今日は最高気温でも-2℃という寒さ。
さらさらの粉雪は、地面を滑るように舞い上がって視界を遮り
冬将軍が戻ってきたような一日でした。
凍てつく寒さの中、一週間の出張から帰って来た長男も交えての週末食卓は
鉄板で蒸し焼きにするホットカプレーゼ。
ステーキ用の鉄板で、中玉のフルーツトマトにアンチョビとモッツァレラチーズをのせ、
ローズマリー、タイム、それにたっぷりのオリーブオイルを回しかけて蒸し焼きにします。
モッツァレラチーズが糸を引く熱々のカプレーゼ、美味しいですよ~~~♪
もう一品は、塩麹チキンと菜の花、牛蒡の和風なパエリア。
普通パエリアというと、魚介類を使ったゴージャスなものを思い浮かべますが、
チキンとお野菜のチープなパエリアです。
塩麹に漬けたチキンが柔らかくて、味付けにもなり一石二鳥です
写真を撮ろうとしたら、上にのせた菜の花が少なくなってる・・・
イタズラな息子がつまみ食いをしていました(^_^;)
デザートに用意していたロールケーキの苺も・・・・・
ozさん作
先週、探し物をしていた時に見つけた、中里恒子の『時雨の記』
今は亡き義母が、随分昔に私に貸してくれた本でした。
瑠璃紺の無地のハードカバーで、背に銀箔でタイトルと著者名があるだけのシンプルさ。
凛とした趣に、色焼けやシミによる年代物の風情も加わって味わいがあります(^_^;)
昭和52年が初刷ですから長男と同じ年の本です(笑)
何かの折に義母が貸してくれたのでしょうが、当時の私はほとんど興味が湧かず、
義母には申し訳なかったのですがそのまま積読状態でした。
懐かしくて手に取って眺めていたら、急に読んでみたくなりました。
旧仮名遣いがとても情緒的です。
ストーリーは、ひと言で言えば壬生と多江という熟年男女のプラトニックラブ。
多江は、昔壬生がまだ独身の頃、通夜に行った知人宅で見かけ強く心を引かれたけれど、
彼女が既婚者と知らされ、高嶺の花と諦めてしまった人でした。
それが、何十年か後に、知人の息子の結婚式の席で再会します。
壬生は五十半ばの会社社長で妻子あり、多江も四十を過ぎ、夫を亡くした未亡人。
壬生は強引とも思える押しの強さで、多江の家に通うようになります。
壬生にとって多江は、初花であって、終わりの花だと言います。
いつか一緒に暮らそうと言いながら、
二人が男女の一線を越えることは無いまま、壬生が心臓病で他界します。
ストーリー的にはベタですけど、古典的な文章がとても美しいです。
それに、私が心惹かれたのは、ストーリーよりも中里恒子的な美的感覚とでもいうのでしょうか
風情のある暮らし方、生き方でした。
例えばこんな件
(多江の家で、壬生が)
毛氈の上に出してある茶碗や、香合や、茶入れをひと通り見て、二つ三つ、脇へどけました。
それから壬生は、
「こんなもの、捨ててしまひなさいよ、」
「どうして、」
「あんたが持ってゐるには、ふさわしくない、高いの、安いの、といふことではありませんよ、僕がいやなんだ、」
「あなたのものでもあるまいし、」
「・・・・・そんなことは萬萬ないけれど、もしもだね、あなたの亡いあとに、誰かが、この道具を見るとしよう・・・・・さうすると、あなたの持ってゐるいい品まで、下がる・・・・・」
多江は、どきりとしました。
(中略)
ただ、數だけ揃へてあつたところで、どこに、執心が殘らうか。好きなものを、二つでも三つでも、多江らしいと言はれるものを殘した方が、どんなにか、すっきりするであらう、すぐ、それは、多江の心を波立たせました。
好きなものだけを少し持てばいい・・・そんな暮らし方に憧れます。
中里恒子の小説は初めてでしたが、過去にエッセイを何篇か読んだことがありました。
