図書館で、熊井明子さんの『夢のかけら』という本を見つけ、借りてきました。
熊井さんの本は、一昨年の冬に『続続・私の部屋のポプリ』というエッセイに出会い、
数十年ぶりに復刻出版されたというその本の、
帯に書かれていた短い文章にとても惹かれて買ったのが初めてでした。
読むたびに幸せになれる素敵な文章にすっかりハマり、
小さな時間を見つけてはランダムにページを開いていたのですが、
数日後に起きた東日本大震災で家の中がごちゃごちゃになり、
どこにどう片づけたのか本の所在が分からなくなってしまいました。
『夢のかけら』は、エッセイではなく5編の短編小説を集めた本なのですが、
最初の短編「薔薇が香るとき」を読み始めてびっくり。
樹里という老女が出てくるのですが、これは間違いなく森茉莉のこと・・・
(本の何処にも森茉莉のこととは書いていませんが)
偶々心ひかれた本の著者が、私の好きな作家をモデルに短編を書いていたことも小さな驚きでした。
「安曇野の女」ヒロインは
、荻原碌山(彫刻家)の作品を、生涯を通して守り続けた作家の姪にあたる女性、妙。
安曇野を訪れることがあれば、碌山美術館を訪ね、
妙を生涯にわたり引きつけていた碌山の彫刻『女』に会ってみたい・・・そう思いました。
「懐剣と香水」では、
ヴェネチアでムッソリーニと会見した女流詩人が、ムッソリーニこそダンテの後裔と胸を高鳴らせ
自作の詩と、母の形見の懐剣を彼に捧げます。
ヨーロッパから帰国し、
戦争が始まった日本で、ペンを剣のように持ち愛国詩や軍歌を書いた女流詩人は、
戦後、そのことを後悔し、批判される中で償うように平和運動、婦人運動に関わっていきます。
女流詩人は、
「ムッソリーニに捧げた懐剣を心にとり戻し、自らを突き刺し、血を浴びながら今日まで生きてきた」
とその頃を振り返ります。
この女流詩人が深尾須磨子であることは、後付の参考文献からわかりますが、
熊井さんのエッセイ『続続・私の部屋のポプリ』の初めにも、彼女の詩が使われていました。
他にも2編の短編が収められていて、五人五様の女性が描かれています。
短編なので、読みやすく、でも心に響く何かを含んでいる、そんな本でした。
写真のケーキは矢吹町の“ハッピーベリー”のもの。
苺がものすごく甘くてジューシーで美味しかった~♥
ozさん作
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お元気でいらっしゃいますか?
事情があってマイパソコンが手元になくて
久しぶりにお気に入りを開いてmintさんのブログを訪問しました。
熊井明子さんのエッセイのことを少し前に思い出したところだったので何だかあまりにもタイムリーで思わずコメントさせて頂きました。
ノンノの連載の時から大好きでした。
「夢のかけら」は存じ上げませんでした。
読んでみようと思います。
本はいいですよね・・・
また遊びに来ます。
熊井さんの本は読んだことがないですが
mintさんが心ひかれる文章ならきっと面白く読めると思いますので
私も読んでみようと思います
ケーキと本を並べた写真はmintさんらしいなと思ってしまいました
↓の「時雨の記」にコメント入れたはずなのに消えてしまっていました
こういうことが時々あります何が悪いのか?です
mintさんは料理に加えて読書好きでもあるようです。
「夢のかけら」でなく「mintさんのかけら」を
分けて欲しいです。
お返事がすっかり遅くなりました。
ふうぅこさんは、熊井明子さんをご存じだったのですね。
私はいくらも読まないうちに、本が行方不明になってしまって・・・
私が手にしたのは『続続・私の部屋のポプリ』
それ以前に出された『私の部屋のポプリ』も是非読んでみたいと思っています。
早くPCが戻って、ブログ復活されるといいですね。
熊井明子さんはお花が好きな方なので、
ビオラさんもきっとお気に入ると思います。
エッセイから読まれた方が、短編小説のモデルになっている女性の人となりがわかると思います。
いつも何かを食べながらの読書タイム(笑)
「時雨の記」もしかしてお読みになったのでしょうか。
中里恒子さんも、素敵なエッセイをたくさん残されています。
ただ、本が手に入りにくいのです(^_^;)
コメントの不具合、私も時々遭遇します。
どうしてかしら・・・
同じ本を買ったりします(笑)
書店で手に入らない古い本は、図書館が便利ですね。
一番好きなのは、ファンタジー物。子供と一緒です。
身体の余計な脂肪も心の煩悩も、
かけらにして捨ててしまいたいですけど(笑)
作者も知りませんでした。
新聞の下方に出る広告より、口コミが一番確かな
情報です。
私の好きなタイプの本です。
機会があったらぜひ読んでみたいです。
読みながら、この主人公のモデルは・・と、すぐに
答えを出せるところがすごいですね。
本とケーキの写真もプロが撮ったみたいですよ。
ブルーの表紙がよく合っています。
イチゴのケーキ、ジューシーなイチゴが4個も!!!
1週間にケーキを何個食べます??? o(^-^)o
ポプリの研究家?と言っていいのかな、そういう方です
小説は初めてでしたが、たまたま森鴎外の娘・森茉莉が好きで
風変わりな彼女のことは、彼女の作品を通して知っていました
冒頭の短編「薔薇が香るとき」の老女・樹里が、
森茉莉の晩年そのまんまだったのでビックリしてしまいました。
ケーキ、ここ数日も何故か続いています(^_^;)