祥泉暦

日常の出来事の記録

針と糸

2022-05-13 17:47:00 | 書籍
作家小川糸は、知りませんでした。
本屋さんで短時間で選んだ文庫本の一冊です。
作者は何と私と同じ山形県出身で、それだけで親近感を覚え、
また文体やエッセイの内容もサラリとして
重くないところが気に入りました。

文中
「人生は双六のような物だと思っている。そこまで駒を進めなければ、見えない景色があるんじゃないか、と信じているのだ。」
の部分にとても共感しました。

もうすぐ68歳になる自分の人生を振り返り、20代で予測していた事、子育てに奮闘していた頃、両親を見送って悲しみに暮れていたあの頃、漠然と老後の生活を予測していた頃、
こんなに穏やかに日々を送っている今を全く予測できませんでした。

そしてまだこれからも今予測できないことに出会うのかしら?と思うと、この年齢でもまだ先を楽しみにしようと思えます。
それには、さらに双六の駒を進めなければなりません。
漫然と生きていくわけには行かないので、と言うか、貧乏性のせいか、何か張り合いを求めずにはいられないので双六は続けます。

「針と糸の関係、針だけでは何も残せないし糸は針がないと何もできない」
と言うフレーズにもグッときました。
これからの生活に夫と共に「針と糸」との関係であり続けたいと思いました。

そんな気持ちになれた事、この本に出会えて本当に良かった!!!


母の命日に

2022-05-13 17:22:49 | 日記
18年前の今日、母は交通事故で亡くなりました。
母の日の次の日の月曜日の夕方のことです。

実家(山形県)から今交通事故にあって病院に運ばれたとの第一報。
母はよく自転車を乗っていたので、てっきり自転車に乗ってて事故にあったかな?
相手に運転手に迷惑かけたかな、と思いました。
しかし第二報で、直ぐに帰るようにとの事。
夫は当時単身赴任中、娘は近くの中学生の家庭教師に出かけていて、
息子は塾に行っていて、ひとりで家にいました。
もう最終の新幹線には間に合わない時間でした。

実はその2週間前に、酒田にいる義父が病気療養中だったので看病に行った帰りに
実家に少しだけ立ち寄りました。
長距離運転を心配して見送ってくれた母の姿が最後となりました。

突然の母との別れは、日が立つほど悲しみが深くなり、
なにもやる気が出なくて本当に困りました。
今となっては全て遠い思い出になりました。

最近よく母の事を思い出します。
母の作った料理はもちろん、適材適所でのことば、言い伝え、教えなど。
多分年齢とともに母に似てきているのかも。。。笑

それにしても天国からコロナウイルスの災いを心配してくれてるでしょう。
戦後の混乱時期を過ごしてきた母は、こんな時にどんなことを言ってくれるのかな。。