米ニューヨーク・タイムズ(電子版)などは16日、米国防総省が秘密裏に未確認飛行物体(UFO)の調査を2012年まで行っていたと報じた。

 関係者は、調査は現在も続いているとしている。

 報道によると、調査は国防情報局の「先端航空宇宙脅威特定計画」の一環として07~12年に実施。2200万ドル(約24億円)を投じ、米軍が任務中に遭遇した飛行物体の調査や安全保障に与える脅威を評価したという。04年、米西海岸サンディエゴ沖にいた空母ミニッツから飛び立った海軍のFA18F戦闘機2機が追跡した円形の未確認飛行物体の映像も含まれている。

 国防総省はロイター通信の取材に計画の存在を認めた上で、終了したのは「ほかに予算をつけるメリットのある優先事項があったためだ」と述べた。しかし、担当した元職員は、予算が無くなっただけで調査は続いているとしている。

 計画を後押ししたハリー・リード元上院議員(民主党)は、ツイッターで報道を紹介。UFOの絵文字付きで「真実がここにある」と内容を認め、「これは科学と安全保障の問題だ。米国がリードしなければ、他国がやるだろう」とツイートした。

 UFO調査は、かつて米空軍が1947~69年に実施。1万2千件以上の目撃情報を調査し、ほとんどが星や雲、その他の飛行機などだったと結論付けて終了した。(ワシントン=香取啓介)