて、贅沢なモネ展でした。
懐かしいw

これからも機会があれば、必ず観にいくでしょう!
できればジゥェルニーに行きたいけれど。。。