オムレツに拘る文章を見つけ、食いしん坊な私は直ぐにそれに食いついたのです(笑)
日々の食事のこと、庭の草花のことなど、日々の暮らしの愉しみが美しく書かれていました。
また、別のエッセイでは、
「安物でも気に入って使い続けたものは、味わいのある良いものに変わっていく」
というようなことも書いていたように思います。
中里恒子の作品をもっと読んで、彼女の審美眼にもっと触れてみたいと思いましたが、
出版社品切れなど本屋では手に入りにくく、そのまま過ぎてしまっていました。
私が『時雨の記』を義母から借りたときは、既に古本の風情を漂わせていたので、
義母はこの本が好きで何度も繰り返し読んだのだろうな、と思いました。
多江が壬生のお見舞いに、庭のナデシコをひと束ねにして持っていく件などは
義母が日課にしていた義父と義兄のお墓参りに、庭の草花を摘んで出かけて行く姿と重なりました。
定家が隠栖して和歌の編纂に打ち込んだとされる京都の時雨亭跡が
物語の中で重要な場面になっていたのも、和歌が好きな義母には気に入っていたのかもしれません。
遠ざかる夫の足音忍びつつ ただつつましく生きむとぞ思う
義父が亡くなった後、一人暮らしの中で義母が詠んだ歌・・・
ozさん作
今年のバレンタインデーは
スイーツ男子がいないので、チョコ好きのmintもひっそりとしていましたが
夜遅く帰って来た夫の手には、義理チョコが少し。
その中に、夫には不似合いなピンクのレースの可愛い小箱を見つけました。
メサージュ・ド・ローズのチョコレート♪
夫の出張土産に、時々お願いしていた大好きなチョコレートでしたが、
義理チョコにしてはお洒落♥
お取り寄せかしら?
「ねえねえ。これって、Yさん(夫)にじゃなく私にじゃない?」
「全部そうでしょ、食べるのは君だと知ってるんだもの・・・」
それでは、お気持ちをありがたくいただいて
毎日チョコレートを楽しむことにします♪
ozさん作
連休の三日目。
偶には母も一緒に朝食をと思って、起きてくるのを待っていたら
限りなくお昼に近い朝食になってしまいました(^_^;)
卵サンド&トマトサンド、バナナを入れたヨーグルトとミルクティー。
朝ならこれで十分ですが、お昼近くまで待たされた私たちはちょっと物足りず
図書館へ行った帰り道に、お腹が空いてイタリアンダイニングでおやつ?…とは言えないかしら(^_^;)
アボカドと海老のスパゲッティー
ゴルゴンゾーラのピッツァ+
夕食は、長男が来ることになっていたので、材料を洗って切るだけでOKなすき焼き。
あとは夫と息子にお任せです(笑)
本日の主役は、前の日にデパ地下で買ってきたジュヴレシャンベルタン。
すき焼きって、ワインが合うんですよね~♥
ozさん作
連休二日目。
午後から駅前の百貨店まで出かけたので、
ついでにと、9階のジュンク堂書店をちょっとだけ覘くつもりが、つい長居をしてしまい
もうご飯の支度が間に合わないゎ~という時間になってしまいました。
仕方がないので、夕食は外ご飯!ということに
久々に「鮨よし」さんへ。年末のテイクアウト以来です。
鱈の白子。お通しですけどたっぷりです。
白魚の天ぷら。甘みがあってサクサクと美味しいです。
右は、大好きなホタテ貝柱の磯辺焼き。醤油ダレに七味がピリッと効いてます。
卵焼きも外せません、お出汁の加減が絶妙で美味しい♥
何だか穴子が食べたくて、欲張って3貫(笑)
ウニも大好き。締めにいただいた凄く美味しかったお椀の種は、平目のお頭。
お酒は山形・高木酒造の『十四代』と新潟・美の川酒造の『良寛』をいただきました。
もちろん、どちらも美味しくてご機嫌な夜でした♪
連休の1日目、久しぶりに、JAのマーケット「はたけんぼ」へ野菜の買い出しに行き、
