祥泉暦

日常の出来事の記録

サロメ 原田マハ著 文春文庫

2022-01-26 18:00:00 | 書籍
先に読んだ夫から、「サロメ」を分かってから読んだ方がいいと思うと
言われたので、事前にネットで調べてから読みました。
私はオペラ「サロメ」のことは全く知らなかったので、
夫のアドバイスは助かりました。

原田マハさんの小説は、何時もフィクションとノンフィクションの境界が
解らなくて、それが魅力になっているのですが、
このサロメにもその魅力は存分にありました。

先日 出演していたNHK朝のテレビでも言っていましたが、
徹底的に取材をしてそこにフィクションを構成すると言っていました。
基礎を徹底的にしっかり固めないと、その上に積み上げたものが
ぐらついてしまうと。
だから今回の様に土台となる部分を知識として持っていないと
フィクションとノンフィクションの構成が全く分からなくなる。
そこがまた楽しめる様な魅力があって、
原田マハトリックに圧倒されておもしろいと思うのです。

原田さんの作品は、
絵画芸術を軸にした小説と
庶民的な下町風な小説と
2つの魅力がある作家です。

前回読んだ「生きるぼくら」は後者で
今回読んだ「サロメ」は、絵画ではないが前者に分類されます。
同じ作者とは思えない面白さ。
それが、作家原田マハさんの魅力です。

ヨーロッパで一世を風靡した作家オスカーワイルド、
彼の戯曲「サロメ」に悪魔的挿画の数々を提供した天才画家のオーブリーピアズリー、
姉で女優のメイベル ピアズリーの3人を史実に基づいて登場させフィクションを繰り広げる。
そして妖艶で悪魔のような魅力とエキセントリックな数々は、
原田マハさんの新しい魅力的な世界を表現した小説です。





この表紙の挿画にも今までと異なる類だと想像し
手に取ったのは正解でした。

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