作家小川糸は、知りませんでした。
本屋さんで短時間で選んだ文庫本の一冊です。
作者は何と私と同じ山形県出身で、それだけで親近感を覚え、
また文体やエッセイの内容もサラリとして
重くないところが気に入りました。
文中
「人生は双六のような物だと思っている。そこまで駒を進めなければ、見えない景色があるんじゃないか、と信じているのだ。」
の部分にとても共感しました。
もうすぐ68歳になる自分の人生を振り返り、20代で予測していた事、子育てに奮闘していた頃、両親を見送って悲しみに暮れていたあの頃、漠然と老後の生活を予測していた頃、
こんなに穏やかに日々を送っている今を全く予測できませんでした。
そしてまだこれからも今予測できないことに出会うのかしら?と思うと、この年齢でもまだ先を楽しみにしようと思えます。
それには、さらに双六の駒を進めなければなりません。
漫然と生きていくわけには行かないので、と言うか、貧乏性のせいか、何か張り合いを求めずにはいられないので双六は続けます。
「針と糸の関係、針だけでは何も残せないし糸は針がないと何もできない」
と言うフレーズにもグッときました。
これからの生活に夫と共に「針と糸」との関係であり続けたいと思いました。
そんな気持ちになれた事、この本に出会えて本当に良かった!!!