その後は、お楽しみの藤田のお蕎麦。
シンプルにおそばそのものを楽しむのもいいけれど、たまにはこんなジャンボなかき揚げが食べたくなるのです。
ざくっと齧り付いたときに、ふわ~っと広がる牛蒡の香りと歯ごたえがたまりません♪
藤田のおそばは、細いけれど香りも腰も力強いおそばです。
すっきりとした男前なつゆも私好み。
おそばって、大人な食べ物だな~としみじみ感じ入りながら
藤田のおそばを啜る・・・・・と言いたいところですが
実はこの啜るという所作がなかなか上手くできないmint(^_^;)
チュルッと、食べ方がお子ちゃまになってしまうのが残念
痩せ山にぱっと咲けりそばの花 一茶
もともとは、お米が作れないような痩せ地に作られていたそば。
あの可憐な白い花が、繊細な手を加えられ男前な姿で食される・・・
人間が育ててきた食文化って奥深いのか、欲深いのか・・・はたまた罪深いのか・・・
mint 「ねえ、どこのおそばが一番美味しいと思う?」
夫 「う~ん、いつも同じソバが食べたいとは限らないからな~、難しいな」
mint 「私は、あなたの傍で食べるおそばがいつも一番美味しい♪」
な~んて言ったら、夫、おそばを噴き出しちゃうだろうな~アハッ
栄川酒造の純米吟醸生原酒『立春朝搾り』
2月4日立春の朝、搾りたてを瓶詰し、
田中稲荷神社のお祓いを受け「無病息災」を祈願したお酒です。
酒屋さんも早朝から蔵元に駆け付けてお手伝いし、注文分のお酒を直接蔵元から運び出し
その日のうちに予約のお客さんに届けるという「立春朝搾り」
我が家では、毎年会津の方から頂けるので心待ちにしていました。
残念ながらその日のうちにとはいきませんでしたが、二日遅れの一昨日いただきました。
伊達鶏の味噌焼きとお刺身盛り合わせ、キムチ納豆etc.
とっても真面目なお酒。美味しゅうございました。
ozさん作
春と聞かねば 知らでありしを
聞けば急かるる胸の思いを (早春賦)
ようやく雪が解けたと思ったのもつかの間
昨日は、また雪に覆われてしまいました。
出勤前に夫が雪をかいたところは、午後には跡形もなく真っ白に。
昨日見つけた、水仙の小さな芽は、どの辺りだっかしら・・・
雪が止んだ夕刻に、玄関から門までのアプローチだけでもと、30分程雪かきをしました。
10分もたたない内に息が上がり、スコップを立てて腰を伸ばすと
春をじっと待ついじらしい姿に出会いました。
雪を背負いながら、私を見下ろす梅の小枝。
まだ固い小さな蕾たちが、
“そんなに季節を急かさないで”と、言ったような・・・
招かれざる客と恨めしく思った雪でしたが
ふっと温かみを感じた瞬間でした。
そうだね
たとえ名残りを惜しんだとしても、いずれ消えていく雪なのだから
ガーデンテーブルに積もった雪
シロップをかけて食べたらおいしそ~(笑)
雪かきですっかり喉が渇きました
ozさん作
昨日の立春、九州南部では早々に春一番が吹いたらしいですね。
mint地域は春一番どころか、
昨夜は、ヒステリックな呻り声を上げる強風が
窓ガラスに霙を叩きつけてぐるぐると家の周りを離れず
夜明けまで吹き荒れていました。
冬枯れた庭にはまだ雪が残り
♪ 春は名のみの風の寒さや・・・の歌そのもの
昨夜の風が悪さをしなかったかと、庭を回ると・・・見いつけた!
この辺りは、確か小さな黄色い水仙が咲いていたところ。
雪の下ではすでに目覚めていたのね、小さな春。
身をかがめると土の匂い・・・
昨夜来暴れていた風が教えてくれた、春の匂い。
節分は・・
頂き物の『純米大吟醸 会津』を。
豆まきは省略・・・(^_^;)
息子たちがいないと、全く盛り上がらないな~
今年は鬼の棲みかになってしまいそうなmint家です
ozさん作